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 「あっ……あっ……ああっ……」私の喘ぎ声だけが車内に響き渡る。
 アキちゃんはすぐに出発するかと思いきや、そうでもないらしい。ガサゴソと何かを探る気配がして、音楽が流れ出す。結構昔に流行った曲だ。アキちゃんの趣味か。

 だが私には音楽を楽しむ余裕もない。
 視界を奪われたままに気持ちよさに身を震わせて、ただただ喘ぐ事しかできない。
 なんだか怖い――。

 そう思ったところでアキちゃんが私の脚を撫でる感触がした。
 「ひゃあっ」と喘いで身体を震わせる。そのまま快楽に身を委ねれば、あっけなく達してしまう。

 ビクンビクンと身体を震わせるが、アキちゃんはそんな私が相手でも手加減をしない。
 手が私の身体をもてあそぶ。タイツ越しに触られ、撫でられていく。
 そろそろと股間の方に手はむかっていき、コツコツとバイブを指で叩かれる。その刺激でまたイってしまって、声にならない悲鳴をあげる。

 「やめっ……やめてっ……やだっ……やだっ……」と息も絶え絶えに言えば、
 「さっきまでずっと辞めるチャンスはあっただろ?」と言われてしまう。
 それなのに興味本位でスイッチをいじり……、刺激を強くしたのは紛れもなく私自身だ。

 「メイちゃんは何回イッちゃったのかな?」なんて言われても、答えることができない。
 必死で思い返しても蕩けた脳が私の思考を鈍らせる。

 「三回……?」ととりあえず答えてみたが、
 「五回はイッてるだろ」とアキちゃんに瞬殺されてしまった。


 車にエンジンがかかり、動き出す。
 私は「ひゃっ……」と声を出してシートベルトを握る。

 外の様子は分からないが、どうやら山道に入ったらしい。
 路面からの振動で車が揺れ、更にカーブも多いようだ。

 イかないように気を付けなきゃ……と思うが、一回イってしまった身体は自分の意思では止められない。
 すぐにイってしまい、その快感が引かぬうちにどんどん次の快感が押し寄せてくる。

 さっき考えたように、一回イってしまったらまたすぐにイってしまうだろう、という仮説は本当だった。

 「アキちゃんっ……だめっ、これっ……とめてっ……も、無理……」と言えば、アキちゃんは
 「俺今運転中。」と冷たい。

 「スイッチ……返してっ……お願いっ……しますっ……」とも言ってみたが、
 「メイちゃん、うるさいよ。」と取り付く島もない。

 『うるさいよ』と言われたので頑張って声を抑えてみる。
 それでも車の振動にあわせて「んっ……ふうっ……んっ、んっ……」と喘ぎ声が出てしまう。

 アキちゃんは酷い、と思う。何かするとすぐに『お仕置きね。』と言うし、酷いことをいっぱいしてくる。
 そりゃ『バカ』とも言いたくなる。お仕置きされるから言えないけど。
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