耳なしのラビィは軍神のご主人様に食べられる

何か不満か？１* 【アルリエタ】

無垢な咥内をぴちゃぴちゃと舐め、指先でくりくりと乳首をいじる。
獣の姿で交わったときは、愛撫ができずもどかしかった。
鋭い爪の生えた手ではラビィの肌を傷つけかねず、牙だらけの口では噛み付くことしか出来はしない。
柔らかな唇を楽しみたくても、べろりと舐めることしかできない。

その点、人の身体はいい。
ラビィの柔肌をするりと撫でて、乳首をきゅうっと摘んでやれる。
もう片方に吸い付いて、舌先でくすぐることもできる。

「…………っぁ、」

思わずといったように声を上げ、ラビィが堪えるようにシーツを握った。
困ったように瞳を揺らし、白い肌を真っ赤に染めて、もじもじと膝を擦り合わせる。
まだ発情期もきていないのに、尻での快楽はしっかりと覚えてしまったらしい。
二週間近く続いた発情期の間も、獣化時特有の瘤でごりごりと前立腺を抉ってやると、びくびくと身体を跳ねさせていた。
未熟な性器を懸命に勃たせ、雄を欲しがってもどかしげに腰を揺らしていた。

獣化の解けた今の身体では性器に瘤はできないが、その分ナカで自由に動ける。
ラビィの好きなところばかりを突き上げてやれるし、体勢を変えて貫いてやれる。
押さえ込むように伸し掛からなくても、ラビィと繋がることができる。

―――けれど、まずは。

未熟な性器を口に含み、じゅうっときつく吸い上げた。
ただそれだけでラビィは悲鳴を上げるけれど、白いものはまだ出ない。
あれだけ強く発情を示す俺にあてられもしないのだから、まだ本当に未熟なのだろう。
年齢的には成熟してもいい頃合いなのだが、幼少期の栄養状態のひどさが関係しているのかもしれない。

「ぁっ、あ、ごしゅ…………ま、っ！」

咥えたまま舌で転がしてやると、ラビィがいやいやと首を振った。
それを無視して尻を探り、ほぐれたそこに指を挿し込む。十日以上もの間ずっと剛直を咥え続け、大量の精を注がれたそこは、今も熱く雄を待ちわびている。
ぷっくりと腫れたままの前立腺を指の腹で押し上げると、ラビィがびくりと身体を跳ねさせた。

「わかるか？　ここだ。散々擦ってやっただろう？」
「ひぁ、あ、っぁ……！　そこ、は……っぁ、」
「なぜ俺が覚えていると思う」
「ぇ……？　ッあ！　っだめ、だめ、ですっ……っ！」

とんとんと叩くように刺激して、爪先で引っ掻くように刺激する。
三本でもすんなり呑み込む柔い内壁は、ふっくらと潤ったまま雄の訪おとないを待っている。
早く食べてというように、内壁がみずみずしく蠢動している。
だめという言葉とは裏腹に、欲しい欲しいと締め付けてくる。

きゅうきゅうとねだるような締め付けに煽られ、ずるりと指を引き抜いた。
代わりに剛直をひたりと添えて、ゆっくりとナカに押し込んでいく。
獣のときの先の尖った剛直とはまったく違う形だが、これもラビィには過ぎた大きさだ。
張り出したカリがより一層孔を押し拡げ、内壁のすべてを擦り上げる。
違う快感に慄いたように、ラビィの腰が逃げを打つ。
それを引き戻して突き入れると、こなれて蠢く柔らかな襞が、ねっとりと雄に絡みつく。

やがてぶつかった奥の壁も、待ちわびたように先端にちゅっと吸い付いた。
そのまま小刻みに震わせてやると、ラビィがはくはくと唇を開く。
小ぶりな性器をぴんと立たせ、乳首をぷっくりと腫らせたまま、懸命に雄を受け入れている。

快楽に溺れたとろけた顔で、俺の動きに翻弄されて。
最奥の襞をこじ開けてやると、ぴんと爪先を突っ張らせ、きゅうっとシーツに縋り付く。
……こんなときでも奥ゆかしいラビィは、自分から俺に触れたりはしない。
それに少し苛立ちを覚え、指を優しく絡め取った。
唾液に塗れた唇を舐め取り、奥をぐじゅぐじゅと潰してやる。
強い快楽に身悶えたラビィが、声にならない悲鳴を上げる。

「発情期とはいえ、些少の理性は残っている。そうでなければ、今頃お前は血まみれだろうな」

獣の身体で、傷つけずに交わるのには骨が折れた。
きつく噛み付くのを堪えて甘噛みに留め、鋭い爪で引き裂かないよう全身でラビィを組み敷いて。
小さなラビィを傷つけないよう、慎重にその身を貫いた。

けれど逆に言えば、堪え難いほどの欲求に衝き動かされていても、その程度の分別は保てるのだ。
仮に、ラビィ以外の誰かが発情期を狙って誘惑をかけてきても、振り払える自信はある。
その程度のことで罠にかかるようでは、軍神などとても務まらない。