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3章
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宮殿へ向かうと、鐘の音を聞きつけた神官達も群がってきた。
「魔王がいる!」
「ナンタラード様は?」
「隣にいるのは人間か?」
「見たことあるぞ!シュエイシカ様と一緒にいた人間だ!」
神官達の間で、この前の事件は大きく広まっているようだった。
魔王様とサイは宮殿の前へ着くと、剣を抜いた神官達に囲まれた。張り詰めた空気が漂うが、魔王様は特に気にもせずに神官達に訊いた。
「彼がナンタラードに会いたいそうです。宮殿にいますか?」
だが、魔王様から一定距離を保った神官達は誰も答えない。
魔王様の強さはよく知られているのか、手を出してこないだけ良かった。
そこへ、ナンタラードが騒ぎの中心へと優雅に歩きながらやってきた。
「魔王様とサイか。全く、大きな音がした割には物足りない客だな」
鼻で笑いながらナンタラードは片方の口角だけを上げた。
魔王様が口を開こうとした時、先にサイが叫び始めた。
「シュエイシカ様をどこにやった!」
この叫びを聞いてもナンタラードの不敵な笑みが崩れる事はなかったが、神官達には動揺が走った。
「私は何もしていない。シュエイシカ様自ら何処かへ行ったのではないか?」
「そんなはずはない……」
あの薬が解けるはずがないと思っているのだろう。魔王様は今は口を開くべきではないと思った。軽く滑ってしまいそうだ。
フンっと露骨に音を出して笑うと、ナンタラードはサイの肩に手を乗せた。
「私の、天帝の力で捜してあげよう。ただし、そこの魔王様とやり合って勝てたらな」
その場にいた全員が息を呑み、驚きを隠せなかったが、魔王様はまだ彼が本調子ではない事に気づいた。
彼が本気を出せるのであれば、自分で戦おうとするだろうと思ったからだ。
「だが、そうだな……。このままだと勝負にならないから、また力を分けてあげよう」
「また」というのは、サイが魔王城で言っていた、ナンタラードに力を分けてもらった時の話だろう。
サイに触れているナンタラードの右手が金色に光ると、その光はサイの身体を包み、サイは眩暈がして座り込んだ。
「どうだ?新しい力は」
ナンタラードはサイに話しかけるが、彼は返事をしなかった。
数分経ってから、サイはようやくゆっくりと立ち上がった。
そこでやっと魔王様は口を開いた。
「ナンタラード、貴方は何がしたいのですか?」
「何って?何故戦わせるかと聞いているのか?」
何がそんなに楽しいのかと、魔王様が訊きたくなるぐらいに、ナンタラードは笑みを絶やさなかった。
神官達も、この新天帝を少ない異様な感じで眺めている。
「私を倒したいなら、貴方がやればいい」
「こっちの方がもっと面白い」
魔王様を見る目は憎悪を含んでおり、そこまで何故恨まれているのか魔王様には分からず、眉を寄せた。
「さあ、サイ。魔王様と戦って、愛しのシュエイシカ様の所へ行きなさい」
そうナンタラードがそう言うと、サイは剣を抜き、魔王様へと剣鋒を向けた。
魔王様は一度目を閉じてから、ゆっくりと瞼を上げて右手の拳を握った。
周りの神官達も息を呑み、刀光剣影の空気が漂う。
だがサイの構えた剣は地面へと下ろされ、その瞬間、近くに立っていたナンタラードへ剣を切り上げた。
ナンタラードはこの事に驚愕するも、すぐに一歩下がってその剣影を避けていた。
「どうした?魔王と戦わないのか?」
その問いかけにサイは何も言わず、剣を震わせて俯いた。
魔王様は何故彼がナンタラードに斬りかかったのか分からなかったが、本人もそのようだった。
「分からない。私は、私は一体どうしたい?」
サイが顔を上げるとその顔から涙が溢れ、笑っていた。その場が静まり返り、誰も声を上げず、ただサイの微かな笑い声が響いた。
「まるで、私は傀儡のようじゃないか……!お前も、お前も!みんな、私を見て嘲笑っている!」
剣を振り回し、ナンタラード、魔王様、神官達へと順番に剣先を向けていく。この姿に魔王様は肝を冷やした。
