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婚約者は不美人で病弱な私を捨て正反対の妹を選びましたが、後悔する事になっただけでした。
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「お前のような不美人で病弱な女、もう婚約破棄だ!」
「そ、そんな…。」
このような状態の私を、あなたは捨てると言うの─!?
「いつまでもベットから起き上がれない女など、俺は要らない!俺はお前と別れ、ここを出ていく。だが…出て行くのは一人ではない。」
そう言って、彼は近くに居た妹の肩を抱き寄せた。
「お姉様…あなたのその醜い顔と不健康な体は、彼にとっては足枷にしかならないわ。」
妹は、私の顔や体に浮かぶ斑点を指差し、嘲笑った。
「お前と違い、彼女はとても可愛く愛嬌がある。おまけに健康だ。俺の事業を手伝うと言ってくれてるし…きっと、客からのウケも良いだろう。お前みたいな女を迎えるより、余程俺は幸せになれる。」
そして二人は腕を組み、この家を出て行った─。
結局、二人に見捨てられて一人取り残された私だったが…今では、庭を散歩出来るくらいには回復した。
「この調子なら、町に出かけられる日も近いよ。」
「全て、あなたのおかげよ?あなたが来てくれたから、私は元気になれたの。」
私に笑いかける彼は、幼馴染で…そして、私の新しい主治医でもある。
「名医のあなたが、私を診てくれて…本当に感謝して居るわ。」
すると彼は…険しい顔になり、話を始めた。
「実は…君の病で気になる事があって、以前から調べていたんだよ。そしたら─。」
それから一ヶ月程経った頃、元婚約者が私の家を訪ねて来た。
「…頼む!もう一度、俺と婚約してくれ!」
「…何を今更。妹はどうしたのです?」
「あいつは…金遣いが荒くてどうにもならん!家の事業に協力すると言ったのも口だけで…遊んでばかりだ。そのせいで、俺の家は破産寸前で…だからもう、別れようと思っている。」
「それで、何故私の所に?」
「お前が、元気になったと聞いてな。しかも、以前のような美しさを取り戻したそうじゃないか!病さえなければ、お前はいい女だ。だから…もう一度俺とやり直してくれ!」
「確かに…私は元気になりました。全身に出ていた斑点も、こうしてすっかり消えましたしね。だからこそ、復縁はお断りします。」
「どうしてだ!?元気になった今こそ、この俺と─」
「私があんな体になったのは、妹のせいです。妹はどうしてもあなたを手に入れたくて…それには、私が邪魔だったんでしょう。私の食事に、毒草を混ぜていたんです。それも、死なない程度少しずつね…。私の現在の主治医が、調べ突き止めてくれました。」
「あいつ、そんな恐ろしい事を…。」
「やっと元気になったのに、私を一方的に捨てた挙句、破産寸前のあなたとなど…絶対に復縁などするものですか!それに…私にはもう、好きな人が居ますから─。」
扉が開き、隣の部屋で控えていた幼馴染の彼が、部屋に入って来た。
「これ以上、彼女に復縁を迫っても無駄だ。彼女は、俺の大事な患者であり…そしてそれ以上に、大事な恋人だ。彼女は俺が幸せにするから…君は、自分の心配した方がいい。」
「…何だと?」
「私…妹を私を殺そうとした罪で、訴える事にしたの。それと…あなたと妹の仲は、私とまだ婚約関係にあった時からでしょう?それなら、あなた達両方に慰謝料をしっかり請求させて貰います。病気でろくに動けない婚約者の私を置き去りにしたあなたにも、ちゃんと罪を償って貰わないと─。」
「そ、そんな…!そんな事されたら、俺の事業は、家は─。」
彼は真っ青な顔になり、その場に崩れ落ちた─。
その後…私は、妹と元婚約者から無事慰謝料を受け取った。
だかそれを払った途端、彼は破産してしまった。
というのも、そんな恐ろしい悪女の関わる事業は縁起が悪い、不吉だと、客や支援者らが一斉に去って行ってしまったからだ。
そうなって、彼は漸く妹を選んだ事を後悔し…そして、自分の愚かな行いを恥じた。
するとそうなって、妹は借金返済のカタに娼館へと売り飛ばされ…そして彼は、貧しい暮らしが祟り病で倒れ寝込んでしまい…二人は今、散々な人生を歩んでいる。
その一方で、すっかり元気になった私は…医者として働く彼を支えるべく、彼の助手として忙しく働いていた。
するとそんな一生懸命な私を見て、彼は益々私を大事にしてくれるようになり…私達は、近く結婚する事となった。
あの男に捨てられ、家に一人置き去りにされた時は、酷く絶望したけれど…私のこの先の未来は、愛と希望に満ちた幸せで明るいものになりそうだわ─。
「そ、そんな…。」
このような状態の私を、あなたは捨てると言うの─!?
