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二年目 勧誘員現る
本物と偽物
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噴き出しちゃった私の方を、むっとした顔で彼は睨む。
「何かおかしい事を言ったか?」
「ううん……。」
――前言撤回。
大人げなくて怖い。
睨まれるのが怖くって、ポッシェの首元に顔を埋めると焦った様な気配が伝わってくる。
「お兄さんごめんね。
今、僕がコンカッセのお尻をくすぐったから、びっくりしてむせちゃったみたい。」
「ポッシェちゃん、それはセクハラなのです~!」
「だって、コンカッセってば静かなんだもん。
寝ちゃったのかと思って。」
ポッシェの嘘の申告にアッシェが合わせて混ぜっ返すと、気まずい雰囲気が吹き飛んでいく。
こっそりと隣を窺ってみると、少しシュンとした様子の彼とバッチリ目が合う。
感情がすぐに表情に出る人。
腹が立つとすぐにムッとした顔になるし、どうしたらいいか分からないらしい今は困り顔。
――やっぱり、ちょっと子供みたい?
そう思ったら、怖くなくなった。
体に入っていた余分な力が抜けて行くと、それにつられるように相手の表情も緩んでく。
「その、怯えさせてすまなかった。」
「ううん……。」
むしろ、噴き出した私の方が悪い。
謝らせてしまって、むしろごめんなさい。
「……弟さん、大好き……?」
「え……?」
何か喋らないと、と思って言葉を探しているうちに、ポロッとそんな質問が口から飛び出す。
その問いに、彼はキョトンとした顔をしてから、首を傾げて腕を組んで考えこんだ。
「いや、大好きというより、大事?かな?」
なんで疑問形?
「好きじゃない人だったら、大事には出来ないんじゃないです?」
同じような感想を抱いたらしいアッシェが、ニヨニヨしながらお兄さんにそう突っ込む。
ポッシェもその言葉に同意しながらケラケラ笑う。
「そういう意味で言うなら、好き?なのかもしれないが……。
好き、と言う方向で考えた事がないから違和感があるな……。」
皆の反応に苦笑しながらも、お兄さんは相変わらず疑問形。
本人の中では、もしかしたら『好き』とも違う『特別』なのかも。
「それよりも知りたいのですけれど、本物の錬金術師と偽物の錬金術師の違いってなんなのです?」
唐突にアッシェが、私が噴き出しちゃったせいで逸れてしまった話の方向を元に戻した。
そういえば、そんな話が出たんだっけ。
「ああ、乱暴な話になるんだが、グラムナード以外の町で『錬金術師』と名乗っている連中はみんな偽物だ。」
「みーんな、です?」
「そうだ。」
確かに随分と乱暴な事を言う。
世の錬金術師さんが彼の発言を聞いたら、きっとものすごく怒り狂うに違いない。
随分と命知らずな言葉だ。
「それじゃ、その人達は詐欺師さんなのです?」
アッシェも命知らずさじゃ負けてないけど。
「詐欺師ではないな。」
でも、アッシェの言葉に彼は首を横に振った。
「本来だったら、『調薬師』もしくは『魔道具師』とでも名乗るべきだというだけの話だ。」
そうして口にされた言葉に、違和感を感じる。
だって、それはまるで別の職業だ。
「錬金術師というのは本来、調薬師と魔道具師が作れるものは全て作れないとなれないものなんだ。」
「でも、魔道具師さんって火の魔道具は作れても水の魔道具は作れないのが普通だよね?
お薬を作れて、何かの魔道具を作れれば錬金術師になれるの?」
ポッシェが私の疑問を代わりに口にする。
私も同意を示すために、コクコクと首を振った。
「魔道具にしろ、魔法薬――普通の薬じゃだめだぞ?
にしろ、全ての物を作れる者だけが名乗れる称号だから、その質問の答えは『否』だな。」
普通、誰でも四つある魔法の属性のうち一つは使えるものだって学校では教わった。
たまーに、二つの属性を備えて産まれてくる人もいるらしいけど、そういう人はそんなに多くない。
魔道具師が作れる物はその人の属性に当てはまるものだけだから、普通は『火の魔道具』『水の魔道具』『風の魔道具』『地の魔道具』のどれか一種類だけだ。
だから、それ以上の種類が作れたら、すごい才能の持ち主だと言われるのが普通。
なのに全部の種類の魔道具が作れることが前提だなんて、ちょっとおかしいんじゃない?