神官達は「神力に触れて気が狂ったのか?」「人間がその力に触れるのは危険だ」等と囁き合っていた。
サイは剣を鞘に戻すと、ふわりと浮いて天界から去ろうとした。魔王様は1人残されると居心地が悪いと感じ、すぐに追いかけるフリをして天界を後にした。
天界を出ると、既にサイの姿はなく、1人の影が見えた。
「レイリン、一体何があったの?」
「……魔王城でゆっくり話します」
魔王様とサイだけでは心配になった元天帝は、ひっそりと隠れて付いてきていた。
中の様子も大体は把握できていたが、魔王様に詳しく聞きたかった。
2人は魔王城に戻ると、待っていたリタが駆け寄ってきた。どうやら魔王様の様子から何か良くないことが起きたと感じたようだ。
魔王様は安心させるように作り笑いをして、2人に起きた出来事をそのままに話した。
「傀儡というのは、ナンタラードに良いように扱われていたと言う事ですか?」
リタはサイの言った言葉を当てはめようとしていた。
「かなり不安定だったようだし、言っていることに意味がない可能性もある」
元天帝はそう言うが、魔王様はそう簡単だとは思っておらず、心当たりもあった。
「シュエイシカ様が魔王城にいる事を知ってしまったら、魔王様が恨まれるのも納得してしまいますね」
リタが言う事は至極真っ当だ。このサイという人間は最初から最後まで、誰かにいいように扱われおり、正に傀儡のようであった。
「ランシュエは、あのサイという人間に詳しくないのですか?」
「レイリンは覚えてないの?レイリンが抱えてきて、宿で少し面倒を見たじゃないか」
そう言われて魔王様は北方都市での出来事を思い出した。あの時の神官はナンタラードで、部下が力を貸した後だったのかと、その時の状況を詳しく思い出そうとした。
「レイリンはあの日泊まってから戻ったけれど、私は少しだけ彼の面倒を見たんだ。それがきっかけで執着され始めたんだろう」
元天帝はため息を軽くついて、一度休もうと提案した。リタは、昼食の準備をするために、一礼してから広間から出ていった。
魔王様はそれでもまだ1人、何か考えているようで陰鬱な表情を浮かべていた。
「魔王がいる!」
「ナンタラード様は?」
「隣にいるのは人間か?」
「見たことあるぞ!シュエイシカ様と一緒にいた人間だ!」
神官達の間で、この前の事件は大きく広まっているようだった。
魔王様とサイは宮殿の前へ着くと、剣を抜いた神官達に囲まれた。張り詰めた空気が漂うが、魔王様は特に気にもせずに神官達に訊いた。
「彼がナンタラードに会いたいそうです。宮殿にいますか?」
だが、魔王様から一定距離を保った神官達は誰も答えない。
魔王様の強さはよく知られているのか、手を出してこないだけ良かった。
そこへ、ナンタラードが騒ぎの中心へと優雅に歩きながらやってきた。
「魔王様とサイか。全く、大きな音がした割には物足りない客だな」
鼻で笑いながらナンタラードは片方の口角だけを上げた。
魔王様が口を開こうとした時、先にサイが叫び始めた。
「シュエイシカ様をどこにやった!」
この叫びを聞いてもナンタラードの不敵な笑みが崩れる事はなかったが、神官達には動揺が走った。
「私は何もしていない。シュエイシカ様自ら何処かへ行ったのではないか?」
「そんなはずはない……」
あの薬が解けるはずがないと思っているのだろう。魔王様は今は口を開くべきではないと思った。軽く滑ってしまいそうだ。
フンっと露骨に音を出して笑うと、ナンタラードはサイの肩に手を乗せた。
「私の、天帝の力で捜してあげよう。ただし、そこの魔王様とやり合って勝てたらな」
その場にいた全員が息を呑み、驚きを隠せなかったが、魔王様はまだ彼が本調子ではない事に気づいた。
彼が本気を出せるのであれば、自分で戦おうとするだろうと思ったからだ。
「だが、そうだな……。このままだと勝負にならないから、また力を分けてあげよう」
「また」というのは、サイが魔王城で言っていた、ナンタラードに力を分けてもらった時の話だろう。
サイに触れているナンタラードの右手が金色に光ると、その光はサイの身体を包み、サイは眩暈がして座り込んだ。
