妹を殺された兄が、偽りの聖女候補になって王弟に溺愛されるまで~妹を殺した奴らに、ハッピーエンドなど与えない~

妹は、神に選ばれた聖女になるはずだった。
けれどその未来は、一人の女に奪われた。
だから――俺は、奪い返す。彼女の命と、彼女の物語のすべてを。

故郷の国で騎士副団長・ヨシュアは、妹・リリスの急死の報せを受ける。
「病死」とされたが、王都からの報告には多くの矛盾があり、遺体すら戻ってこない。
ヨシュアはすぐに気づく――これは、仕組まれた事だと。

妹の死の直後、王都では「神に選ばれた聖女」として一人の少女・クララが現れる。
彼女はまるで物語の筋書きを知っているかのように振る舞っていた。
実はクララが転生者であり、妹リリスを殺して『聖女』としてなり替わったのである。
彼女が妹を殺したと確信したヨシュアは、ある禁術を用い、妹と同じ顔を持つ「双子の妹・アリス」へと成り代わる。

復讐のために、舞台に立つために、そして、クララの『物語』をぶち壊すために。

アリスとして神殿へ現れたヨシュアは、「もう一人の聖女候補」として表舞台に立つ。
彼を取り囲むのは、クララに好意を抱く4人の男たち。
彼らの中には、リリス殺害に関与した者がいる。
神官、騎士団長、画家、第一王子。
愛と優しさの仮面をかぶる彼らの言動から、ヨシュアは冷徹に真相を暴き始める。

しかし、ヨシュアに誤算があった――それはこの国の王であり、王弟・ルーカスの存在だった。
「聖女アリス」に強く惹かれるこの男だけが、ヨシュアの仮面の裏にある「本当の顔」に気づき始める。

「君が誰であろうと、私は君を選ぶ。偽物でも、復讐の化身でも――構わない」

真実が暴かれるとき、狂気の【物語】がはじまる。

このお話は、転生者である少女をぶち壊し、殺された妹の無念を晴らす兄の話
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