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二年目 いざ、グラムナードへ!
小屋馬車
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孤児院での一晩が明けると、もう、グラムナードに向けて出発する日。
フレトゥムールを出てから十一日目になる。
日にちが経つのって、思ったよりも早い。
孤児院の小さい子達がまだ眠っている早朝のうちに、お世話になった人達に別れの挨拶をする。
まだ、早い時間だから別れもあっさりとしたもの。
みんな、朝は忙しいからね。
個人の馬車で移動するから本当はもっと遅い時間に出ても良いんだけど、それでもこんなに朝早く出るのは小さい子達とのお別れが淋しいからと言うイリスさん達の意向から。
だから昨日、その子達とのお別れは済ませた。
朝起きたら出かけるからねって言ってたけど、きちんと分かってない子もいたと思うんだよね。
後で泣いてないと良いな。
エリザちゃんの先導で向かうのは貸し馬屋。
そこに馬車を預けてあるんだって。
「……これ、馬車なのです?」
「……。」
預けられていた馬車が馬に牽かれて出てきたのを見て、アッシェ以外のみんなが黙り込む。
「箱馬車、と言うのともなんか違うのです……。」
アッシェの言う通り、それは確かには小型ではあるんだけど、箱っていうイメージの形じゃなくてどちらかと言うと小屋と言った方がしっくりした形。
大きさも、街中で見る箱型の馬車よりも大きいように見える。
大きいというか、長い感じかも。
そのせいか、両脇に四つずつの車輪がついてるんだよ。
「小屋馬車って言った方が近い形なのです……。」
「……そういえば、孤児院にあった物置小屋に似てるかもしれないわね、あなた?」
「言われてみれば確かにそうだね。」
イリスさんの言葉にのほほんと笑いながら返すのは、旦那さんのソルさん。
スラッと背の高いイリスさんとは対照的に、ちんまりと小柄で童顔の可愛いタイプ。
種族はやっぱり長耳族。
黒髪に蒼い瞳なのはイリスさんと一緒。
イリスさんもそうだけど、ちょっと浮世離れしてるかな。
「取り敢えず、乗り込んじゃおう。」
そう言ってソルさんが馬車(?)の前方側面にある扉を開くと、スルスルと踏み台が降りてくる。
どんな仕掛けになってるんだろう?
思わず、踏み台が出てきた場所に近寄って確認。
……しようとしたところで、ポッシェに抱えられて中へと連行されちゃう。
「コンカッセ、そう言うのは別の機会にしようね。」
「どうなってるのか見たい……。」
「他の人に迷惑かけちゃダメだよ。」
手足をばたつかせて抵抗してみたけど、ポッシェってば力が強いからね。
私程度が暴れても意にも介してくれない。
アッサリと中に押し込まれちゃった。
仕方なく足を踏み入れた馬車の中は、やっぱり奥行きがあって細長い感じ。
ここまで乗ってきた荷馬車の1.5倍くらいかな。
――外から見た感じよりも小さく感じるんだけどなんでだろう?
荷馬車の倍とまではいわないけど、1.8倍くらいはあるように見えたのに。
床には、薄手の絨毯が敷き詰められているもんだから、土足で上がるのがなんだか悪い気分になっちゃう。
絨毯って、何気なく高級品だもん。
とりあえず、両脇に大きく開いているから中はとっても明るい。
風も入りっぱなしだから、中に入っても寒いよ。
窓の両脇についてるカーテンで、まぶしい時は光の量を調節するんだろうけど、吹き込む風はどうするんだろ?
その一方で、座席みたいなものは見当たらない。
そのまま床に座るのかな?
奥の方には、何故か人が一人通れるくらいの扉とその隣には引き戸が一つずつ。
――何が入ってるんだろ?
好奇心が疼く。
うずうずしながら後ろを振り返ると、ポッシェってばなんだか呆れ顔。
でも、後ろから顔を覗かせたイリスさんが奥を確認する許可をだしてくれたから、肩を竦めて「好きにしていいよ」って言ってくれた。
これで、大手を振って探検が出来ると意気込んで奥へと突進。
向かって右の扉を開けてみる。
「……トイレ?」
奥にはちんまりと床に固定された便座の姿。
――なんで、おトイレが馬車の中にあるんだろう……。
呆然としてる間に、隣の引き戸はポッシェが開けてしまう。
「こっちは物入れなのかな?」
中に入ってるの大小さまざまなクッションの山。
転がりだしてきたソレを手に、ポッシェが問うと肯定の返事が返ってきた。
旅の荷物はクッションを全部出した後で、そこに入れればいいらしい。
私は、馬車の中にトイレがある謎については横井置いて置くことにして、ポッシェがクッションを取り出すお手伝いをする事にした。
フレトゥムールを出てから十一日目になる。
日にちが経つのって、思ったよりも早い。
孤児院の小さい子達がまだ眠っている早朝のうちに、お世話になった人達に別れの挨拶をする。
まだ、早い時間だから別れもあっさりとしたもの。
みんな、朝は忙しいからね。
個人の馬車で移動するから本当はもっと遅い時間に出ても良いんだけど、それでもこんなに朝早く出るのは小さい子達とのお別れが淋しいからと言うイリスさん達の意向から。
だから昨日、その子達とのお別れは済ませた。
朝起きたら出かけるからねって言ってたけど、きちんと分かってない子もいたと思うんだよね。
後で泣いてないと良いな。
エリザちゃんの先導で向かうのは貸し馬屋。
そこに馬車を預けてあるんだって。
「……これ、馬車なのです?」
「……。」
預けられていた馬車が馬に牽かれて出てきたのを見て、アッシェ以外のみんなが黙り込む。
「箱馬車、と言うのともなんか違うのです……。」
アッシェの言う通り、それは確かには小型ではあるんだけど、箱っていうイメージの形じゃなくてどちらかと言うと小屋と言った方がしっくりした形。
大きさも、街中で見る箱型の馬車よりも大きいように見える。
大きいというか、長い感じかも。
そのせいか、両脇に四つずつの車輪がついてるんだよ。
「小屋馬車って言った方が近い形なのです……。」
「……そういえば、孤児院にあった物置小屋に似てるかもしれないわね、あなた?」
「言われてみれば確かにそうだね。」
イリスさんの言葉にのほほんと笑いながら返すのは、旦那さんのソルさん。
スラッと背の高いイリスさんとは対照的に、ちんまりと小柄で童顔の可愛いタイプ。
種族はやっぱり長耳族。
黒髪に蒼い瞳なのはイリスさんと一緒。
イリスさんもそうだけど、ちょっと浮世離れしてるかな。
「取り敢えず、乗り込んじゃおう。」
そう言ってソルさんが馬車(?)の前方側面にある扉を開くと、スルスルと踏み台が降りてくる。
どんな仕掛けになってるんだろう?
思わず、踏み台が出てきた場所に近寄って確認。
……しようとしたところで、ポッシェに抱えられて中へと連行されちゃう。
「コンカッセ、そう言うのは別の機会にしようね。」
「どうなってるのか見たい……。」
「他の人に迷惑かけちゃダメだよ。」
手足をばたつかせて抵抗してみたけど、ポッシェってば力が強いからね。
私程度が暴れても意にも介してくれない。
アッサリと中に押し込まれちゃった。
仕方なく足を踏み入れた馬車の中は、やっぱり奥行きがあって細長い感じ。
ここまで乗ってきた荷馬車の1.5倍くらいかな。
――外から見た感じよりも小さく感じるんだけどなんでだろう?
荷馬車の倍とまではいわないけど、1.8倍くらいはあるように見えたのに。
床には、薄手の絨毯が敷き詰められているもんだから、土足で上がるのがなんだか悪い気分になっちゃう。
絨毯って、何気なく高級品だもん。
とりあえず、両脇に大きく開いているから中はとっても明るい。
風も入りっぱなしだから、中に入っても寒いよ。
窓の両脇についてるカーテンで、まぶしい時は光の量を調節するんだろうけど、吹き込む風はどうするんだろ?
その一方で、座席みたいなものは見当たらない。
そのまま床に座るのかな?
奥の方には、何故か人が一人通れるくらいの扉とその隣には引き戸が一つずつ。
――何が入ってるんだろ?
好奇心が疼く。
うずうずしながら後ろを振り返ると、ポッシェってばなんだか呆れ顔。
でも、後ろから顔を覗かせたイリスさんが奥を確認する許可をだしてくれたから、肩を竦めて「好きにしていいよ」って言ってくれた。
これで、大手を振って探検が出来ると意気込んで奥へと突進。
向かって右の扉を開けてみる。
「……トイレ?」
奥にはちんまりと床に固定された便座の姿。
――なんで、おトイレが馬車の中にあるんだろう……。
呆然としてる間に、隣の引き戸はポッシェが開けてしまう。
「こっちは物入れなのかな?」
中に入ってるの大小さまざまなクッションの山。
転がりだしてきたソレを手に、ポッシェが問うと肯定の返事が返ってきた。
旅の荷物はクッションを全部出した後で、そこに入れればいいらしい。
私は、馬車の中にトイレがある謎については横井置いて置くことにして、ポッシェがクッションを取り出すお手伝いをする事にした。
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