9 / 11
9話 突然の その1
しおりを挟む
「イービス様……どうしてここに?」
意味が分からなかった……私がウォルト様と一緒に居るところは貴族街の噴水庭園になる。貴族街の一部ではあるので、当然、貴族達の往来があっても不思議ではない。そういう意味ではイービス様がいたとしてもおかしくはないのだけれど……。
私が不思議だったのは、パメラ様などが一緒ではないことだ。
「パメラ様はいらっしゃらないのですか?」
私のその質問にイービス様は首を横に振った。彼は護衛を連れてはいるけれど、一人ということか。
「パメラは一緒ではない」
「左様でございますか……」
「彼女とは一緒になれないことを、先日、進言してきた……」
「えっ……? ど、どういうことでしょうか……?」
一緒になれないことを進言って……それはつまり……。
「私はパメラとは別れた、ということさ」
「イービス様……なぜ?」
「本当に済まなかった、アテナ」
「……???」
急に謝罪をされても非常に困ってしまう。一体、何の謝罪か分からないからだ。
「一体、その謝罪は何を意味するのでしょうか?」
「済まない……君のことを振ってしまって……本当に済まなかった」
「イービス様、そのことに関してはもう終わったことです。また、謝罪される必要はないと思われますが……」
既にこの1カ月で一応の決着はついた出来事だ。今更、そのことを言って来るなんて、イービス様の性格的には考えられなかった。一体、どういうつもりなんだろうか?
「こんなことは許されないことだとは分かっている……分かっていることなのだが、私は言わなければならない」
「は、はあ……なんでしょうか?」
イービス様はこの上ない程に真剣な眼差しを私に見せていた。気迫が伝わってくる……ウォルト様にもその気迫は伝わっているのか、彼も怪訝な様子を見せ始めていた。そして……彼は口を開いた。
「私と……私と再び婚約をしてほしい!!」
イービス様の大きな叫び声は、貴族街の噴水庭園全体に響き渡った。一体なにごとかとこちらに視線を向ける人々も当然いただろうけれど。そんなことは大したことではなかった。なぜなら私は、彼の言葉の意味を理解出来ていなかったのだから……。
意味が分からなかった……私がウォルト様と一緒に居るところは貴族街の噴水庭園になる。貴族街の一部ではあるので、当然、貴族達の往来があっても不思議ではない。そういう意味ではイービス様がいたとしてもおかしくはないのだけれど……。
私が不思議だったのは、パメラ様などが一緒ではないことだ。
「パメラ様はいらっしゃらないのですか?」
私のその質問にイービス様は首を横に振った。彼は護衛を連れてはいるけれど、一人ということか。
「パメラは一緒ではない」
「左様でございますか……」
「彼女とは一緒になれないことを、先日、進言してきた……」
「えっ……? ど、どういうことでしょうか……?」
一緒になれないことを進言って……それはつまり……。
「私はパメラとは別れた、ということさ」
「イービス様……なぜ?」
「本当に済まなかった、アテナ」
「……???」
急に謝罪をされても非常に困ってしまう。一体、何の謝罪か分からないからだ。
「一体、その謝罪は何を意味するのでしょうか?」
「済まない……君のことを振ってしまって……本当に済まなかった」
「イービス様、そのことに関してはもう終わったことです。また、謝罪される必要はないと思われますが……」
既にこの1カ月で一応の決着はついた出来事だ。今更、そのことを言って来るなんて、イービス様の性格的には考えられなかった。一体、どういうつもりなんだろうか?
「こんなことは許されないことだとは分かっている……分かっていることなのだが、私は言わなければならない」
「は、はあ……なんでしょうか?」
イービス様はこの上ない程に真剣な眼差しを私に見せていた。気迫が伝わってくる……ウォルト様にもその気迫は伝わっているのか、彼も怪訝な様子を見せ始めていた。そして……彼は口を開いた。
「私と……私と再び婚約をしてほしい!!」
イービス様の大きな叫び声は、貴族街の噴水庭園全体に響き渡った。一体なにごとかとこちらに視線を向ける人々も当然いただろうけれど。そんなことは大したことではなかった。なぜなら私は、彼の言葉の意味を理解出来ていなかったのだから……。
0
あなたにおすすめの小説
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ
水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。
ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。
なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。
アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。
※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います
☆HOTランキング20位(2021.6.21)
感謝です*.*
HOTランキング5位(2021.6.22)
拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】
僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。
※他サイトでも投稿中
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
実家に帰ったら平民の子供に家を乗っ取られていた!両親も言いなりで欲しい物を何でも買い与える。
佐藤 美奈
恋愛
リディア・ウィナードは上品で気高い公爵令嬢。現在16歳で学園で寮生活している。
そんな中、学園が夏休みに入り、久しぶりに生まれ育った故郷に帰ることに。リディアは尊敬する大好きな両親に会うのを楽しみにしていた。
しかし実家に帰ると家の様子がおかしい……?いつものように使用人達の出迎えがない。家に入ると正面に飾ってあったはずの大切な家族の肖像画がなくなっている。
不安な顔でリビングに入って行くと、知らない少女が高級なお菓子を行儀悪くガツガツ食べていた。
「私が好んで食べているスイーツをあんなに下品に……」
リディアの大好物でよく召し上がっているケーキにシュークリームにチョコレート。
幼く見えるので、おそらく年齢はリディアよりも少し年下だろう。驚いて思わず目を丸くしているとメイドに名前を呼ばれる。
平民に好き放題に家を引っかき回されて、遂にはリディアが変わり果てた姿で花と散る。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った
ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。
昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。
しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。
両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。
「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」
父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた
ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。
だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる