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居場所とスキルの力④
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「でもウルホ様。私は、今まで誰かに触れてもそのような力を発揮することはありませんでしたが……」
「何かしら発動条件があるのだろう。それにしても、もしそれが本当ならすさまじいスキルじゃな」
「それは、どういう?」
ウルホ様は顎あたりをなでながらどこか楽し気に話を続ける。
「この保護する種だが、どのようなものでもいいんじゃろ? 仮にエルフ族を保護する対象にした場合、エルフはおぬしが生きている限り滅びないということじゃ。しかも、アンフェリカ自身もエルフの特性を身につけられることができる可能性がある」
その言葉に、お母様が口を挟む。
「つまり、人間には使えない魔法が使えたり、森と対話したり、弓の扱いにたけたり、ということですか?」
「どこまでできるかスキルの強さにもよるが……。物理的な保護に関して言うと、戦争ですさまじい力を発揮するのは間違いないのぉ。アンフェリカの力を知れば、独占したがる輩はいくらでもいるじゃろう」
まさかの言葉に、私は思考が追い付かない。
ずっといらないと言われていた。
そんな私のスキルが、そんな可能性を秘めているだなんて。
でも、そんな力があるって言われても、私はどうしたらいいんだろう。
心細くなりエヴァン様を見る。
すると、彼も私を見つめており、目が合うと表情が柔らかく崩れる。
「大丈夫さ。ここには君を利用しようとするものはいない。もしいたとしても、私が守ろう」
「はい、ありがとうございます」
「それに――」
――アンフェリカが、世界中から追われる身になったとしたら、私は世界を敵にまわすことを何一つ厭わない。
な、何を言ってるんだ、この人は!
私は思わず後ずさり顔を両手で隠すが、きっと耳まで赤いのだろう。熱くて仕方ない。
「あ……ありがとうございます」
「いや、そんな愛らしい表情が見れて、こちらこそありがとうだ」
はっと気づくと、周囲からは生暖かい視線が向けられている。
こんな甘い言葉にどう対処すればいいのか。
私は黙り込むことしかできない。
「かっか! エヴァンも必死じゃのぉ。まぁ、スキル云々はおぬしが好きなように使えばよい! ただ、もう自分を卑下することはない。おぬしのスキルは唯一無二のもの。そしてその力に我らエルフは救われた。それを我らは心から感謝している。それが事実じゃ」
「ウルホの言う通りだ。スキルの力の口外はしない。アンフェリカは自身の思うように行動するといい。もちろん、われらは義理の両親として色々と言うことはあると思うがな」
お父様の言葉に、お母様がぴしゃりと口を挟む。
「それじゃあアンフェリカちゃん……長いわね。アンちゃんなんてどうかしら!? アンちゃんが委縮しちゃうわよ! いいのよ? こんな人の言うことなんて聞かなくて。困ったらエヴァンに相談しなさい。私も力になれるよう頑張るから」
「いやその言い方は――」
「ああ、そうだ。もし父上が君に何か言うことがあれば、この手で切り捨てても構わない」
「え!? そういう扱いなのか、私は!」
そのやり取りにエヴァン様も加わり、お父様はたじたじだ。
その雰囲気がとっても暖かくて。
あこがれた家族そのもので。
私は、おもわず笑いがこぼれた。
「ふふっ、とても素敵なご両親ですね」
「そういってもらえると、私もうれしい」
私は、こんなに自然に笑えたことなんてなかった。
とてもリラックスした状態で、自然と言葉が溢れてくる。
「これからもよろしくお願いいたします。お父様、お母様」
「こちらこそよろしくね! アンちゃん!」
「うむ。エヴァンと末永く幸せにな」
「はい!」
その後運ばれてきた昼食をお腹いっぱい食べて、私は幸せな気持ちでいっぱいだった。
「何かしら発動条件があるのだろう。それにしても、もしそれが本当ならすさまじいスキルじゃな」
「それは、どういう?」
ウルホ様は顎あたりをなでながらどこか楽し気に話を続ける。
「この保護する種だが、どのようなものでもいいんじゃろ? 仮にエルフ族を保護する対象にした場合、エルフはおぬしが生きている限り滅びないということじゃ。しかも、アンフェリカ自身もエルフの特性を身につけられることができる可能性がある」
その言葉に、お母様が口を挟む。
「つまり、人間には使えない魔法が使えたり、森と対話したり、弓の扱いにたけたり、ということですか?」
「どこまでできるかスキルの強さにもよるが……。物理的な保護に関して言うと、戦争ですさまじい力を発揮するのは間違いないのぉ。アンフェリカの力を知れば、独占したがる輩はいくらでもいるじゃろう」
まさかの言葉に、私は思考が追い付かない。
ずっといらないと言われていた。
そんな私のスキルが、そんな可能性を秘めているだなんて。
でも、そんな力があるって言われても、私はどうしたらいいんだろう。
心細くなりエヴァン様を見る。
すると、彼も私を見つめており、目が合うと表情が柔らかく崩れる。
「大丈夫さ。ここには君を利用しようとするものはいない。もしいたとしても、私が守ろう」
「はい、ありがとうございます」
「それに――」
――アンフェリカが、世界中から追われる身になったとしたら、私は世界を敵にまわすことを何一つ厭わない。
な、何を言ってるんだ、この人は!
私は思わず後ずさり顔を両手で隠すが、きっと耳まで赤いのだろう。熱くて仕方ない。
「あ……ありがとうございます」
「いや、そんな愛らしい表情が見れて、こちらこそありがとうだ」
はっと気づくと、周囲からは生暖かい視線が向けられている。
こんな甘い言葉にどう対処すればいいのか。
私は黙り込むことしかできない。
「かっか! エヴァンも必死じゃのぉ。まぁ、スキル云々はおぬしが好きなように使えばよい! ただ、もう自分を卑下することはない。おぬしのスキルは唯一無二のもの。そしてその力に我らエルフは救われた。それを我らは心から感謝している。それが事実じゃ」
「ウルホの言う通りだ。スキルの力の口外はしない。アンフェリカは自身の思うように行動するといい。もちろん、われらは義理の両親として色々と言うことはあると思うがな」
お父様の言葉に、お母様がぴしゃりと口を挟む。
「それじゃあアンフェリカちゃん……長いわね。アンちゃんなんてどうかしら!? アンちゃんが委縮しちゃうわよ! いいのよ? こんな人の言うことなんて聞かなくて。困ったらエヴァンに相談しなさい。私も力になれるよう頑張るから」
「いやその言い方は――」
「ああ、そうだ。もし父上が君に何か言うことがあれば、この手で切り捨てても構わない」
「え!? そういう扱いなのか、私は!」
そのやり取りにエヴァン様も加わり、お父様はたじたじだ。
その雰囲気がとっても暖かくて。
あこがれた家族そのもので。
私は、おもわず笑いがこぼれた。
「ふふっ、とても素敵なご両親ですね」
「そういってもらえると、私もうれしい」
私は、こんなに自然に笑えたことなんてなかった。
とてもリラックスした状態で、自然と言葉が溢れてくる。
「これからもよろしくお願いいたします。お父様、お母様」
「こちらこそよろしくね! アンちゃん!」
「うむ。エヴァンと末永く幸せにな」
「はい!」
その後運ばれてきた昼食をお腹いっぱい食べて、私は幸せな気持ちでいっぱいだった。
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