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二年目 見習い期間
姫の女神様
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結論から言うと、お部屋の中身はみーんな一緒。
中にある魔導具の使い方を教わると、最初に入りたい部屋を決めたポッシェに合わせて、自分達の部屋を決める事にした。
ちなみに部屋の配置は、階段の真ん前のリエラ先輩の部屋の右隣がスルト先輩。
スルト先輩の部屋の隣にポッシェが入る事にしたから、私は迷わずポッシェの隣の部屋にした。
私の隣はアッシェなのは言うまでもない。
エリザちゃんはリエラ先輩の部屋の左隣で、その隣がテミスちゃんの部屋になってる。
というか、エリザちゃんの名札がすでに底についてたんだよね。
まぁ、内装は一緒だし、本人も喜んでたから問題ないんだろうけど。
ところで、私達が部屋を決めるとそれぞれの持ってきた荷物のチェックをセリスさんがしたいと言い出した。
「何か持ち込んじゃ拙いものでもあったです?」
と言う、アッシェの質問の答えは思ってたのとは違うモノ。
「持ち込んで拙いものは何もないけれど、足りない物がある筈だから見せてほしいのよ。」
「足りない物です?」
「そう。
ここでは必要だけど、持ってない物を確認するの。」
必要なモノはきちんと持ってきてるはずなんだけど、そんなものがあるのかな?
想像がつかずに首を傾げている間に、ポッシェが口を開く。
「例えば??」
「日除けの外套とか、かしら?」
「おお……。」
――成程、それは持ってない。
私がポンと手を打つと、アッシェもポッシェも納得顔で頷いた。
まずはポッシェから、と言ってポッシェの部屋に入ったセリスさんは、メモ用紙を手に五分も経たずに私の部屋にやって来て、手早く持ち込んだ衣類やブラシなんかの小道具をチェックすると次の部屋へと向かって行く。
「荷物の整理が終わったら、一階の調合工房に来て頂戴ね。」
とだけ言い残して。
そうは言っても、私の荷物なんてたかが知れてる。
荷物の整理なんてすぐに終わってしまったから、アッシェの部屋に向かう。
どうせ同じ場所に行くのなら、一緒に行った方が手間が省けるだろうし。
……ポッシェの部屋にも行ったけど、もう、居なかったんだよね。
薄情者め。
アッシェの部屋の扉を軽くノックしたものの、中々反応がない。
やっと、扉が開いた時にはホッとした。
もう、アッシェまで先に行ったかと思っちゃったよ。
「一階に一緒に行こうかと思って誘いに来た。」
「……あー……。
まだ、何にも片付けてないです。」
中から顔を覗かせたアッシェが呟く。
なんだか彼女の顔色が悪い様な気がして、私は首を傾げた。
この様子だと、荷物は全部放り出したまんまに違いない。
いつもの彼女だったら、やる事はさっさとやっちゃうんだけど。
「アッシェ、何かあった?」
「……あったです。」
間違いなく、何かあったんだろうと思いながら尋ねると、アッシェは暗い顔で俯く。
ドンピシャみたい。
「聞いたほうが、いい?」
そう聞くと、アッシェは頷いて私を部屋の中へ招き入れて、後ろ手に鍵を閉める。
どうも、この工房の人に聞かれたくない事みたい。
「――だったのです……。」
「?」
扉に寄り掛かるようにして俯いたアッシェの最初の言葉は良く聞こえない。
「アイツだったのです。」
「アイツ?」
――アイツってどいつ??
