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BL学園に転生した件
友達出来ました
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今朝は朝日によって起こされた。
昨日は疲れてカーテンを閉めるのを忘れて眠りについたらしい。
起き上がりぐっと伸びをする。
スマホを確認すると通知が一件、パスコードを解除するとメイさんからのメッセージだった。
『おはよう、俺朝は珈琲だけだから先に行くね。迎えに行けなくてごめん。』
マメな人だなぁと思いながら返信を打ち込む。
『おはよう。朝早いんだな、子どもじゃないんだから一人で行けるよ。』
メッセージを送ると直ぐに既読がつく。
ベッドから降り寝間着を脱ぐ、脱いだ寝間着はベッドへ放り洗面所へ。
顔を洗い歯を磨く、髪をブラシで梳く。
クローゼットからワイシャツを取り出し袖を通すと、メッセージの通知音がしてベッドへ戻り充電ケーブルからスマホを抜き取り学習机に置く。
ネクタイを結びながらメッセージを確認する。
『今日から生徒会の仕事があるからね。悪い虫が付かないか心配なの!』
悪い虫って…と思いながらネクタイを結び終え、メッセージを打ち込む。
『朝からお疲れ様。俺なんかに構うのはメイさんくらいだよ。』
スラックスに脚を通しベルトを締め、ブレザーを羽織ればクローゼットの内側に付いた鏡で全身を確認する。
うん、今日も立派なモブだ。
通知音にスマホを手に取れば、椅子へと腰掛ける。
『ありがと。分かんないじゃん、俺みたいに御形くんの魅力に気付いちゃう人がいるかも。』
拗ねた顔のスタンプ付きだ。
メイさんの必死そうな顔を思い出して、くすりと笑う。
『いもしない人間に嫉妬するな。』
学生鞄の中に昨日渡されたプリント通りに教科書を詰め、財布とハンカチ、ティッシュも入れ椅子から立ち上がる。
朝食は昨日言ってたデザートを頼もう。
スマホをブレザーの内ポケットにしまい、部屋を後にした。
食堂へ入るとざわりと周りがざわついた。
「あれがメイ様の…」
「なんであんな地味な…」
聞こえてます、聞こえてますよー。
俺だってなんでこんな地味なのがいいのかわかんねぇよ。
コソコソと囁かれる中厨房カウンターへ歩み出した、その時だ。
足に何か固いものが引っ掛かる感触にバランスを崩す、くすくすと聞こえる笑い声にあっこりゃやられたなと思った。
受け身も取れずに倒れて行く身体に、まぁ絨毯引いてあるしそんなに痛くないだろうと考えていた。
が、次の瞬間腕を強く引っ張り上げられた。
え?と思いなんとか体勢を立て直すと目の前には古鬼田平子がいた。
…助けてくれた?
古鬼田平子は俺の後ろを睨むと低い声で言った。
「だっせぇことしてんじゃねぇよ。」
後ろを振り返るとあの裏路地の子が悔しそうに俺を睨みつけていた。
昨日も思ったが、美形の怒った顔迫力すげーな。
「お前もだ、ぼさっとしてんな。」
「え、あ、はい…すみません。」
「行くぞ。」
「え?」
まだ掴まれていた腕を引かれ、あっという間に自販機の前にいた。
自販機の前に着いても困惑している俺に古鬼田平子がまた声をかけて来た。
「飯食うんだろ。」
「え、あ、うん。」
古鬼田平子はもう半券を買った様で厨房カウンターへ向かっていた。
俺も慌てて半券を買う、今朝はオムレツ定食と焼きプリンだ。
厨房カウンターへ行き半券を渡し振り返るとまだ古鬼田平子がいた。
再び腕を掴まれ、引き摺られる様に人気が少ない席へと連れて行かれた。
え?俺古鬼田平子とご飯食べんの?
