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【37話】

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 死霊騒ぎの起こった森。
 気配からとんでもない数のアンデットが居ることが伺い知れます。
 死霊と違う気配は死霊使いによるものでしょう。
 森一帯を暗いベールが覆っています。

「フェブ様、突入しますか?」

「あぁ、こちらには聖女が付いている。資料などは襲るるに足りないよ、行くぞ!」

「「「「「はっ!」」」」」

「あの~少し良いですか?」

 物凄く気合が入っていると事申し訳ないのですが、一言だけフェブ様に頼まなければならないことがあります。

「どうしたんだいマーチ?」

「1つだけ試したいことがありまして」

「ん?」

「1回だけ私の術を試させて下さい」

「聖法術でバフかデバフがかけれるのかい?」

「少し違いますが、戦いは一気に楽になると思います」

「マーチがそう言うなら試してみてくれ」

「はい」

 フェブ様のお許しが出ました。
 聖女なんてガラでは無いですが、その立場が兵士たちを否と言わせません。
 ネームバリューて大切ですね。

(神鳥様…お母様…お力をお貸しください!!)

【仮初の命のモノに導きの光を】

 手をかざします。
 ブワッ、と目のくらむような白い光が森全体を包みました。
 そして森を覆っていた暗いベールは姿を消し、森から死霊の気配が消え失せました。

「マーチ…まさか、森中の死霊を浄化したのかい………?」

「出来た、みたいですね………」

 自分でも半笑いになりました。
 こうも見事に浄化出来るとは。
 さすがはお母様、神鳥様の力です。
 人の死霊使いごときがその力に触れて抗えるはずがありません。
 私の目には森の奥で意識を失っている術者も見えています。
 神鳥の力を使った反動がまだ残っていて、力の1つである『千里眼』が発動しているのです。

「はは、君が居れば負ける気がしない!聖女様が居る限り我らに負けはないぞ!!」

「「「「「「「「「うおぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉっ!!!!」」」」」」」」

 兵士たちの叫びが森を揺らします。
 あまりハードルは上げないで欲しいのですが…フェブ様が頼りにして下さるのだったら全力で力を使いますし、聖女様だってやりきってみます。

 こうして森の死霊騒ぎは半日もかからず解決してのでした。
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