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第一章 紡がれる日常
第45話
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噂をすれなんとやら、俗世を捨てて霊峰にこもった子が帰宅した。
普段どんな服装をしているかと思ったら、天狗がよく着ている山伏のような衣装ではなく、禅修行をする僧が着ている漢服だった。
映画でよく見るよねあの衣装、女神様がデザインしたのだろうか。
「うぅ俗世を捨てたはずなのにぃ」
「ご飯のお代わりいる?」
「たべる」
用事があって下山し、久しぶりに帰宅した自宅で見たものそれは――。
「松茸ご飯美味いなぁ」
『土瓶蒸しもおいちいよ』
「まさか黄金の領主から松茸詰め合わせが届くとは思わなかった」
松茸料理を美味しそうに食べる兄弟の姿だった。
そこはうちの子だからね、一瞬迷ったものの比較的素直に食卓についてご飯を食べ始めました。
いい子、たっぷりお食べ。なんならお土産におにぎりもあるよ。
「涼玉様、お茶とお吸い物どちらにしますか」
「んーお茶!」
黄金の牛から人に進化し、人間を性的に食べてハーレムを作ったあの領主から30cmぐらいある松茸が山のように届いたんだ。
調理するの大変だった。
なんでもイグちゃんや俺様邪神が連日入り浸った結果、ダンジョンの魔物が凶悪化してただの松茸が魔物化してしまったようなんです。
大きいものは1mぐらいあったらしいねぇ、そっちはギルドに売り飛ばし、翌日にはギルドの食堂に松茸ご飯定食が売り出されたと聞いた。
ダンジョンを乗っ取ってしまったと聞いた時はどうしようかと思ったけど、美味しい物をみんなで食べれられるようになったのは僥倖だと思う。
たとえ松茸の魔物がAランク指定されるぐらい凶悪だとしても!
アー君の推察ではただのキノコまで魔物化したのは、俺様邪神がシャムスのためにキノコ狩りを行い、絶滅の危機を前に進化した可能性が高いみたいです。
ただ強ければ強いほど味が良いため、邪神兄弟が入り浸るのは当然の結果だよね。
神々を滅ぼす罠だったはずが、今は邪神の腹を満たすためのダンジョンとして愛用されているこの現実。
これが「ねぇねぇ今どんな気持ち?」ってやつなのだろうか、相手がプチっとされてしまったのでどっちにしろ聞くことはできないけどね。
「お山に行っている間にダンジョンが出来て、そこで黄金の牛と仲良くなったと思ったらその子が人間に進化して周囲の人間を襲ってハーレム作ったんだ。この松茸はそのダンジョンで採れた松茸」
「待って、情報量が多いうえに色々おかしい」
僕もおかしいと思うけど、全て真実なんだなぁ。
「そう言えば修行を中断してまで遊びに来た用事ってなんだ?」
「ああ……そう言えば用事があったんだった」
お吸い物を口にして、温かさにほぉっとなっている所に切った種無し柿をお皿に盛って渡す。
こちら、種を嫌がった涼玉によって呼び出された品種です、呼び出しを覚えてからは植物全般に対してメニュー画面いらずになったよねぇ。
「霊峰に侵入した人間にドラゴンが卵を盗まれたんだ。卵の奪還と盗賊の身柄拘束をアー君に依頼してくれって長老たちに頼まれてたんだっけ」
それ結構大ごとな気がするけど、ここで呑気にご飯食べてていいのだろうか。
「報酬は霊峰の探索権かお金でどうだろう?」
「ドラゴンが人里に降りて暴れても困るからな、緊急クエストとして発行するよ。報酬はあとで詰めるとして、先にギルドに……行ったみたいだな」
今のは僕も分かった。
部屋の片隅でアー君親衛隊の一人が一礼して姿を消したよね!