無言の圧力で席につけば、向かいに古鬼田平子が座った。
「…お前危機感無さ過ぎだぞ。」
「え?そ、そうかな…?」
「会計はどうした。」
「あ、先に学園行ってるって。」
チッと舌を打つと古鬼田平子が真面目な顔で言った。
「これから会計が居ない時はなるべく俺と一緒にいろ。」
「何で?」
「…お前これから色んな連中から嫌がらせ受けるぞ。」
「えっ…それは勘弁したいかな…。」
確かにメイさん人気者だろうし、ぽっと出の俺が【薔薇のパル】になるのに反対な人は沢山いるだろう。
現にさっき足をひっかけられたばかりだ。
「俺は弾除けになる、だから一緒に行動しろ。」
「え、でも古鬼田くんの負担になるんじゃ…。」
確かに古鬼田平子のオーラは人を寄せ付けないし、多分喧嘩も強い。
でもそう簡単に巻き込む訳には…。
「…勿論タダでとは言わない。」
え?もしかして金品請求される?
古鬼田くんは少し逡巡してから、真剣な目で俺を見つめながら言った。
「…友達になってくれ。」
「へ?」
その後古鬼田くんは朝食のオムライスを食べながら自分の過去を語ってくれた。
小さな頃から身体が大きかったこと、中学ではその双眸と態度から喧嘩をふっかけられる毎日だったこと、友達が出来たことがないこと。
俺は食後の焼きプリンに舌鼓をうちながら問うた。
「…で、何で俺?」
「お前この間廊下で声掛けた時、焦ってたけど怯えなかっただろ。」
「それだけで?」
「後、単純にいじめが気に食わねぇ。」
「…古鬼田くんって優しいね。」
そう言うと古鬼田くんが目を丸くして、じわじわと顔を赤くした。
「…お前、さては人タラシだな?」
「まさか!メイさんには負けるよ。」
ははっと笑えば古鬼田くんがじっと見つめて来た。
「…合意の上なんか?」
「何が?」
「【薔薇のパル】のことだよ。」
「え?あぁ…まぁ、一応。」
次は俺が赤面する番だった、照れくさくて頬を掻く。
はぁ、と古鬼田くんが溜息をつく。
「ならいい、嫌な事は嫌って言えよ。」
「うん、大丈夫。ありがとう古鬼田くん。」
ふんと鼻を鳴らせば、古鬼田くんは立ち上がった。
「そろそろ行くぞ。」
「あ、うん!」
トレーを持ち後に続く。
友達…友達か、いい響きだ。
古鬼田くん効果は絶大だった。
古鬼田くんが歩くと人がモーゼの様に避けて行く。
こりゃ、新しい友達は望めないなと思いながらも教室に着いた。
古鬼田くんにまた後でと告げて自分の席につく。
暫くすると教師が入って来て授業が始まった。
四限目の授業を終え教材を片付けていると、やけに大きな声が聞こえて来た。
聞き覚えのある声にそちらへ視線をやる。
「え~!いいじゃん俺とお昼ご飯行こうよ!」
「…先約があるって言ってるだろ。」
「いいじゃん!いいじゃん!俺とのが楽しいよ絶対!」
「うるせぇし、腕を離せ。」
「あっ!ちょっと!」
古鬼田くんは絡められてた腕を引き剥がし、こちらへずんずんと来た。
「嶋崎、行くぞ。」
「え?あぁ、うん。」
恨めしそうな視線を背に俺達は廊下に出た。
古鬼田くんに絡んでいたのは花咲ナズナだった。
「…よかったの?友達チャンス。」
「ありゃ友達のスキンシップじゃねぇし、うるせぇ。」
「あは、確かに…でも美少年だよ?」
古鬼田くんはふんと鼻で笑い。
「誰にでもケツ振るビッチに興味なんざねぇよ。」
「え?」
「会長にも言い寄ってた。」
「えぇ…。」
「他にも狙ってるかもな、会計とられねぇように気をつけるんだな。」
メイさんをとられる…?確かに俺なんかよりずっと花咲ナズナの方が華やかで魅力的だ…。
トンッと背中を叩かれハッとする、気付けば足が止まっていた。
「わりぃ、余計なこと言った。」
首を横に振る。
「ううん、彼が魅力的なのは事実だから…。」
少し的外れな返答をしてしまった。
「彼って花咲ナズナのことか?」
「うん。」
「…人間の魅力は外見だけじゃねぇ、肝心なのは中身だ。」
「古鬼田くん…。」
「それにお前の見目も悪くねぇよ。」
「そうかな…?」
「自信持て、持てば変わる。」
再びトントンと背中を叩かれ鼓舞される。
「…ありがとう。」
ニッと笑えば古鬼田くんも笑顔で返してくれた、古鬼田くん笑うと可愛いんだな。
そんな事を考えながら二人で食堂へ向かった。
