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34話 ロード第二王子 その1
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「よう、兄上」
「ロードか……」
ハルト様はあからさまに警戒心を剥き出しにしていた。ロード・ランパード王子殿下……ハルト様の弟であり、ランパード王家の中で、2番目の王位継承権を持っているお方。以前に、王位継承権争いが勃発し敗北しているはず。それで、ハルト様が王太子になられた。
「有名な王太子殿下が、こんな廊下の片隅で何をやっているんだ? 護衛は……まあ、居るんだろうけど、そっちの娘は?」
「言っていなかったか? 私の婚約者のシエル・アクアマイト令嬢だ」
「ああ……アクアマイト家の。伯爵令嬢か……兄上、それは不味いんじゃないか?」
「どういう意味だ?」
ハルト様はロード様はどのように返してくるか、予期しているようだった。その上で敢えて質問をしているみたいね。
「だって、ただの伯爵令嬢と次期国王確実の兄上が結婚なんて……フォーランド王国の笑い種になってしまうだろう? せめて、相手は公爵級の奴じゃないとさ。他国の王女様とかでもいいか」
「……」
確かに普通で考えればそうなんだけれど……。各貴族たちからの批判などはあったけれど、ここにきて、第二王子から批判されるのは予想外だったみたい。
「批判は承知の上だ。私は彼女を心から愛している。この気持ちは私が掲げる理念とも矛盾はしていない。シエルとの婚約は全うだと思っているよ」
「兄上の掲げる理念……民の為の政治ってやつか……全く、これだから平和主義者は……」
ハルト様は国王になり、出来るだけ開かれた、平等な世の中の構築を目指す考えだ。身分差のある私との婚約もその一環なのかもしれないわね。あ、もちろんハルト様のお気持ちを疑っているとかそういうことじゃないけれど。
「民なんてものは、俺達王族や貴族の下で働いてこそのものなんだよ。税金だけ徴収してればいいのに、なんで平等とか言い出すんだろうな……」
「カニエル公爵に毒されたのか、ロード? あの男はお前を頂点に立たせて、裏で実権を握ろうとしているだけだ。お前のことは傀儡人形くらいにしか思っていないぞ?」
「なんだと……?」
ロード第二王子の表情は変わった。ハルト様への敵意を剥き出しにしているみたいね……。私は言葉を発するタイミングを完全に失っていた。変なことを言えば、不敬罪で投獄されそうでもあったし。
「やっぱり、兄上が頂点に立つのは心配だな……。今からでも遅くないから、俺に次期国王の座を渡したらどうだ?」
「冗談は顔だけにしておいてくれ」
ロード第二王子の皮肉めいた発言にもハルト様は動じない。逆に第二王子の顔が赤くなっていった。相当に怒ってるわねこれ……。
「ロードか……」
ハルト様はあからさまに警戒心を剥き出しにしていた。ロード・ランパード王子殿下……ハルト様の弟であり、ランパード王家の中で、2番目の王位継承権を持っているお方。以前に、王位継承権争いが勃発し敗北しているはず。それで、ハルト様が王太子になられた。
「有名な王太子殿下が、こんな廊下の片隅で何をやっているんだ? 護衛は……まあ、居るんだろうけど、そっちの娘は?」
「言っていなかったか? 私の婚約者のシエル・アクアマイト令嬢だ」
「ああ……アクアマイト家の。伯爵令嬢か……兄上、それは不味いんじゃないか?」
「どういう意味だ?」
ハルト様はロード様はどのように返してくるか、予期しているようだった。その上で敢えて質問をしているみたいね。
「だって、ただの伯爵令嬢と次期国王確実の兄上が結婚なんて……フォーランド王国の笑い種になってしまうだろう? せめて、相手は公爵級の奴じゃないとさ。他国の王女様とかでもいいか」
「……」
確かに普通で考えればそうなんだけれど……。各貴族たちからの批判などはあったけれど、ここにきて、第二王子から批判されるのは予想外だったみたい。
「批判は承知の上だ。私は彼女を心から愛している。この気持ちは私が掲げる理念とも矛盾はしていない。シエルとの婚約は全うだと思っているよ」
「兄上の掲げる理念……民の為の政治ってやつか……全く、これだから平和主義者は……」
ハルト様は国王になり、出来るだけ開かれた、平等な世の中の構築を目指す考えだ。身分差のある私との婚約もその一環なのかもしれないわね。あ、もちろんハルト様のお気持ちを疑っているとかそういうことじゃないけれど。
「民なんてものは、俺達王族や貴族の下で働いてこそのものなんだよ。税金だけ徴収してればいいのに、なんで平等とか言い出すんだろうな……」
「カニエル公爵に毒されたのか、ロード? あの男はお前を頂点に立たせて、裏で実権を握ろうとしているだけだ。お前のことは傀儡人形くらいにしか思っていないぞ?」
「なんだと……?」
ロード第二王子の表情は変わった。ハルト様への敵意を剥き出しにしているみたいね……。私は言葉を発するタイミングを完全に失っていた。変なことを言えば、不敬罪で投獄されそうでもあったし。
「やっぱり、兄上が頂点に立つのは心配だな……。今からでも遅くないから、俺に次期国王の座を渡したらどうだ?」
「冗談は顔だけにしておいてくれ」
ロード第二王子の皮肉めいた発言にもハルト様は動じない。逆に第二王子の顔が赤くなっていった。相当に怒ってるわねこれ……。
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