「姫の女神さまにひどい事する、アイツだったのです。」
『姫の女神様』って言うフレーズはなんか聞いたことがあるかもしれない。
多分、アッシェがたまに口走る、理解できない話の中で。
――あ、思い出した。
『姫の女神様』の話を聞いたのは、アッシェが私達の孤児院に来たばっかりの頃。
アッシェという名前がまだ、彼女の中できちんと『自分』に繋がってない時の事。
彼女は自分の事が何一つ思い出せないのに、何故かその『女神様』の事だけは覚えてたんだよね。
えっと、なんだっけ、確か――。
「『魂癒す、時の女神』だっけ……?」
中にある魔導具の使い方を教わると、最初に入りたい部屋を決めたポッシェに合わせて、自分達の部屋を決める事にした。
ちなみに部屋の配置は、階段の真ん前のリエラ先輩の部屋の右隣がスルト先輩。
スルト先輩の部屋の隣にポッシェが入る事にしたから、私は迷わずポッシェの隣の部屋にした。
私の隣はアッシェなのは言うまでもない。
エリザちゃんはリエラ先輩の部屋の左隣で、その隣がテミスちゃんの部屋になってる。
というか、エリザちゃんの名札がすでに底についてたんだよね。
まぁ、内装は一緒だし、本人も喜んでたから問題ないんだろうけど。
ところで、私達が部屋を決めるとそれぞれの持ってきた荷物のチェックをセリスさんがしたいと言い出した。
「何か持ち込んじゃ拙いものでもあったです?」
と言う、アッシェの質問の答えは思ってたのとは違うモノ。
「持ち込んで拙いものは何もないけれど、足りない物がある筈だから見せてほしいのよ。」
「足りない物です?」
「そう。
ここでは必要だけど、持ってない物を確認するの。」
必要なモノはきちんと持ってきてるはずなんだけど、そんなものがあるのかな?
想像がつかずに首を傾げている間に、ポッシェが口を開く。
「例えば??」
「日除けの外套とか、かしら?」
「おお……。」
――成程、それは持ってない。
私がポンと手を打つと、アッシェもポッシェも納得顔で頷いた。
まずはポッシェから、と言ってポッシェの部屋に入ったセリスさんは、メモ用紙を手に五分も経たずに私の部屋にやって来て、手早く持ち込んだ衣類やブラシなんかの小道具をチェックすると次の部屋へと向かって行く。
「荷物の整理が終わったら、一階の調合工房に来て頂戴ね。」
とだけ言い残して。
そうは言っても、私の荷物なんてたかが知れてる。
荷物の整理なんてすぐに終わってしまったから、アッシェの部屋に向かう。
どうせ同じ場所に行くのなら、一緒に行った方が手間が省けるだろうし。
……ポッシェの部屋にも行ったけど、もう、居なかったんだよね。
薄情者め。
アッシェの部屋の扉を軽くノックしたものの、中々反応がない。
やっと、扉が開いた時にはホッとした。
もう、アッシェまで先に行ったかと思っちゃったよ。
「一階に一緒に行こうかと思って誘いに来た。」
「……あー……。
まだ、何にも片付けてないです。」
中から顔を覗かせたアッシェが呟く。
なんだか彼女の顔色が悪い様な気がして、私は首を傾げた。
この様子だと、荷物は全部放り出したまんまに違いない。
いつもの彼女だったら、やる事はさっさとやっちゃうんだけど。
「アッシェ、何かあった?」
「……あったです。」
間違いなく、何かあったんだろうと思いながら尋ねると、アッシェは暗い顔で俯く。
ドンピシャみたい。
「聞いたほうが、いい?」
そう聞くと、アッシェは頷いて私を部屋の中へ招き入れて、後ろ手に鍵を閉める。
どうも、この工房の人に聞かれたくない事みたい。
「――だったのです……。」
「?」
扉に寄り掛かるようにして俯いたアッシェの最初の言葉は良く聞こえない。
「アイツだったのです。」
「アイツ?」
――アイツってどいつ??
「姫の女神さまにひどい事する、アイツだったのです。」
『姫の女神様』って言うフレーズはなんか聞いたことがあるかもしれない。
多分、アッシェがたまに口走る、理解できない話の中で。
――あ、思い出した。
『姫の女神様』の話を聞いたのは、アッシェが私達の孤児院に来たばっかりの頃。
アッシェという名前がまだ、彼女の中できちんと『自分』に繋がってない時の事。
彼女は自分の事が何一つ思い出せないのに、何故かその『女神様』の事だけは覚えてたんだよね。
えっと、なんだっけ、確か――。
「『魂癒す、時の女神』だっけ……?」
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