【完結】女好きプロゲーマーが恋愛ごっこを卒業するまで

ソラ太郎

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Lv.19-2

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 武器を変え、防具の重さも調整して確保すべきポイントを絞り、狙い撃てるポジションの取り方を模索し、直線的に使える弾道を計算し、繰り返し、繰り返し、繰り返し…………

 シロサイの横顔が目に入る。
 ぷるんとした唇に目が吸い寄せられる。

「可愛い……」

 操作が止まり動かなくなったキャラから、シロサイは俺の呟きに呼ばれたようにこちらに目を向けた。
 観察するように目を瞬かせた瞬間にも、俺の手はコントローラーから離れシロサイの頭を支えていた。

「んっ……」

 塞いだ口から声が漏れる。
 久しぶりにキスをした。
 どうやら俺は、我慢できなかったらしい。

 シロサイも目を閉じたのが分かって昂るけれど、興奮してはいけない。

 怪我人だぞ。
 手首も肘もそうだけど、ヒビとは言え骨折なんて、絶対安静にさせなきゃいけないんだぞ。


 手首を掴んで押し倒すのは辞めておこう。
 ベッドにゆっくり寝かせてあげたら、怪我してるのは左手だから……右手はセーフか?

 包帯をしてるのはまだ治りきっていないからだ。
 肘に当たったら擦り傷が痛むぞ。
 両手を肩から上に固定して、当たらないようにすればセーフか?

 胴体部分に外傷はないし、打撲もしてない。
 めくってみても見た目も綺麗だ。
 柔らかいのに先端だけは固く尖ってるし、コリコリとした感触は指先だけじゃなくて舌でもころがしたくなる。

 こうすれば多分、ちっちゃい声が漏れるんだ。

 脚の骨折はギプスだから動かせないけど、膝は動くもんな。
 膝を曲げてもらって、俺が開いた脚を掴んでいてやれば無理させないかな。
 ギプスにだけ重量を掛けなければセーフだ。

 こうしても多分、遠慮がちな声を漏らすだけ。

 中の方はここも前と同じで、この森林はあまり濃くないからピンク色がはっきり見える。
 もうこんなに濡れてるのは何でだ?
 味も変わらないし、舐め取っても舐め取っても次から次へと溢れてくるんだが。

 声を出していいのか迷いながら、恥じらう気持ちで我慢したくなるのだろう。

 確かめれば確かめるほど、やはり外傷はお医者の言った通りで怪我してるとこを気に掛ければ問題なさそうだ。

 どうやら指令を出さずして、俺の秘密基地に備えられたマグナムスパークの準備は整っているらしい。

 まだ完全に慣れきったとは言えないから、ゆっくり掘削していかねばならん。
 ぬめる洞窟入り口をスタート位置としてマグナムの先端をセットしたら、もう一度初心に返って唇を重ねた。


 その瞬間、シロサイのとろけそうな顔が目の前にあることに気づいた。
 ───あれ?

「……シロサイ」
「ふぇ……なぁに」

 脳内探索で進んでいたはずの妄想。

「俺、いつの間にこんなこと始めたの?」
「んん……どゆこと……?」
「気づけばシロサイと繋がろうとしてるんだが」
「……あは……そだね」

 だかそれは妄想なんかではなく、実はどうやらリアルタイムに進んでいた現実らしいことに気づいた。

 安静にさせてやるべきなのに、何をしてるんだ俺は。

「すまん。普通にトリップしてた。シロサイ怪我人だしいくら抱きたくなっても我慢する気でいたんだが」
「いい……よ?」

 シロサイがつぶやいた。
 その目はとろんとしていて、俺の経験から言えば洞窟のぬめりと明確にリンクしている。

 ここで辞めさせるのを申し訳なく思ったんだろうか。気を遣って言ってくれてるんじゃなかろうかとも疑える。

「や、無理しなくていい。ごめん普通に」
「トリップしてたのかどうかは分かんないけど、高山くん、今日もずっと優しくしてくれてるよ?」

 シロサイは俺の首に手を回して、頭を自分の方へと引き寄せた。
 これがシロサイから自主的にした初めてのキス。

「私が、したい」

 あーれれ。
 そんなこと言えるようになったの? シロサイ。

 途端に栓が抜けたように、我慢のデッドラインを踏み越えてしまった。

 もう2人に言葉は要らないとでもいわんばかりにその口を塞ぎ合い、深く入れ込んだ舌を絡み合わせながらも、俺は腰を前へと進めた。

 ゆっくり、ゆっくり。

 激しいキスに比較すればあり得ないほどのんびりと、マグナムは中へと吸い込まれていった。
 シロサイの身体が俺を受け入れ、俺に慣れようとしている。それを実感するくらい、極部にはシロサイの洞窟がまたたく間に絡みついてきた。

 怪我した部分には触れないように、それでも絡みつくのはお互いを欲した情熱で。

 自制心が粉々に打ち砕かれたのは、俺だけじゃなくシロサイも同じだったようだ。

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