125 / 263
二年目 見習い期間 ~魔法具工房~
報告会~アスラーダ~
しおりを挟む
お次の報告担当は、アスラーダさん。
アスラーダさんはスルトを助手にして、体力づくりや探索者の心得なんかを教えてくれてるから報告の内容は勿論その関連だ。
アスラーダさん的に高評価なのは、唯一の探索者枠で工房入りしたポッシェ君。
「ポッシェは、元々探索者になるつもりで鍛えていたから種族的なモノを差し引いても体力もあるし、そこそこ武器の扱いも上手い。物覚えもいいから、教え甲斐があるな。」
「君から見て有望そうな人材が入ってくれたのなら、良かった。」
「あとは、アッシェも探索者向きだな。本格的に鍛えたら、ポッシェよりも伸びそうだ。よかったら、探索者の方に契約を切り替えないか?」
――違った。
アッシェちゃんの方が高評価らしい。
そう言えば、コンカッセちゃん曰く、彼女は文武両道タイプだって話だったっけ。
その話は誇張でも何でもないって事か……。
お勉強の類はとにかく、運動系はまるで自信のないリエラとしてはちょっと羨ましいな。なんというか、アスラーダさんが自分の手元に置きたがってるあたりが特に。
「彼女は調薬師として採用したはずだから却下。」
「いっその事、両方やらせると言う手もあるんじゃないか?」
「『二鼠を追うもの、一鼠も得ず』。ではないのかね?」
アッシェちゃんを自分の手元で育てたいというアスラーダさんの希望を、アスタールさんは一顧だにせずに一蹴してくれた。
――うんうん。
そうだよね。
アッシェちゃんは、調薬師だもんね。
アスラーダさんは一度だけ食い下がってみたものの、アスタールさんの断り文句に肩を竦めて諦めることにしたらしい。
ところで実際には、リエラは『調薬師』と『魔法具師』の二鼠を追ってる訳だけど、ソコは問題ないんだろうか……。
それとも、『調薬師』と『魔法具師』をひっくるめて『錬金術師』って言うくくりだから二鼠に見せかけて、実際には一鼠なのかな?
もしそうなら、『調薬師』と『探索者』を両方やろうとするのは一鼠半?
ああ、訳が分からなくなってきた。
どうでもいい事のような気がするから、考えるのはやめよう……。
アッシェちゃんのお話の後は、コンカッセちゃんとリエラの体力のなさを言及してアスラーダさんの報告は終了。
最後には彼の希望が口にされた。
「そろそろ一度は実戦を経験させた方が良いんじゃないかと思う。一番危険度の低い『水と森の迷宮』に全員を連れて行きたいんだが、許可を貰えるか?」
『水と森の迷宮』と言えば、リエラも最初に連れて行ってもらった場所だ。
確かに、遭遇するのも獣一匹とかが多かったはずだし、初めて入るのに適当な場所なのかな。
デートスポットにもなってるとも話してたっけ。
リエラには縁のない話だけど。
――そういえば、スルトと再会したのもあの迷宮だったなぁ……。
あの時は驚いたよなぁと思いながら、ふと思う。
――そう言えば最近、ルナちゃんと二人でお休みの日に通ってるのって、
『水と森の迷宮』じゃなかったっけ?
もしかして、迷宮で狩りをするのが目的じゃなくって、ただのデートだった?!
今更と言えば今更思い当たった事態に、一人心の中で百面相をしている間にも話は進んでる。
「迷宮に連れて行くのは構わないが、ラエル殿やスフェーン殿とセリスの三人にきちんと日程などは相談してくれたまえ。」
「ああ、分かった。」
アスラーダさんは、自分の希望が通った事に安心して、嬉しそうに頬を緩める。
「君が、他の弟子たちを連れて迷宮に行く日には、リエラにセリスの手伝いを頼みたい。」
「はい、喜んで!」
嬉しそうな表情を浮かべるアスラーダさんが、なんだか年よりも幼く見えて可愛いなとひっそり思っていたら、急に棚からパンが落ちてきた!
セリスさんのお手伝いなら、言われなくても喜んでやらせていただきますとも!
