悪役令嬢、闇ギルドの稼ぎ頭になる

砂糖 真湖

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この島に来て四日目。正しくは目が覚めてから四日目だけど、まぁ気にしない。

気分的には四日目なのだ。
この四日間で少しずつ体力が戻り、部屋の中を歩き回れる位には回復している。

食事もお粥から普通のものに変わった私は、この島のリーダーと会うことになった。


「ほら、ここじゃよ」

お爺様に案内されたのは、私が過ごしている建物内の一階だ。すごく、近くてちょっと驚く。

島のリーダーと同居してるとは思わなかった。

コンコン。

木製の薄いドアをお爺様がノックして、返事を待たずにドアを開ける。


ぎぎぃー。

立て付けが悪そうな音とともに広い部屋が現れた。

真ん中に大きめのテーブル。テーブルを挟むように二人用のソファが二個、置いてある。

本棚と机が窓際に置いてあり、部屋の左すみにはベッドがあった。


一歩。中に入るとふわり、と石鹸の匂いがする。居心地の良さそうな部屋だ。必要最低限の物しか置いてない感じ。


キョロキョロしていると、後ろから声がした。


「誰がはいっていいつった、爺さんよ」

ドスの効いた声に少しビクッとなる。


振り向こうとしたら、その声の主は私の横をすり抜けてさっさと部屋へ入っていった。

赤茶の短く刈り込んだ髪に、褐色の肌。

筋肉はムキムキ。顔もとても綺麗な顔をしている男性がいた。よく見ると目尻にシワがある。そんなに若くないみたい。

そして、なかなかに目付きが悪い。ギロリ、と睨まれて目が合う。


…あ、この人…みたことある。


「バルトさん…ですか?」

「お、なんで知ってんだ?爺さんが言ったか?」


「いえ、あの、最初に目が覚めた時に…」

水を持ってきてくれた人だ。見たことがある人で少し、ほっとする。

「あぁ、あのときか」

うんうん、と頷いてからにやり、と笑う。目尻のシワが強くなって怖い印象がいくらか薄れる。

「病み上がりなのに立たせたままですまんな」


入れ、そう言ってソファへと案内された。

お爺様はいつの間にかいなくなったとおもったら、お茶を持ってきて私とバルトさんの前においた。


「さて、お嬢さん、目の前の目付きが悪いやつがこの島のリーダーじゃ。バルトという」


「よろしくな、バルトだ。」

お茶を勢いよく煽りながら顔をしかめるバルトさん。熱かったらしい。


「あの、えっと、私の名前は、マリ…」

「あぁ、ちょっと待て」

名乗ろうとしたらバルトさんに止められてしまう。

「爺さんから聞いた。この島に住みたいそうだな」

「はい」

頷くと、バルトさんは真剣な表情になった。

「ここに住むのは全くかまわん。だが、それは家族や、身分や、自分の名を…捨てるということだ。どうだ、できるか?」


「…私、従姉妹に崖から突き落とされたんです。両親は私よりもその従姉妹を可愛がってて、私にだけ厳しかった。それでも、愛してくれてるって、そう、思いたかったけれど」


喉の奥がつんってなる。涙が出てきそうで、目の前のお茶を一口、涙と一緒に流し込んだ。


「たぶん、今頃、従姉妹を養女にでもして可愛がっているんじゃないでしょうか。だから、もういいんです。自分の好きなことをして、生きていくって決めたんです」


バルトさんとお爺様は、真剣な顔で私の話を聞いてくれた。


「…そうか、よく頑張ったな」

「…っう、はいっ」

「泣きたい時は泣けばいいんじゃ。この島では我慢しなくていいんじゃよ。」


思わず泣いてしまった私の背中をお爺様が撫でてくれる。また、涙が溢れてしまった。


_____________________


ふっふっふっ、次のページがずっと書きたかったんヾ(´∀`*)ノ嬉。

修正したよ、



    
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