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二年目 フレトゥムールの昔話
我が家
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翌日の、日が昇り始める頃。
アッシェと私は、外町の子達が起き出してくる前にフレトゥムールに向かって出発した。
肩に、必要になりそうなものを詰め込んだ袋を乗せて、腰には昨日使った短刀を下げてる。
周りは森みたいだから、普通に獣がでるはずだからね。
用心のために必要だって言うのが、アッシェの主張。
肩に乗せた袋の中には、小さ目なお鍋と木のコップに火付けの道具。
それから備蓄されてたお芋を拝借。
最後に、おじさん達の持っていたお財布を三つ。
いくら入ってるのかは分からないけど、現金はやっぱり、多少なりともあった方が安心だろうって言う判断。
三つにした理由は、アッシェと私が片を付けた人達のモノを貰う事にしたから。
縛って転がしてあるおじさん達のは外町の子達の分って事にして、そのまま置いてきた。
どうすることにするかは、彼等が決めればいい。
昨日の夜は共闘する事にした外町の子達に何も言わずに出発することにしたのは、結局彼等の事が信用できなかったせい。
なにせ、猫耳少年がアレだから……。
煽りまくってたアッシェもアッシェだけど、彼はなんだかんだと文句を言いながら、してもらう事ばっかり主張してたんだよね。
私もアッシェも、そんなのに構っていられるような余裕はないもの。
どうぞ、自分でお好きになさってくださいって感じ。
まぁ、彼にはお仲間達もいることだし、私達がいなければ自分達で何とかするでしょ。
多分、外町ではそうしてたはずだし。
備蓄されていた食料は殆ど置いて来てあるから、それを持って自分たちの好きな場所に向かえばいいと思う。
確か、フレトゥムールには帰りたくないような事を言ってたから、そうするハズ、多分。
ところで、攫われたのは眠る直前の時間帯だったから、私が履いていたのは部屋履き用の底が薄いぼろ靴だったんだよね。
流石に、そんな靴で道を歩くのは不安すぎ。
仕方がないから、一番足の小さい人の履いていた長靴を部屋履きの上から履いて対応中。
流石に大人の男の人の靴は、私には大きすぎるもの。
部屋履きの上から履いても、まだまだ大きい。
ちなみに、元々の持ち主はもう歩くことはないから、私が貰ってしまっても問題ないと思う。
私が有効活用させてもらいます――という事にして、死体から剥いできたんだよ。
死者に鞭打つようでちょっぴり心苦しい様な気もしたけど、私達は生きたまま鞭打たれる予定だったんだろうから、その辺はお互い様って事で。
……お願いだから、化けて出ないでね?
「フードが邪魔なのですぅ……。」
「アッシェは目立つ、我慢。」
「むぅ~~~~なのです。」
私の靴の持ち主と同じ人から剥いで来た短いマントに付属のフードが、目のあたりに落ちてくるのをうっとうしそうにしながらアッシェがぼやく。
フードが視界を遮るのがうっとうしい気持ちは分からないでもない。
でも、アッシェのおでこの目はやっぱり目立つ。
フレトゥムールへの道中がどれくらいかかるのかは分からないけど、その道中でどんな人に出くわすかなんてわからないじゃない。
そうでなくても、子供二人の道中なんだもの。
悪い人の目に留まる可能性は、出来るだけ潰しておいた方がイイと思う。
「……夫婦星が消えちゃう。」
「そしたら、取り敢えず朝日に背中を向けて歩けばいいのです。」
「ん……。」
夫婦星って言うのは、北西の空に寄り添い合って輝く星の事。
日が昇り始めても最後まで明るいから、旅人が夜明けの直前に自分の現在地を知る為の道しるべにしてる。
星って、決まった場所から動かないから目印にピッタリだよね。
出発したのが丁度、夜明けの前だったから、私達も先人に倣って夫婦星を見ながら歩いてた。
フレトゥムールで見るよりもその位置が左に遠く見えたから、東にあるエルドラン領の方へ向かってたらしいって事が分かったんだよね。
あと、ちょっぴりフレトゥムールよりも北寄りだったっぽい。
「それにしても、あのおじさん達以外にこの道を使ってる人はいなそうなのです。」
アッシェがいう通り、私達が今歩いている道は荷馬車が何とか一台通れる程度の細い道。
しかも、うねうねと曲がりくねっていて見通しが悪い。
後ろを振り返ってみると、パッと見、自分たちが歩いてきた方向に小屋はおろか、道があるようには見えなかった。
悪い人達の隠れ家ってやつだったんだな、と、心の中で納得。
結局、このうねうね道を抜けた頃にはお日様がお空の真ん中に輝いてた。
これは、サイズの合わない靴のせいだって事にしておこう。
うん。
決して、私が体力なさ過ぎなせいじゃないのに違いない。
そうしてうねうね道を超えた道をヨタヨタと歩いていた私達は、人の好い行商人の夫婦に保護された、無事、懐かしのフレトゥムールへと帰り着くことが出来た。
帰り着いた後は、気が抜けたのか三日ほど寝込んでしまって、アッシェとポッシェをはじめとしたみんなに、物凄く心配をかけちゃったけど……。
みんなが私を心配して、次から次へとお見舞いに来るのにはちょっと笑っちゃったよ。
だってね?