昨日は疲れてカーテンを閉めるのを忘れて眠りについたらしい。
起き上がりぐっと伸びをする。
スマホを確認すると通知が一件、パスコードを解除するとメイさんからのメッセージだった。
『おはよう、俺朝は珈琲だけだから先に行くね。迎えに行けなくてごめん。』
マメな人だなぁと思いながら返信を打ち込む。
『おはよう。朝早いんだな、子どもじゃないんだから一人で行けるよ。』
メッセージを送ると直ぐに既読がつく。
ベッドから降り寝間着を脱ぐ、脱いだ寝間着はベッドへ放り洗面所へ。
顔を洗い歯を磨く、髪をブラシで梳く。
クローゼットからワイシャツを取り出し袖を通すと、メッセージの通知音がしてベッドへ戻り充電ケーブルからスマホを抜き取り学習机に置く。
ネクタイを結びながらメッセージを確認する。
『今日から生徒会の仕事があるからね。悪い虫が付かないか心配なの!』
悪い虫って…と思いながらネクタイを結び終え、メッセージを打ち込む。
『朝からお疲れ様。俺なんかに構うのはメイさんくらいだよ。』
スラックスに脚を通しベルトを締め、ブレザーを羽織ればクローゼットの内側に付いた鏡で全身を確認する。
うん、今日も立派なモブだ。
通知音にスマホを手に取れば、椅子へと腰掛ける。
『ありがと。分かんないじゃん、俺みたいに御形くんの魅力に気付いちゃう人がいるかも。』
拗ねた顔のスタンプ付きだ。
メイさんの必死そうな顔を思い出して、くすりと笑う。
『いもしない人間に嫉妬するな。』
学生鞄の中に昨日渡されたプリント通りに教科書を詰め、財布とハンカチ、ティッシュも入れ椅子から立ち上がる。
朝食は昨日言ってたデザートを頼もう。
スマホをブレザーの内ポケットにしまい、部屋を後にした。
食堂へ入るとざわりと周りがざわついた。
「あれがメイ様の…」
「なんであんな地味な…」
聞こえてます、聞こえてますよー。
俺だってなんでこんな地味なのがいいのかわかんねぇよ。
コソコソと囁かれる中厨房カウンターへ歩み出した、その時だ。
足に何か固いものが引っ掛かる感触にバランスを崩す、くすくすと聞こえる笑い声にあっこりゃやられたなと思った。
受け身も取れずに倒れて行く身体に、まぁ絨毯引いてあるしそんなに痛くないだろうと考えていた。
が、次の瞬間腕を強く引っ張り上げられた。
え?と思いなんとか体勢を立て直すと目の前には古鬼田平子がいた。
…助けてくれた?
古鬼田平子は俺の後ろを睨むと低い声で言った。
「だっせぇことしてんじゃねぇよ。」
後ろを振り返るとあの裏路地の子が悔しそうに俺を睨みつけていた。
昨日も思ったが、美形の怒った顔迫力すげーな。
「お前もだ、ぼさっとしてんな。」
「え、あ、はい…すみません。」
「行くぞ。」
「え?」
まだ掴まれていた腕を引かれ、あっという間に自販機の前にいた。
自販機の前に着いても困惑している俺に古鬼田平子がまた声をかけて来た。
「飯食うんだろ。」
「え、あ、うん。」
古鬼田平子はもう半券を買った様で厨房カウンターへ向かっていた。
俺も慌てて半券を買う、今朝はオムレツ定食と焼きプリンだ。
厨房カウンターへ行き半券を渡し振り返るとまだ古鬼田平子がいた。
再び腕を掴まれ、引き摺られる様に人気が少ない席へと連れて行かれた。
え?俺古鬼田平子とご飯食べんの?
無言の圧力で席につけば、向かいに古鬼田平子が座った。
「…お前危機感無さ過ぎだぞ。」
「え?そ、そうかな…?」
「会計はどうした。」
「あ、先に学園行ってるって。」
チッと舌を打つと古鬼田平子が真面目な顔で言った。
「これから会計が居ない時はなるべく俺と一緒にいろ。」
「何で?」
「…お前これから色んな連中から嫌がらせ受けるぞ。」
「えっ…それは勘弁したいかな…。」
確かにメイさん人気者だろうし、ぽっと出の俺が【薔薇のパル】になるのに反対な人は沢山いるだろう。
現にさっき足をひっかけられたばかりだ。
「俺は弾除けになる、だから一緒に行動しろ。」
「え、でも古鬼田くんの負担になるんじゃ…。」
確かに古鬼田平子のオーラは人を寄せ付けないし、多分喧嘩も強い。
でもそう簡単に巻き込む訳には…。
「…勿論タダでとは言わない。」
え?もしかして金品請求される?
