68 / 263
二年目 勧誘員現る
夢のお告げ
しおりを挟む
あっという間に時間は過ぎて、もう私もポッシェも12歳になる。
私達と同い年だろうと判断されたアッシェも、春になったら孤児院から独立しなくちゃいけない。
その日の為に、学校でも孤児院内でも色々と勉強してきたとはいえ、その日が迫ってくるとやっぱり不安。
だからなのかな、次の春がやって来るのが近づいてきた秋頃になると、同じ境遇の子供達で集まってあれやこれやと夜の間に話し合うようになった。
秋に始まったこの夜会だけど、もう冬の最後の月になる。
来月になったらもう、春。
こうやって集まれるのも、あと少しだ。
ちなみに割と温暖な気候に恵まれているフレトゥムールでも、夜になるとグッと冷え込む。
だから、人が集まるとその分暖かくなる。
冬に入ってからは不安感の解消というよりも、暖を求めて集まってるという部分を強く感じる集まりだ。
みんな、寒いのは苦手だし。
「ポッシェ、お前の方はどう?」
「んー?
僕は、両親とおんなじ探索者になる予定だよ。」
「バカかお前。
探索者って言ったら、一番命の危険が多い仕事じゃんか。」
「そうだよ、それならよく手伝いに行く親方のトコにでも弟子入りした方がいいだろ?」
「ほら、コンカッセも何とか言ってやれよ?
ポッシェが危ない事するのは、お前も嫌だろ?」
――大工って言うのも、実のところ結構危険な事もある仕事なんだけど。
そう思いながらも首を傾げる。
だって、ポッシェが探索者になるって言うのは小さいころからずっと言ってることだし。
今更誰かに言われて、はいそうですかと止める訳がない。
「……私が言ったらやめる?」
「ううん。
コンカッセも誘う。」
まぁ、形だけ止めるふりをしてみると、逆に一緒に探索者になろうという話になる。
いつも通りの展開。
「ポッシェが探索者になって、食べるのに困った時の為に別の仕事探す。」
「それじゃ、そういう事がないように僕は頑張らないとね。」
「最悪、命だけでも持って帰ってくればいい。
生活はなんとかするから。」
親指をグッと立てて、ポッシェに激励を送る。
ポッシェは、やりたいことをやってくれればいい。
それを支えるのが出来る妻。
「アッシェも、ポッシェちゃんと一緒に探索者やるです。」
その日は、いつも黙って聞いているばかりだったアッシェがそんな爆弾を落とした。
一瞬の沈黙の後、驚きの声が低く木霊する。
「コンカッセは今更何言っても仕方ないけど……」
「アッシェは魔法学園の推薦貰ってるんだろ?」
「そんな、人生棒に振るような選択する必要ないって!!」
「むしろ、俺が稼げるようになったらお嫁さんに――」
なんか失礼な発言も混じってたけど、たしかに彼等の言う通り。
ポッシェと違って、アッシェには選択肢が結構あるはず。
いままで探索者になんて興味を示してなかったのに、急にそんなことを言い始めるなんてどうしたんだろう?