これって、毎週、セリスさんと二人きりで作業する機会が出来るって事だよね。
嬉しいな。
最近、ご飯の用意をアッシェちゃんが手伝いだしたせいもあってセリスさんと二人きりになる機会が全然ないんだもの。
アスラーダさんはスルトを助手にして、体力づくりや探索者の心得なんかを教えてくれてるから報告の内容は勿論その関連だ。
アスラーダさん的に高評価なのは、唯一の探索者枠で工房入りしたポッシェ君。
「ポッシェは、元々探索者になるつもりで鍛えていたから種族的なモノを差し引いても体力もあるし、そこそこ武器の扱いも上手い。物覚えもいいから、教え甲斐があるな。」
「君から見て有望そうな人材が入ってくれたのなら、良かった。」
「あとは、アッシェも探索者向きだな。本格的に鍛えたら、ポッシェよりも伸びそうだ。よかったら、探索者の方に契約を切り替えないか?」
――違った。
アッシェちゃんの方が高評価らしい。
そう言えば、コンカッセちゃん曰く、彼女は文武両道タイプだって話だったっけ。
その話は誇張でも何でもないって事か……。
お勉強の類はとにかく、運動系はまるで自信のないリエラとしてはちょっと羨ましいな。なんというか、アスラーダさんが自分の手元に置きたがってるあたりが特に。
「彼女は調薬師として採用したはずだから却下。」
「いっその事、両方やらせると言う手もあるんじゃないか?」
「『二鼠を追うもの、一鼠も得ず』。ではないのかね?」
アッシェちゃんを自分の手元で育てたいというアスラーダさんの希望を、アスタールさんは一顧だにせずに一蹴してくれた。
――うんうん。
そうだよね。
アッシェちゃんは、調薬師だもんね。
アスラーダさんは一度だけ食い下がってみたものの、アスタールさんの断り文句に肩を竦めて諦めることにしたらしい。
ところで実際には、リエラは『調薬師』と『魔法具師』の二鼠を追ってる訳だけど、ソコは問題ないんだろうか……。
それとも、『調薬師』と『魔法具師』をひっくるめて『錬金術師』って言うくくりだから二鼠に見せかけて、実際には一鼠なのかな?
もしそうなら、『調薬師』と『探索者』を両方やろうとするのは一鼠半?
ああ、訳が分からなくなってきた。
どうでもいい事のような気がするから、考えるのはやめよう……。
アッシェちゃんのお話の後は、コンカッセちゃんとリエラの体力のなさを言及してアスラーダさんの報告は終了。
最後には彼の希望が口にされた。
「そろそろ一度は実戦を経験させた方が良いんじゃないかと思う。一番危険度の低い『水と森の迷宮』に全員を連れて行きたいんだが、許可を貰えるか?」
『水と森の迷宮』と言えば、リエラも最初に連れて行ってもらった場所だ。
確かに、遭遇するのも獣一匹とかが多かったはずだし、初めて入るのに適当な場所なのかな。
デートスポットにもなってるとも話してたっけ。
リエラには縁のない話だけど。
――そういえば、スルトと再会したのもあの迷宮だったなぁ……。
あの時は驚いたよなぁと思いながら、ふと思う。
――そう言えば最近、ルナちゃんと二人でお休みの日に通ってるのって、
『水と森の迷宮』じゃなかったっけ?
もしかして、迷宮で狩りをするのが目的じゃなくって、ただのデートだった?!
今更と言えば今更思い当たった事態に、一人心の中で百面相をしている間にも話は進んでる。
「迷宮に連れて行くのは構わないが、ラエル殿やスフェーン殿とセリスの三人にきちんと日程などは相談してくれたまえ。」
「ああ、分かった。」
アスラーダさんは、自分の希望が通った事に安心して、嬉しそうに頬を緩める。
「君が、他の弟子たちを連れて迷宮に行く日には、リエラにセリスの手伝いを頼みたい。」
「はい、喜んで!」
嬉しそうな表情を浮かべるアスラーダさんが、なんだか年よりも幼く見えて可愛いなとひっそり思っていたら、急に棚からパンが落ちてきた!
セリスさんのお手伝いなら、言われなくても喜んでやらせていただきますとも!
これって、毎週、セリスさんと二人きりで作業する機会が出来るって事だよね。
嬉しいな。
最近、ご飯の用意をアッシェちゃんが手伝いだしたせいもあってセリスさんと二人きりになる機会が全然ないんだもの。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。