古鬼田くんは少し逡巡してから、真剣な目で俺を見つめながら言った。
「…友達になってくれ。」
「へ?」
その後古鬼田くんは朝食のオムライスを食べながら自分の過去を語ってくれた。
小さな頃から身体が大きかったこと、中学ではその双眸と態度から喧嘩をふっかけられる毎日だったこと、友達が出来たことがないこと。
俺は食後の焼きプリンに舌鼓をうちながら問うた。
「…で、何で俺?」
「お前この間廊下で声掛けた時、焦ってたけど怯えなかっただろ。」
「それだけで?」
「後、単純にいじめが気に食わねぇ。」
「…古鬼田くんって優しいね。」
そう言うと古鬼田くんが目を丸くして、じわじわと顔を赤くした。
「…お前、さては人タラシだな?」
「まさか!メイさんには負けるよ。」
ははっと笑えば古鬼田くんがじっと見つめて来た。
「…合意の上なんか?」
「何が?」
「【薔薇のパル】のことだよ。」
「え?あぁ…まぁ、一応。」
次は俺が赤面する番だった、照れくさくて頬を掻く。
はぁ、と古鬼田くんが溜息をつく。
「ならいい、嫌な事は嫌って言えよ。」
「うん、大丈夫。ありがとう古鬼田くん。」
ふんと鼻を鳴らせば、古鬼田くんは立ち上がった。
「そろそろ行くぞ。」
「あ、うん!」
トレーを持ち後に続く。
友達…友達か、いい響きだ。
古鬼田くん効果は絶大だった。
古鬼田くんが歩くと人がモーゼの様に避けて行く。
こりゃ、新しい友達は望めないなと思いながらも教室に着いた。
古鬼田くんにまた後でと告げて自分の席につく。
暫くすると教師が入って来て授業が始まった。
四限目の授業を終え教材を片付けていると、やけに大きな声が聞こえて来た。
聞き覚えのある声にそちらへ視線をやる。
「え~!いいじゃん俺とお昼ご飯行こうよ!」
「…先約があるって言ってるだろ。」
「いいじゃん!いいじゃん!俺とのが楽しいよ絶対!」
「うるせぇし、腕を離せ。」
「あっ!ちょっと!」
古鬼田くんは絡められてた腕を引き剥がし、こちらへずんずんと来た。
「嶋崎、行くぞ。」
「え?あぁ、うん。」
恨めしそうな視線を背に俺達は廊下に出た。
古鬼田くんに絡んでいたのは花咲ナズナだった。
「…よかったの?友達チャンス。」
「ありゃ友達のスキンシップじゃねぇし、うるせぇ。」
「あは、確かに…でも美少年だよ?」
古鬼田くんはふんと鼻で笑い。
「誰にでもケツ振るビッチに興味なんざねぇよ。」
「え?」
「会長にも言い寄ってた。」
「えぇ…。」
「他にも狙ってるかもな、会計とられねぇように気をつけるんだな。」
メイさんをとられる…?確かに俺なんかよりずっと花咲ナズナの方が華やかで魅力的だ…。
トンッと背中を叩かれハッとする、気付けば足が止まっていた。
「わりぃ、余計なこと言った。」
首を横に振る。
「ううん、彼が魅力的なのは事実だから…。」
少し的外れな返答をしてしまった。
「彼って花咲ナズナのことか?」
「うん。」
「…人間の魅力は外見だけじゃねぇ、肝心なのは中身だ。」
「古鬼田くん…。」
「それにお前の見目も悪くねぇよ。」
「そうかな…?」
「自信持て、持てば変わる。」
再びトントンと背中を叩かれ鼓舞される。
「…ありがとう。」
ニッと笑えば古鬼田くんも笑顔で返してくれた、古鬼田くん笑うと可愛いんだな。
そんな事を考えながら二人で食堂へ向かった。
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