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賢者。勇者剣士と合流する。

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ラダが険しい顔で指摘する内容は、私もミウも頷かざるを得ない。
話題に上がったばかりのルルカは、本当の主人であるミルベルの腕の中で安心しきった状態で抱かれている。
話を聞いてみれば、引き渡した後からほとんどミルベルにくっついているらしい。
「店もあるからあんまり出歩けなくて……一応は言うことを聞いてくれる鳥たちにお願いして探してはいたんだけど……」
「いったんは王都の外に連れ出して……でも、戻ってきた?」
「そうかもね。たぶん攫われてすぐに首輪をつけられたんだと思う。あの電撃の出る首輪自体はけっこう前からあってね……電気を流せる『電流石』っていう魔石を埋め込む技術ができて、見世物に使うような動物のしつけに使われていたからね。今はちゃんと『テイマー』っていう職業が認められたから、逆にこんなの使って言うこと聞かせる奴が邪道…って言われてるぐらいだもん。プライドある奴なら、まず使わないね」
「じゃぁ。あの二人組はその『プライド無い組』ってやつか……もしくは、職業を偽って従魔を手に入れる依頼を受けていたかも?」
「う~ん……攫った奴がどんな奴かわからないから、私は何とも言えないけど。ちょっと目を離した隙にそこらにある綺麗な物を手に取って隠す変な癖が付けられたから、ろくでもない奴らであるとは思うけど」
「小さくて知能があって目的の物を盗むだけの技術を身につけられる魔獣……か。それが何でパトリック賢者とミウの後を付けていたんだ?俺はそっちの方が不思議なんだけど」
「ん~……たぶん、だけど」
ケヴィンが疑問を口にすると、ルルカを撫でていたミルベルが眼鏡を外してウルをジィッと見ながら思案深げに推測を話す。
「ウルの首に巻いている鎖……一応『従魔の証』として付けているんでしょ?」
「偽物だけどね~。それっぽく見えるし、かっこいいし、綺麗だし!ノームたちが作ってくれたの!」
「あぁ……なるほど……だからね。不思議な魔力を纏っているみたいだし、たぶんミウとパトリックさんのどっちがあるじか判断がつかなかった。だからきっとその首輪?ネックレスみたいなのの契約の鍵を奪おうとしたんだろうね」
「契約の鍵?」
「うん。この子に無理やりつけられていた首輪もそうだけど。これ」
ミルベルが私たちの前に出してくれた1本のベルトだが、よくよく見れば留め具がないのにホールがひとつだけ開いている。
「ここに鍵を挿すと、従えたい魔獣や動物の首に巻いたベルトが締まる。このベルトには『命令を聞かないと電撃を流す』っていう命令が刻んであった。あたしの店にはこれを解除できる万能鍵があるからね……それは問題なかった。というか、これをつけた奴はたぶんあたしとの従魔契約なんて元から解除する気はなかったのかもね」
そう言ったミルベルはルルカを抱き締める腕を僅かに強張らせた。


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