悪役令嬢、闇ギルドの稼ぎ頭になる

13

…こうして今に至るわけである。


「あー、ついにばれちったかぁ」


バルトさんが横にどすん、と座る。

「俺が勝手に決めたんだ、サクと仲直りしろよ」

わしゃわしゃと髪の毛を撫でられて首ががくがくした。バルトさんは力かげんを知らない。


「やだっ、サクとはもう絶交するっ！」


「お前なぁ…それ聞いたらあいつ…」

バルトさんはなにかモゴモゴと言っているけど知らない。私は怒ってるのだ。


「なぁ、レイ。お前は何に怒ってるんだ？」


「…え」


「俺達全員が闇ギルドの人間だ、サクにだけ怒るってのはおかしい。」


そう言われて思わず黙りこんでしまった。


「それに、サクに黙っとけっていったのは俺だ。怒るのなら俺に怒るべきだ」


その言葉に一気に冷静になる。怒りも少しづつ消えていったけれど、代わりにものすごく悲しくなった。


「私ね、サクのこと大好きなの」


「…お、おう」


「サクはね、私に嬉しいことも悲しいことも全部教えてね、っていうんだけど。サクは一度も、自分のこと話してくれたことないんだ。」


「…そうか」


「薄情かもしれないけど、私、サクとか、キアナとかバルトとか。この島の人達が人殺しでとどうでもいいの。ただ、この島の一員になったのに、なんにも知らなかったのが悔しい。…サクに、関係ないって言われたのが悲しい」


「んー、サクはな、レイを守りたいだけなんだよ。あいつはお前が大好きだからな、綺麗なままでいて欲しいんだよ」


そんで、関係ないなんて言っちまったんだろうな。

そう、しみじみと言われて、すぅっと頭の芯が冷えていく感じがした。


「ねぇ、バルトさん。私、サクを傷つけちゃった。私を守りたかっただけなのに」


「だいじょーぶだよ、謝りゃいいんだ。ついでに責任とって…っておいっ？！レイ！！どこ行くんだ？！」


バルトさんの言葉の途中で私は立ち上がって駆け出した。


そうだ、責任をとらなきゃいけない。

そしてサクに謝ろう。




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なんか、お気に入り登録がめちゃくちゃ増えました。ありがたや。
なるべく更新して、さっさと終わらせて修正かけていく予定なので頑張ります!щ(゜▽゜щ)