「どうだ?新しい力は」
ナンタラードはサイに話しかけるが、彼は返事をしなかった。
数分経ってから、サイはようやくゆっくりと立ち上がった。
そこでやっと魔王様は口を開いた。
「ナンタラード、貴方は何がしたいのですか?」
「何って?何故戦わせるかと聞いているのか?」
何がそんなに楽しいのかと、魔王様が訊きたくなるぐらいに、ナンタラードは笑みを絶やさなかった。
神官達も、この新天帝を少ない異様な感じで眺めている。
「私を倒したいなら、貴方がやればいい」
「こっちの方がもっと面白い」
魔王様を見る目は憎悪を含んでおり、そこまで何故恨まれているのか魔王様には分からず、眉を寄せた。
「さあ、サイ。魔王様と戦って、愛しのシュエイシカ様の所へ行きなさい」
そうナンタラードがそう言うと、サイは剣を抜き、魔王様へと剣鋒を向けた。
魔王様は一度目を閉じてから、ゆっくりと瞼を上げて右手の拳を握った。
周りの神官達も息を呑み、刀光剣影の空気が漂う。
だがサイの構えた剣は地面へと下ろされ、その瞬間、近くに立っていたナンタラードへ剣を切り上げた。
ナンタラードはこの事に驚愕するも、すぐに一歩下がってその剣影を避けていた。
「どうした?魔王と戦わないのか?」
その問いかけにサイは何も言わず、剣を震わせて俯いた。
魔王様は何故彼がナンタラードに斬りかかったのか分からなかったが、本人もそのようだった。
「分からない。私は、私は一体どうしたい?」
サイが顔を上げるとその顔から涙が溢れ、笑っていた。その場が静まり返り、誰も声を上げず、ただサイの微かな笑い声が響いた。
「まるで、私は傀儡のようじゃないか……!お前も、お前も!みんな、私を見て嘲笑っている!」
剣を振り回し、ナンタラード、魔王様、神官達へと順番に剣先を向けていく。この姿に魔王様は肝を冷やした。
神官達は「神力に触れて気が狂ったのか?」「人間がその力に触れるのは危険だ」等と囁き合っていた。
サイは剣を鞘に戻すと、ふわりと浮いて天界から去ろうとした。魔王様は1人残されると居心地が悪いと感じ、すぐに追いかけるフリをして天界を後にした。
天界を出ると、既にサイの姿はなく、1人の影が見えた。
「レイリン、一体何があったの?」
「……魔王城でゆっくり話します」
魔王様とサイだけでは心配になった元天帝は、ひっそりと隠れて付いてきていた。
中の様子も大体は把握できていたが、魔王様に詳しく聞きたかった。
2人は魔王城に戻ると、待っていたリタが駆け寄ってきた。どうやら魔王様の様子から何か良くないことが起きたと感じたようだ。
魔王様は安心させるように作り笑いをして、2人に起きた出来事をそのままに話した。
「傀儡というのは、ナンタラードに良いように扱われていたと言う事ですか?」
リタはサイの言った言葉を当てはめようとしていた。
「かなり不安定だったようだし、言っていることに意味がない可能性もある」
元天帝はそう言うが、魔王様はそう簡単だとは思っておらず、心当たりもあった。
「シュエイシカ様が魔王城にいる事を知ってしまったら、魔王様が恨まれるのも納得してしまいますね」
リタが言う事は至極真っ当だ。このサイという人間は最初から最後まで、誰かにいいように扱われおり、正に傀儡のようであった。
「ランシュエは、あのサイという人間に詳しくないのですか?」
「レイリンは覚えてないの?レイリンが抱えてきて、宿で少し面倒を見たじゃないか」
そう言われて魔王様は北方都市での出来事を思い出した。あの時の神官はナンタラードで、部下が力を貸した後だったのかと、その時の状況を詳しく思い出そうとした。
「レイリンはあの日泊まってから戻ったけれど、私は少しだけ彼の面倒を見たんだ。それがきっかけで執着され始めたんだろう」
元天帝はため息を軽くついて、一度休もうと提案した。リタは、昼食の準備をするために、一礼してから広間から出ていった。
魔王様はそれでもまだ1人、何か考えているようで陰鬱な表情を浮かべていた。
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