「場合によってはママの手も借りなきゃダメだろうなぁ、卵を奪われたドラゴンの怒りって俺じゃどうにもできないし、シャムスはドラゴンの味方だもんなぁ」
『ドラゴンさんの味方するのは当然よ、悪い人はっめ! 雷どーんするの!』
「ドラゴン皆兄弟! よっしゃぁ、俺の裁きの炎であぶってやろう!」
シャムスと涼玉がやる気満々です。
二人は僕が抑えておくので、なるべく早く解決してね。
普段どんな服装をしているかと思ったら、天狗がよく着ている山伏のような衣装ではなく、禅修行をする僧が着ている漢服だった。
映画でよく見るよねあの衣装、女神様がデザインしたのだろうか。
「うぅ俗世を捨てたはずなのにぃ」
「ご飯のお代わりいる?」
「たべる」
用事があって下山し、久しぶりに帰宅した自宅で見たものそれは――。
「松茸ご飯美味いなぁ」
『土瓶蒸しもおいちいよ』
「まさか黄金の領主から松茸詰め合わせが届くとは思わなかった」
松茸料理を美味しそうに食べる兄弟の姿だった。
そこはうちの子だからね、一瞬迷ったものの比較的素直に食卓についてご飯を食べ始めました。
いい子、たっぷりお食べ。なんならお土産におにぎりもあるよ。
「涼玉様、お茶とお吸い物どちらにしますか」
「んーお茶!」
黄金の牛から人に進化し、人間を性的に食べてハーレムを作ったあの領主から30cmぐらいある松茸が山のように届いたんだ。
調理するの大変だった。
なんでもイグちゃんや俺様邪神が連日入り浸った結果、ダンジョンの魔物が凶悪化してただの松茸が魔物化してしまったようなんです。
大きいものは1mぐらいあったらしいねぇ、そっちはギルドに売り飛ばし、翌日にはギルドの食堂に松茸ご飯定食が売り出されたと聞いた。
ダンジョンを乗っ取ってしまったと聞いた時はどうしようかと思ったけど、美味しい物をみんなで食べれられるようになったのは僥倖だと思う。
たとえ松茸の魔物がAランク指定されるぐらい凶悪だとしても!
アー君の推察ではただのキノコまで魔物化したのは、俺様邪神がシャムスのためにキノコ狩りを行い、絶滅の危機を前に進化した可能性が高いみたいです。
ただ強ければ強いほど味が良いため、邪神兄弟が入り浸るのは当然の結果だよね。
神々を滅ぼす罠だったはずが、今は邪神の腹を満たすためのダンジョンとして愛用されているこの現実。
これが「ねぇねぇ今どんな気持ち?」ってやつなのだろうか、相手がプチっとされてしまったのでどっちにしろ聞くことはできないけどね。
「お山に行っている間にダンジョンが出来て、そこで黄金の牛と仲良くなったと思ったらその子が人間に進化して周囲の人間を襲ってハーレム作ったんだ。この松茸はそのダンジョンで採れた松茸」
「待って、情報量が多いうえに色々おかしい」
僕もおかしいと思うけど、全て真実なんだなぁ。
「そう言えば修行を中断してまで遊びに来た用事ってなんだ?」
「ああ……そう言えば用事があったんだった」
お吸い物を口にして、温かさにほぉっとなっている所に切った種無し柿をお皿に盛って渡す。
こちら、種を嫌がった涼玉によって呼び出された品種です、呼び出しを覚えてからは植物全般に対してメニュー画面いらずになったよねぇ。
「霊峰に侵入した人間にドラゴンが卵を盗まれたんだ。卵の奪還と盗賊の身柄拘束をアー君に依頼してくれって長老たちに頼まれてたんだっけ」
それ結構大ごとな気がするけど、ここで呑気にご飯食べてていいのだろうか。
「報酬は霊峰の探索権かお金でどうだろう?」
「ドラゴンが人里に降りて暴れても困るからな、緊急クエストとして発行するよ。報酬はあとで詰めるとして、先にギルドに……行ったみたいだな」
今のは僕も分かった。
部屋の片隅でアー君親衛隊の一人が一礼して姿を消したよね!
「場合によってはママの手も借りなきゃダメだろうなぁ、卵を奪われたドラゴンの怒りって俺じゃどうにもできないし、シャムスはドラゴンの味方だもんなぁ」
『ドラゴンさんの味方するのは当然よ、悪い人はっめ! 雷どーんするの!』
「ドラゴン皆兄弟! よっしゃぁ、俺の裁きの炎であぶってやろう!」
シャムスと涼玉がやる気満々です。
二人は僕が抑えておくので、なるべく早く解決してね。
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