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43話 王位継承権争い その1
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「くそ……! まさか父上が、あんなに日和見主義だったとは……!」
「ハルト様……」
宮殿の壁に八つ当たりをするように、ハルト様の拳が突き刺さる。国王陛下の態度が想定外だったのは事実だけど、ハルト様がここまで余裕を失くすなんて……。
でも、それも仕方ないのかもしれない。私の為にブリーテン家を打倒し、カニエル公爵に目を付けられてからは、散々だったから……。第二、第三王子は両方共、カニエル公爵側といっても過言ではないし。
「ハルト様」
「シエル?」
こんな時こそ、私がハルト様の支えにならないと、何の為の婚約者かわからない。そうよ、ハルト様は私を窮地から救ってくれたんだから、今度は私が恩返しをする番だわ。
「私では大したことは出来ないかもしれません……でも、出来るだけハルト様の心の支えになりたいと思っています。これが私なりの恩返しでもありますし、愛するハルト様への奉公と考えています」
「シエル……君は……」
内心では恥ずかしいことを言ってしまったのかもしれない……でも、その思いに嘘はなかった。事実上、ハルト様に対して出来ることは非常に限られているとは思うけれど、少しでも彼の心の支えになりたいと思っているのは事実だ。私は真っすぐにハルト様の顔を見ていた。
「シエル……ありがとう……!」
「は、ハルト様……ああ……!」
ハルト様が力強く抱きしめて来た。嬉しいんだけど、情熱的な抱きしめに私は変な声を出してしまう。
「……」
「……」
お互いに、余計な言葉は必要なかった……視線を合わせるだけで、相手の考えがわかってしまうから。そして、ハルト熱い口づけを交わす。このまま、いけない方向へと進んでしまうのでは……そんなことを考えていた時だった。
「私達も同じ気持ちでございます……ハルト王太子殿下」
「お前たち……」
あ、すっかり忘れてたわ……ハルト様の周囲には、常に護衛の人々が居るってことを……。メルレーンは私の顔を見て怪しく笑ってるし……後で思い切りからかわれそうね、これは……。
でも私達の前には、王位継承権争いに対しての心強い仲間が集結していたのだった。
「ハルト様……」
宮殿の壁に八つ当たりをするように、ハルト様の拳が突き刺さる。国王陛下の態度が想定外だったのは事実だけど、ハルト様がここまで余裕を失くすなんて……。
でも、それも仕方ないのかもしれない。私の為にブリーテン家を打倒し、カニエル公爵に目を付けられてからは、散々だったから……。第二、第三王子は両方共、カニエル公爵側といっても過言ではないし。
「ハルト様」
「シエル?」
こんな時こそ、私がハルト様の支えにならないと、何の為の婚約者かわからない。そうよ、ハルト様は私を窮地から救ってくれたんだから、今度は私が恩返しをする番だわ。
「私では大したことは出来ないかもしれません……でも、出来るだけハルト様の心の支えになりたいと思っています。これが私なりの恩返しでもありますし、愛するハルト様への奉公と考えています」
「シエル……君は……」
内心では恥ずかしいことを言ってしまったのかもしれない……でも、その思いに嘘はなかった。事実上、ハルト様に対して出来ることは非常に限られているとは思うけれど、少しでも彼の心の支えになりたいと思っているのは事実だ。私は真っすぐにハルト様の顔を見ていた。
「シエル……ありがとう……!」
「は、ハルト様……ああ……!」
ハルト様が力強く抱きしめて来た。嬉しいんだけど、情熱的な抱きしめに私は変な声を出してしまう。
「……」
「……」
お互いに、余計な言葉は必要なかった……視線を合わせるだけで、相手の考えがわかってしまうから。そして、ハルト熱い口づけを交わす。このまま、いけない方向へと進んでしまうのでは……そんなことを考えていた時だった。
「私達も同じ気持ちでございます……ハルト王太子殿下」
「お前たち……」
あ、すっかり忘れてたわ……ハルト様の周囲には、常に護衛の人々が居るってことを……。メルレーンは私の顔を見て怪しく笑ってるし……後で思い切りからかわれそうね、これは……。
でも私達の前には、王位継承権争いに対しての心強い仲間が集結していたのだった。
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