ちなみにポッシェは、船着き場の荷物運び位しか就職先のお誘いが来ていない。
本人に探索者以外の道を行く気がないからだけど。
船着き場からお声がかかってるのは、たまにお駄賃の他に余分に貰える小魚が目当てでお手伝いしまくったせい。
理由が食いしん坊すぎる。
それはそれとして、理由を聞いてみよう。
なんか、収拾がつかなくなりそうだし。
「推薦、どうするか悩んでるって言ってたけど、急になんで?」
「んー……。
多分、迷宮都市グラムナードに行きたいからです?」
「ソコでなんで、疑問形なんだよ。」
「夢のお告げ的な何かなのですぅ?」
アッシェはコテンと首を傾げながら返答を口にしたものの、何故か確証がなさそうだ。
対して、他のメンバーは『夢のお告げ』の部分で、アッシェに対する追求を止めた。
なんでかは分からないけど、アッシェの『夢のお告げ』はよく当たる。
その事を、身をもって知ってるのがこのメンバーだから。
私達と同い年だろうと判断されたアッシェも、春になったら孤児院から独立しなくちゃいけない。
その日の為に、学校でも孤児院内でも色々と勉強してきたとはいえ、その日が迫ってくるとやっぱり不安。
だからなのかな、次の春がやって来るのが近づいてきた秋頃になると、同じ境遇の子供達で集まってあれやこれやと夜の間に話し合うようになった。
秋に始まったこの夜会だけど、もう冬の最後の月になる。
来月になったらもう、春。
こうやって集まれるのも、あと少しだ。
ちなみに割と温暖な気候に恵まれているフレトゥムールでも、夜になるとグッと冷え込む。
だから、人が集まるとその分暖かくなる。
冬に入ってからは不安感の解消というよりも、暖を求めて集まってるという部分を強く感じる集まりだ。
みんな、寒いのは苦手だし。
「ポッシェ、お前の方はどう?」
「んー?
僕は、両親とおんなじ探索者になる予定だよ。」
「バカかお前。
探索者って言ったら、一番命の危険が多い仕事じゃんか。」
「そうだよ、それならよく手伝いに行く親方のトコにでも弟子入りした方がいいだろ?」
「ほら、コンカッセも何とか言ってやれよ?
ポッシェが危ない事するのは、お前も嫌だろ?」
――大工って言うのも、実のところ結構危険な事もある仕事なんだけど。
そう思いながらも首を傾げる。
だって、ポッシェが探索者になるって言うのは小さいころからずっと言ってることだし。
今更誰かに言われて、はいそうですかと止める訳がない。
「……私が言ったらやめる?」
「ううん。
コンカッセも誘う。」
まぁ、形だけ止めるふりをしてみると、逆に一緒に探索者になろうという話になる。
いつも通りの展開。
「ポッシェが探索者になって、食べるのに困った時の為に別の仕事探す。」
「それじゃ、そういう事がないように僕は頑張らないとね。」
「最悪、命だけでも持って帰ってくればいい。
生活はなんとかするから。」
親指をグッと立てて、ポッシェに激励を送る。
ポッシェは、やりたいことをやってくれればいい。
それを支えるのが出来る妻。
「アッシェも、ポッシェちゃんと一緒に探索者やるです。」
その日は、いつも黙って聞いているばかりだったアッシェがそんな爆弾を落とした。
一瞬の沈黙の後、驚きの声が低く木霊する。
「コンカッセは今更何言っても仕方ないけど……」
「アッシェは魔法学園の推薦貰ってるんだろ?」
「そんな、人生棒に振るような選択する必要ないって!!」
「むしろ、俺が稼げるようになったらお嫁さんに――」
なんか失礼な発言も混じってたけど、たしかに彼等の言う通り。
ポッシェと違って、アッシェには選択肢が結構あるはず。
いままで探索者になんて興味を示してなかったのに、急にそんなことを言い始めるなんてどうしたんだろう?
ちなみにポッシェは、船着き場の荷物運び位しか就職先のお誘いが来ていない。
本人に探索者以外の道を行く気がないからだけど。
船着き場からお声がかかってるのは、たまにお駄賃の他に余分に貰える小魚が目当てでお手伝いしまくったせい。
理由が食いしん坊すぎる。
それはそれとして、理由を聞いてみよう。
なんか、収拾がつかなくなりそうだし。
「推薦、どうするか悩んでるって言ってたけど、急になんで?」
「んー……。
多分、迷宮都市グラムナードに行きたいからです?」
「ソコでなんで、疑問形なんだよ。」
「夢のお告げ的な何かなのですぅ?」
アッシェはコテンと首を傾げながら返答を口にしたものの、何故か確証がなさそうだ。
対して、他のメンバーは『夢のお告げ』の部分で、アッシェに対する追求を止めた。
なんでかは分からないけど、アッシェの『夢のお告げ』はよく当たる。
その事を、身をもって知ってるのがこのメンバーだから。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。