柳鼓の塩小町 江戸深川のしょうけら退治
なんでも奥にある柳を蹴飛ばせばポンっと鳴くらしい。
そんな長屋の差配の孫娘お七。
なんの因果か、お七は産まれながらに怪異の類にめっぽう強かった。
徳を積んだお坊さまや、修験者らが加持祈祷をして追い払うようなモノどもを相手にし、
「えいや」と塩を投げるだけで悪霊退散。
ゆえについたあだ名が柳鼓の塩小町。
ひと癖もふた癖もある長屋の住人たちと塩小町が織りなす、ちょっと不思議で愉快なお江戸奇譚。
猫の喧嘩に虎が割り込むとは秀逸な表現。
さて、当然ながら借りが出来たので、返さにゃなりません。
一人で抱え込んでいても何にもならない。
苛烈ではあるが、火付け盗賊改メは強力な組織です。
素直に話して、力を借りた方が利口ですよ。
『山でとれたて!六尺の大いたち!』
『板に血はわかったが、山でとれたてたぁ、どういうこったい?』
『やだなぁ、旦那。こういう板は海じゃとれませんよ』
『『あっはっはw』』
天竺のくじゃく
世にも珍しいタゲタゲ
三間の大とうろう
名物とせうけ
有名どころはこんなものかな?
騙される側も判っていて騙されるのが江戸の粋。
純朴な田舎の獣怪異には判らないかww
お上の十手を預かる、と言っても正確には定町廻りが権限の一部を貸し与えて、金で使っているのが岡っ引き。
地元のやくざものの親分なんかが二足のわらじの場合も多々あるし、破落戸から完全に凶状持ちにしない為の更正手段の側面も。
真面目な親分もいれば、阿呆も居る。
どうやら阿呆の類いだったか。
脇坂の旦那はこの間の一件で火盗改とも縁が出来ているし、なんだかんだ言って柳鼓の面々は方々に顔が売れている。
こりゃ、この岡っ引きは叱責もんだねぇ……
三千両とはまた持っていったね。
だが、家人含め人死にを出していないのは良かった。
十中八九、元忍びの連中。それも結構な数につき、万屋さんの元お仲間でしょうね。
眠り薬を焚くとなると、柘植の一族かな?
狙ったのが、まあ三千両盗られても身代が傾く事の無い老舗大店ですし、頻繁にやっている訳でも無いでしょう。
例の『おろち』なる連中の一派かも知れませんが、随分とスマートなやり口です。
これで糊口をしのぐだけなら、見逃しても問題は無いんですが……
世が乱れた方が忍びの技が生きる、なんて考えがあると、放置は出来なくなってきますね。
まあ、全て上手くはいかないものさ。
それにしても、最後の最後まで、一番の元凶は逃げっぱなしかい。
せめて娘のため、裏切った神馬への贖罪の為、己が殺した情婦への、僅かばかりの詫びの為に地獄から這い出て罪咎穢れを一身に引き受ける、位は出来ないものかね。
情けなや。
これはなんとも……
悪行の果てに身勝手な自殺とは。
救えない阿呆だね。
今さら娘に丸投げされても困る。
なんせ、全く責も無いのだからして。
まあ、神馬が夫であったにせよ、その命は一度喪われ怪異と化しているので、いわば未亡人。
その後の人生で次の伴侶を得、子宝に恵まれた後に戻って来られてもねぇ……
神馬には申し訳ないが、この上は怒りや怨みを棄てて、神仏に連なるものに立ち返り、彼女を見守る位しか道はない。
もしくは地獄に堕ちた外道共を裁き、責めるべく獄卒と化すかだね。
単なる怪異として調伏するのは、あまりに哀れ。
馬鹿は困ったもんだ。
商才もないのに店を乗っ取っても長く続きゃしないよ。大店と言ってもまだまだ危ういんだから、主人一家が伊勢参りの途中で全員死んだなんて話になれば、縁起が悪い以外の何物でもない。
詰まるところ、馬鹿兄貴と凶状持ちを懲らしめつつ、事は内々で処理する必要があると。
しかも、馬鹿兄貴の方は出来れば命までは取らない方面で。
理想としては出家させる感じかね。
凶状持ちは化け猫さんに散々脅してもらって、腰抜かした所を親分に挙げて貰えば良い。
単なる騙りにしては怪異モドキが上手い。内通している者がいるのは間違いないし、ここは元忍の万屋&凄腕浪人の出番。
似非修験者は、それこそ猫又の玩具になって貰えばよい。干物とかで交渉すればやってくれるんじゃないかい?
後腐れなくバッサリと?
その上役は、頭の出来がだいぶお粗末。
話せないところは話せないが、別に全てを明かす必要はない。
差し障りの無い所をちょいと話すだけで裏を探られたりしなくなるんだから、こんな楽な事はないさね。
下手人の血痕なんかはどうなんだろう。
もしも一方的に斬られている様なら、妖刀などの可能性もある。
西洋でも純鉄は魔除けに使われていましたね。
身近な所では塩、桃、柊、真榊なども、それぞれ魔除けとして優秀です。
ふむふむ。
これは仇討ちなんかやる気なしで良いですね(^ω^)
馬鹿馬鹿しい限りです。
討ち入りで仇討ち=武士の誉的な空気が出来てきたし、もしかしたら援助の申し出もあったから発破を掛けに来たのかね。
なら逆に、世の中の風向きをちょいと変えてやれば良い。
それこそ芝居脚本やら黄表紙の作者あたりに渡りをつけて、事のあらましを広めてしまえ。
判官贔屓は人の常。
手に手を取って逐電した二人と、馬鹿親に言われて仇討ち旅に出るは出たが、ものの道理を弁えて敢えて追わずを貫く貧乏武士の物語なんて、結構売れると思います。
先にも書きましたが、この討ち入りフィーバーで頭が痛いのは幕府なので、割りとこういった話でのガス抜きは歓迎されるかもね♪
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