リエラの素材回収所

霧ちゃん→霧聖羅

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二年目 叔母様来襲

エドゥラーン家からの要求

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 朝食の時にちょっと不思議に思うことを指摘された以外には、思ったよりも普段通りの一日を過ごした。
問題は夜だ。
今日は、昨日のメンバーにラエルさんとセリスさんを含めた六人で、エルドラン側からの話を検討することになっている。
セリスさんはとにかく、なんでラエルさんも? って思ったら、元々ラエルさんはラヴィーナさんに拾われて王宮で働いていたんだとか。
なので、その時の経験から良い意見が出るかもしれないというのが参加の理由。
昨日の復習ついでに、新しく加わった二人に軽く説明をする。

「彼は、祖父と性格が似ているからね……」
「そうなのよねぇ。だから早めに代替わりさせたんだけど、まさか跡取りがあんなに早く亡くなるなんて思わなかったわ」

 話を聞いたラエルさんが真っ先に口にしたのは、そんな感想だった。
ラヴィーナさんは『彼』が誰を指すのか理解しているらしく、そのコメントに同意しているけれどリエラ達にはさっぱり分からない。

「伯母上……」
「――あら、ごめんなさい」

 二人だけで納得し合っているのにアスラーダさんが苦い表情で割って入ると、ラヴィーナさんはバツが悪そうな表情で謝罪を口にする。

「『彼』って言うのは、今のエドゥラーン家当主のことよ」
「その彼の祖父が、百年前の統一戦争のきっかけになって人で――『野心家』という言葉がぴったりな人物だったと言う話」
「今回のお見合い相手に上がってきている子達の父親はそうでもなかったんだけど……」

 リエラとしては、その評価を聞いただけでお近づきになりたくない相手だ。
それにしてもはて?
百年前の統一戦争って言うと、あれだよね?
イニティ王国の建国したときのやつ。
それのきっかけになって人物ってどういうことだろう?
リエラが基礎学校で習った時にはクレスタ王国が一方的に侵略してきた的なかんじだったんだけど……
どうも教わった内容と違うみたいだし、今度、アスラーダさんにでもその辺りのことを教えてもらうことにしよう。

「なにはともあれ、今回は孫娘達を使って婚姻を結ぶ事によって合法的に領地を広げる。もしくは、難癖をつけて一旦借り上げてから開発を行ったという既成事実を作って掠め取るか……と言ったところだろうね」

 ラエルさんはそう言ってため息を吐く。

「だとしたら、最終目的は『外町の管理権限』ってところだろうな」
「掠め取れそうな場所があるように見えるのが原因ならば、まずは山道を無くしてしまえばいいのではないかね?」

 アスラーダさんの推論に、アスタールさんが投げやりな口調で問う。
その言葉にラヴィーナさんが困った表情になったのに、ラエルさんは可笑しそうにクスクスと笑いだす。

「何が面白いのかね?」
「君にその気はないのは分かっているからね」

 ラエルさんは笑いを収めると、表情を改めると口を開く。

「アスタール君のその案は最終手段としては有効だとは思うけれど、まずはエドゥラーン家からの要求についてまとめた方がいいね」

 リエラはセリスさんと顔を見合わせると、エドゥラーン家からあった要求を一つ一つ数え始める。

「要求って言うと……」
「一つ目はアスタールさん達が結婚前提でお見合いをするか――」
「「却下」」

 即座にアスタールさん達の口から拒絶の言葉が飛び出す。
アスタールさんはとにかく、アスラーダさんもか……
彼の好きな女性ってどんな人なんだろう?
ちょっと、いや、かなり羨ましい。

「二つ目が、既成事実をでっち上げて婚姻に持ち込まれそうな弟子入りを認めるか――」
「グラムナードへと至る山道の開発権を差し出すかの三つですよね?」

 首を傾げつつ訊ねると、ラエルさんは指を二つ立てて見せた。

「あちらからの要求は、二つだけだよ」
「――婚姻か、山道か、か」
「正解。一つ目と二つ目は最終的にはアスタール君かアスラーダのどちらかとの婚姻のための手段だからね。実質は同じものなんだよ」

 言われてみれば、そうかも。
どっちを選んでも結局『婚姻』に持ち込まれるのが目に見えているよね。

「だから、あちらの要望は『婚姻』か『山道の開発権』の二つ」
「アスタールさんもアスラーダさんも『婚姻』については妥協できないってことは、『山道の開発権』を渡すしかないってことですか?」

 そうなると、アスタールさんが山道を塞ぐって言いだしちゃうわけだけど……

「その山道の件だけど、そもそもが『開発をしていない』と言うのがあちらの言い分なわけだから……」
「なるほど。分かりやすいように開発してやれば、あちらの言い分は通らない」

 ラエルさんの言葉を、ハッとした顔でアスラーダさんが引き取る。

「そういうことだね。ただ、一つくらいは要望が通ったように見せてやった方がいいとは思うよ」
「見合いは話にならないとなると……」
「弟子入り、ですかね?」

 弟子入りってなると、アスタールさんが面倒を見るってことになるよね?
同じことを考えた人たちが、一斉にアスタールさんを見つめた。
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