私って、つくづく幸せ者なんだなって思っちゃって、ねぇ……。
なにはともあれ、やっぱり孤児院はいいなって、心の底からそう思う。
アッシェと私は、外町の子達が起き出してくる前にフレトゥムールに向かって出発した。
肩に、必要になりそうなものを詰め込んだ袋を乗せて、腰には昨日使った短刀を下げてる。
周りは森みたいだから、普通に獣がでるはずだからね。
用心のために必要だって言うのが、アッシェの主張。
肩に乗せた袋の中には、小さ目なお鍋と木のコップに火付けの道具。
それから備蓄されてたお芋を拝借。
最後に、おじさん達の持っていたお財布を三つ。
いくら入ってるのかは分からないけど、現金はやっぱり、多少なりともあった方が安心だろうって言う判断。
三つにした理由は、アッシェと私が片を付けた人達のモノを貰う事にしたから。
縛って転がしてあるおじさん達のは外町の子達の分って事にして、そのまま置いてきた。
どうすることにするかは、彼等が決めればいい。
昨日の夜は共闘する事にした外町の子達に何も言わずに出発することにしたのは、結局彼等の事が信用できなかったせい。
なにせ、猫耳少年がアレだから……。
煽りまくってたアッシェもアッシェだけど、彼はなんだかんだと文句を言いながら、してもらう事ばっかり主張してたんだよね。
私もアッシェも、そんなのに構っていられるような余裕はないもの。
どうぞ、自分でお好きになさってくださいって感じ。
まぁ、彼にはお仲間達もいることだし、私達がいなければ自分達で何とかするでしょ。
多分、外町ではそうしてたはずだし。
備蓄されていた食料は殆ど置いて来てあるから、それを持って自分たちの好きな場所に向かえばいいと思う。
確か、フレトゥムールには帰りたくないような事を言ってたから、そうするハズ、多分。
ところで、攫われたのは眠る直前の時間帯だったから、私が履いていたのは部屋履き用の底が薄いぼろ靴だったんだよね。
流石に、そんな靴で道を歩くのは不安すぎ。
仕方がないから、一番足の小さい人の履いていた長靴を部屋履きの上から履いて対応中。
流石に大人の男の人の靴は、私には大きすぎるもの。
部屋履きの上から履いても、まだまだ大きい。
ちなみに、元々の持ち主はもう歩くことはないから、私が貰ってしまっても問題ないと思う。
私が有効活用させてもらいます――という事にして、死体から剥いできたんだよ。
死者に鞭打つようでちょっぴり心苦しい様な気もしたけど、私達は生きたまま鞭打たれる予定だったんだろうから、その辺はお互い様って事で。
……お願いだから、化けて出ないでね?
「フードが邪魔なのですぅ……。」
「アッシェは目立つ、我慢。」
「むぅ~~~~なのです。」
私の靴の持ち主と同じ人から剥いで来た短いマントに付属のフードが、目のあたりに落ちてくるのをうっとうしそうにしながらアッシェがぼやく。
フードが視界を遮るのがうっとうしい気持ちは分からないでもない。
でも、アッシェのおでこの目はやっぱり目立つ。
フレトゥムールへの道中がどれくらいかかるのかは分からないけど、その道中でどんな人に出くわすかなんてわからないじゃない。
そうでなくても、子供二人の道中なんだもの。
悪い人の目に留まる可能性は、出来るだけ潰しておいた方がイイと思う。
「……夫婦星が消えちゃう。」
「そしたら、取り敢えず朝日に背中を向けて歩けばいいのです。」
「ん……。」
夫婦星って言うのは、北西の空に寄り添い合って輝く星の事。
日が昇り始めても最後まで明るいから、旅人が夜明けの直前に自分の現在地を知る為の道しるべにしてる。
星って、決まった場所から動かないから目印にピッタリだよね。
出発したのが丁度、夜明けの前だったから、私達も先人に倣って夫婦星を見ながら歩いてた。
フレトゥムールで見るよりもその位置が左に遠く見えたから、東にあるエルドラン領の方へ向かってたらしいって事が分かったんだよね。
あと、ちょっぴりフレトゥムールよりも北寄りだったっぽい。
「それにしても、あのおじさん達以外にこの道を使ってる人はいなそうなのです。」
アッシェがいう通り、私達が今歩いている道は荷馬車が何とか一台通れる程度の細い道。
しかも、うねうねと曲がりくねっていて見通しが悪い。
後ろを振り返ってみると、パッと見、自分たちが歩いてきた方向に小屋はおろか、道があるようには見えなかった。
悪い人達の隠れ家ってやつだったんだな、と、心の中で納得。
結局、このうねうね道を抜けた頃にはお日様がお空の真ん中に輝いてた。
これは、サイズの合わない靴のせいだって事にしておこう。
うん。
決して、私が体力なさ過ぎなせいじゃないのに違いない。
そうしてうねうね道を超えた道をヨタヨタと歩いていた私達は、人の好い行商人の夫婦に保護された、無事、懐かしのフレトゥムールへと帰り着くことが出来た。
帰り着いた後は、気が抜けたのか三日ほど寝込んでしまって、アッシェとポッシェをはじめとしたみんなに、物凄く心配をかけちゃったけど……。
みんなが私を心配して、次から次へとお見舞いに来るのにはちょっと笑っちゃったよ。
だってね?
私って、つくづく幸せ者なんだなって思っちゃって、ねぇ……。
なにはともあれ、やっぱり孤児院はいいなって、心の底からそう思う。
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