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【24話】

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 クシュン!

 ルークがクシャミをした。

「大丈夫かルーク?風邪か?肌寒いか?」

「いや誰かが噂話でもしたのであろう。肌寒くはないぞ?こうしてサイヒに抱きしめられていると、とても暖かくて心地よい」

 蕩けた笑顔でルークが言う。
 美形のあまりの魅力的な笑顔に、もしこの場に人が居たら卒倒する者は少なく無かったであろう。
 男女年齢問わず。
 しかし幸いにこの”裏の広場”にはサイヒとルークしかいない。
 もし誰かが居たとしても、ルークはサイヒの足の上に乗せられ抱きしめられているので、その笑顔はサイヒにしか見えない。

「あまり笑顔を振りまくなよ?勘違いするものが現れるぞ」

「サイヒが笑顔にさせるのが悪い。それに私が微笑むのはサイヒにだけだ。勘違いも何も、そもそも私の半身はサイヒだけであろう?」

「まぁそうだな。だが半身が粉をかけられるのを見るのは正直良い気分はせぬな」

「嫉妬してくれるのか?」

「それはするだろう。ルークは私の半身なのだから」

「私も、同じだ…」

「ん?」

「私もサイヒが他の者から言い寄られるのを見たくないから、あまり他の者には優しくしないで欲しい」

 クスッ

 サイヒが笑う。

「こんなに可愛がるのは半身のお前だけだよルーク。生憎私の腕はそういっぱいのモノを抱えられない。腕も2本しかないし、お前を抱きしめたらいっぱいいっぱいだ」

「では生涯その腕は私の専用にしてくれ」

「本当に、お前は可愛い奴だなルーク」

 ギュゥ、とサイヒの腕の力が強くなった。
 強く抱きしめられて、この腕の中は自分専用なのだとルークは嬉しくなりサイヒの胸に顔を押し付けて、こっそりと微笑んだ。
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