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28 閑話 デート4
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これで閑話終わる予定ですたぶん
_________________________________________________________
サクside
「‥‥行っちゃった」
思わずため息をついてしまう。
笑顔で人の波に流されていったレイを思い出す。
せっかくのデートだったのに。
いい感じの理由で手もつなげたのに、まさか自分から人混みに飛び出していくとは思わなかった。
「‥‥行くか」
今からでも行けばレイに追い付くかもしれない。時計台に集合とは言ってるが、道中で追い付いて少しでも長くデートを楽しみたい。
道の端、屋台にそって足早に歩きだす。
端に寄ったことで、人混みの影響があまりなく、いくらか楽に進めた。
「‥‥チッ」
しかし、視界にうつる時計台が先程から全く大きくなる気配がない。どんどんイライラが増してくる。
道中でレイに会いたかったが、人が多く、見つけられない。
魔法でレイの魔力を追おうか‥‥そう思った視界の端を巡回している騎士が掠める。
これでもシャドウの働き頭。
自分の魔力が特定されているかもしれない。
迂闊な真似をして追われることは避けたかった。
「チッ、めんどくさ」
自分の魔力をごまかす方法を考えとかないと、不便だな。
ていうか、あとどれくらいで時計台につくんだ。
周りを見渡すと、地面にお婆さんが座り込んでいるのが見えた。
「すみません、ちょっと聞きたいことがあって」
近づいて話しかけると、お婆さんはゆっくり顔をあげた。
「はい、なんでしょ」
「時計台まで、あとどれくらいですか?」
「そんなに遠くないよ、7、8分位かねぇ」
「そうなんですね、ありがとうございます」
意外と近い。そのまま立ち去ろうとした俺をお婆さんが呼び止めた。
「今は混んでるから、もっと時間がかかるよ。人混みが収まるまで、私の店を見てきなさいな」
ただ、座っているだけだと思っていたが、どうやらなにかを売っているらしい。
しゃがんでみると、アクセサリーのようだった。
「綺麗ですね」
どれも色のついた石が嵌めてあるシンプルなデザインだったが、丁寧に磨いてある。
「手作りなんだ、安くしてあげるよ」
嬉しそうにお婆さんが笑う。
軽くうなずいて、とりあえず一番手前にあるアクセサリーを手に取った。
どのアクセサリーも、石が丸くてかわいらしい印象だ。
レイにあげたい。
ふと、湧いたその考えをサクはとても気に入った。
そうだ、そうしよう。
自然と口の端がつり上がる。
自分が選んだものをレイがつける。
何て素敵なんだろうか。
一つ一つ丁寧に見ていくと、紺色の石が嵌めてあるピアスがあった。
手に取って良く見ると波のように渦巻いた模様が入っていた。
レイを初めて海岸でみた時を思い出す。
‥‥これがいい。
レイにピアスの穴は開いていない。
だが、この前レイもピアスを開けたいと言ってたな。
ふと思い出して、さらに口の端が上がった気がした。
ちょうどいい。
俺が、レイの耳にピアスホールをあけよう。
島にくる前、貴族だったレイに痛みを与えていたのは血の繋がった家族達だった。
その事実に血が沸き立つような怒りを感じるが、でも、もういい。
これからは。痛みも喜びも、全部俺がレイにあげるんだ。
「これ、下さい。プレゼントなんで、可愛くしてもらってもいいですか?」
「あいよ、このピアス対になってたんだけどねぇ、さっき売れちゃったんだよ、残念だったねえ。」
「そうなんですか?」
「そうなんだよ、対になってた方は銅貨2枚で売ったから、お兄さんも銅貨2枚でいいよ」
「ありがとうございます」
「はい、可愛くしたよ、彼女かい?」
銅貨を渡しながら片手で受けとるとお婆さんがにこにこしながら聞いてくる。
「‥‥まだ、でも、いずれは」
「そうかい、じゃあ今度は彼女さんと来なさいね」
「はい、ありがとうございました」
立ち上がって会釈をする。
早足で歩き出す。
時計台は目の前だ。
______________________________________
時計台に辿り着く
「あ、サクー!!ここ!!」
声のした方を向くと、レイが笑顔で手を降っていた。
片手にはふわふわとした、雲のようなお菓子。
買い物もしたらしく、ポケットが膨らんでいる。
どうやら、僕がいない間に随分と楽しんだらしかった。
苦笑しながら時計を見る。
爺さんと約束した時間が迫っていた。
結局ほとんどデートできなかった。
不思議とがっかりしない。
これから沢山、こうやってレイと街にくることはできる。
じわじわと囲いこんでやろう
レイのあいてるほうの手を握る。
恋人のように指を絡ませると、レイの顔は真っ赤になった。
______________________________________________
閑話おわりぃ
いちゃいちゃさせてみたかったけど
むりでした
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サクside