「何かおかしい事を言ったか?」
「ううん……。」
――前言撤回。
大人げなくて怖い。
睨まれるのが怖くって、ポッシェの首元に顔を埋めると焦った様な気配が伝わってくる。
「お兄さんごめんね。
今、僕がコンカッセのお尻をくすぐったから、びっくりしてむせちゃったみたい。」
「ポッシェちゃん、それはセクハラなのです~!」
「だって、コンカッセってば静かなんだもん。
寝ちゃったのかと思って。」
ポッシェの嘘の申告にアッシェが合わせて混ぜっ返すと、気まずい雰囲気が吹き飛んでいく。
こっそりと隣を窺ってみると、少しシュンとした様子の彼とバッチリ目が合う。
感情がすぐに表情に出る人。
腹が立つとすぐにムッとした顔になるし、どうしたらいいか分からないらしい今は困り顔。
――やっぱり、ちょっと子供みたい?
そう思ったら、怖くなくなった。
体に入っていた余分な力が抜けて行くと、それにつられるように相手の表情も緩んでく。
「その、怯えさせてすまなかった。」
「ううん……。」
むしろ、噴き出した私の方が悪い。
謝らせてしまって、むしろごめんなさい。
「……弟さん、大好き……?」
「え……?」
何か喋らないと、と思って言葉を探しているうちに、ポロッとそんな質問が口から飛び出す。
その問いに、彼はキョトンとした顔をしてから、首を傾げて腕を組んで考えこんだ。
「いや、大好きというより、大事?かな?」
なんで疑問形?
「好きじゃない人だったら、大事には出来ないんじゃないです?」
同じような感想を抱いたらしいアッシェが、ニヨニヨしながらお兄さんにそう突っ込む。
ポッシェもその言葉に同意しながらケラケラ笑う。
「そういう意味で言うなら、好き?なのかもしれないが……。
好き、と言う方向で考えた事がないから違和感があるな……。」
皆の反応に苦笑しながらも、お兄さんは相変わらず疑問形。
本人の中では、もしかしたら『好き』とも違う『特別』なのかも。
「それよりも知りたいのですけれど、本物の錬金術師と偽物の錬金術師の違いってなんなのです?」
唐突にアッシェが、私が噴き出しちゃったせいで逸れてしまった話の方向を元に戻した。
そういえば、そんな話が出たんだっけ。
「ああ、乱暴な話になるんだが、グラムナード以外の町で『錬金術師』と名乗っている連中はみんな偽物だ。」
「みーんな、です?」
「そうだ。」
確かに随分と乱暴な事を言う。
世の錬金術師さんが彼の発言を聞いたら、きっとものすごく怒り狂うに違いない。
随分と命知らずな言葉だ。
「それじゃ、その人達は詐欺師さんなのです?」
アッシェも命知らずさじゃ負けてないけど。
「詐欺師ではないな。」
でも、アッシェの言葉に彼は首を横に振った。
「本来だったら、『調薬師』もしくは『魔道具師』とでも名乗るべきだというだけの話だ。」
そうして口にされた言葉に、違和感を感じる。
だって、それはまるで別の職業だ。
「錬金術師というのは本来、調薬師と魔道具師が作れるものは全て作れないとなれないものなんだ。」
「でも、魔道具師さんって火の魔道具は作れても水の魔道具は作れないのが普通だよね?
お薬を作れて、何かの魔道具を作れれば錬金術師になれるの?」
ポッシェが私の疑問を代わりに口にする。
私も同意を示すために、コクコクと首を振った。
「魔道具にしろ、魔法薬――普通の薬じゃだめだぞ?
にしろ、全ての物を作れる者だけが名乗れる称号だから、その質問の答えは『否』だな。」
普通、誰でも四つある魔法の属性のうち一つは使えるものだって学校では教わった。
たまーに、二つの属性を備えて産まれてくる人もいるらしいけど、そういう人はそんなに多くない。
魔道具師が作れる物はその人の属性に当てはまるものだけだから、普通は『火の魔道具』『水の魔道具』『風の魔道具』『地の魔道具』のどれか一種類だけだ。
だから、それ以上の種類が作れたら、すごい才能の持ち主だと言われるのが普通。
なのに全部の種類の魔道具が作れることが前提だなんて、ちょっとおかしいんじゃない?
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