「いつまでもベットから起き上がれない女など、俺は要らない!俺はお前と別れ、ここを出ていく。だが…出て行くのは一人ではない。」
そう言って、彼は近くに居た妹の肩を抱き寄せた。
「お姉様…あなたのその醜い顔と不健康な体は、彼にとっては足枷にしかならないわ。」
妹は、私の顔や体に浮かぶ斑点を指差し、嘲笑った。
「お前と違い、彼女はとても可愛く愛嬌がある。おまけに健康だ。俺の事業を手伝うと言ってくれてるし…きっと、客からのウケも良いだろう。お前みたいな女を迎えるより、余程俺は幸せになれる。」
そして二人は腕を組み、この家を出て行った─。
結局、二人に見捨てられて一人取り残された私だったが…今では、庭を散歩出来るくらいには回復した。
「この調子なら、町に出かけられる日も近いよ。」
「全て、あなたのおかげよ?あなたが来てくれたから、私は元気になれたの。」
私に笑いかける彼は、幼馴染で…そして、私の新しい主治医でもある。
「名医のあなたが、私を診てくれて…本当に感謝して居るわ。」
すると彼は…険しい顔になり、話を始めた。
「実は…君の病で気になる事があって、以前から調べていたんだよ。そしたら─。」
それから一ヶ月程経った頃、元婚約者が私の家を訪ねて来た。
「…頼む!もう一度、俺と婚約してくれ!」
「…何を今更。妹はどうしたのです?」
「あいつは…金遣いが荒くてどうにもならん!家の事業に協力すると言ったのも口だけで…遊んでばかりだ。そのせいで、俺の家は破産寸前で…だからもう、別れようと思っている。」
「それで、何故私の所に?」
「お前が、元気になったと聞いてな。しかも、以前のような美しさを取り戻したそうじゃないか!病さえなければ、お前はいい女だ。だから…もう一度俺とやり直してくれ!」
「確かに…私は元気になりました。全身に出ていた斑点も、こうしてすっかり消えましたしね。だからこそ、復縁はお断りします。」
「どうしてだ!?元気になった今こそ、この俺と─」
「私があんな体になったのは、妹のせいです。妹はどうしてもあなたを手に入れたくて…それには、私が邪魔だったんでしょう。私の食事に、毒草を混ぜていたんです。それも、死なない程度少しずつね…。私の現在の主治医が、調べ突き止めてくれました。」
「あいつ、そんな恐ろしい事を…。」
「やっと元気になったのに、私を一方的に捨てた挙句、破産寸前のあなたとなど…絶対に復縁などするものですか!それに…私にはもう、好きな人が居ますから─。」
扉が開き、隣の部屋で控えていた幼馴染の彼が、部屋に入って来た。
「これ以上、彼女に復縁を迫っても無駄だ。彼女は、俺の大事な患者であり…そしてそれ以上に、大事な恋人だ。彼女は俺が幸せにするから…君は、自分の心配した方がいい。」
「…何だと?」
「私…妹を私を殺そうとした罪で、訴える事にしたの。それと…あなたと妹の仲は、私とまだ婚約関係にあった時からでしょう?それなら、あなた達両方に慰謝料をしっかり請求させて貰います。病気でろくに動けない婚約者の私を置き去りにしたあなたにも、ちゃんと罪を償って貰わないと─。」
「そ、そんな…!そんな事されたら、俺の事業は、家は─。」
彼は真っ青な顔になり、その場に崩れ落ちた─。
その後…私は、妹と元婚約者から無事慰謝料を受け取った。
だかそれを払った途端、彼は破産してしまった。
というのも、そんな恐ろしい悪女の関わる事業は縁起が悪い、不吉だと、客や支援者らが一斉に去って行ってしまったからだ。
そうなって、彼は漸く妹を選んだ事を後悔し…そして、自分の愚かな行いを恥じた。
するとそうなって、妹は借金返済のカタに娼館へと売り飛ばされ…そして彼は、貧しい暮らしが祟り病で倒れ寝込んでしまい…二人は今、散々な人生を歩んでいる。
その一方で、すっかり元気になった私は…医者として働く彼を支えるべく、彼の助手として忙しく働いていた。
するとそんな一生懸命な私を見て、彼は益々私を大事にしてくれるようになり…私達は、近く結婚する事となった。
あの男に捨てられ、家に一人置き去りにされた時は、酷く絶望したけれど…私のこの先の未来は、愛と希望に満ちた幸せで明るいものになりそうだわ─。
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