「‥‥行っちゃった」
思わずため息をついてしまう。
笑顔で人の波に流されていったレイを思い出す。
せっかくのデートだったのに。
いい感じの理由で手もつなげたのに、まさか自分から人混みに飛び出していくとは思わなかった。
「‥‥行くか」
今からでも行けばレイに追い付くかもしれない。時計台に集合とは言ってるが、道中で追い付いて少しでも長くデートを楽しみたい。
道の端、屋台にそって足早に歩きだす。
端に寄ったことで、人混みの影響があまりなく、いくらか楽に進めた。
「‥‥チッ」
しかし、視界にうつる時計台が先程から全く大きくなる気配がない。どんどんイライラが増してくる。
道中でレイに会いたかったが、人が多く、見つけられない。
魔法でレイの魔力を追おうか‥‥そう思った視界の端を巡回している騎士が掠める。
これでもシャドウの働き頭。
自分の魔力が特定されているかもしれない。
迂闊な真似をして追われることは避けたかった。
「チッ、めんどくさ」
自分の魔力をごまかす方法を考えとかないと、不便だな。
ていうか、あとどれくらいで時計台につくんだ。
周りを見渡すと、地面にお婆さんが座り込んでいるのが見えた。
「すみません、ちょっと聞きたいことがあって」
近づいて話しかけると、お婆さんはゆっくり顔をあげた。
「はい、なんでしょ」
「時計台まで、あとどれくらいですか?」
「そんなに遠くないよ、7、8分位かねぇ」
「そうなんですね、ありがとうございます」
意外と近い。そのまま立ち去ろうとした俺をお婆さんが呼び止めた。
「今は混んでるから、もっと時間がかかるよ。人混みが収まるまで、私の店を見てきなさいな」
ただ、座っているだけだと思っていたが、どうやらなにかを売っているらしい。
しゃがんでみると、アクセサリーのようだった。
「綺麗ですね」
どれも色のついた石が嵌めてあるシンプルなデザインだったが、丁寧に磨いてある。
「手作りなんだ、安くしてあげるよ」
嬉しそうにお婆さんが笑う。
軽くうなずいて、とりあえず一番手前にあるアクセサリーを手に取った。
どのアクセサリーも、石が丸くてかわいらしい印象だ。
レイにあげたい。
ふと、湧いたその考えをサクはとても気に入った。
そうだ、そうしよう。
自然と口の端がつり上がる。
自分が選んだものをレイがつける。
何て素敵なんだろうか。
一つ一つ丁寧に見ていくと、紺色の石が嵌めてあるピアスがあった。
手に取って良く見ると波のように渦巻いた模様が入っていた。
レイを初めて海岸でみた時を思い出す。
‥‥これがいい。
レイにピアスの穴は開いていない。
だが、この前レイもピアスを開けたいと言ってたな。
ふと思い出して、さらに口の端が上がった気がした。
ちょうどいい。
俺が、レイの耳にピアスホールをあけよう。
島にくる前、貴族だったレイに痛みを与えていたのは血の繋がった家族達だった。
その事実に血が沸き立つような怒りを感じるが、でも、もういい。
これからは。痛みも喜びも、全部俺がレイにあげるんだ。
「これ、下さい。プレゼントなんで、可愛くしてもらってもいいですか?」
「あいよ、このピアス対になってたんだけどねぇ、さっき売れちゃったんだよ、残念だったねえ。」
「そうなんですか?」
「そうなんだよ、対になってた方は銅貨2枚で売ったから、お兄さんも銅貨2枚でいいよ」
「ありがとうございます」
「はい、可愛くしたよ、彼女かい?」
銅貨を渡しながら片手で受けとるとお婆さんがにこにこしながら聞いてくる。
「‥‥まだ、でも、いずれは」
「そうかい、じゃあ今度は彼女さんと来なさいね」
「はい、ありがとうございました」
立ち上がって会釈をする。
早足で歩き出す。
時計台は目の前だ。
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時計台に辿り着く
「あ、サクー!!ここ!!」
声のした方を向くと、レイが笑顔で手を降っていた。
片手にはふわふわとした、雲のようなお菓子。
買い物もしたらしく、ポケットが膨らんでいる。
どうやら、僕がいない間に随分と楽しんだらしかった。
苦笑しながら時計を見る。
爺さんと約束した時間が迫っていた。
結局ほとんどデートできなかった。
不思議とがっかりしない。
これから沢山、こうやってレイと街にくることはできる。
じわじわと囲いこんでやろう
レイのあいてるほうの手を握る。
恋人のように指を絡ませると、レイの顔は真っ赤になった。
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ありがとうございます!
今年も楽しみ待ってます!
いつもありがとうございます。
ほんとに、ほんとに!!!
今年中に!!!!!!完結させます!!!!!!
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ブラックなサクいいですねー!
ありがとうございます😭😭😭
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