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第3話 ずっと前から好きでした
「リンネ、何をするんだ! 一体!」
混乱しつつも、僕は思考を巡らせた。
タイチがリンネを刺客として送り込んだ?
ギルドをクビにされた僕が、復讐しに来るのを防ぐために。
それとも、『永遠の回復補助』を解除したことが悟られたのか?
……だとしても、
さっき、リンネは僕の名前を呼んだ。
暗殺者の仕事はターゲットを静かに始末することだ。
もちろん気付かれない様に。
なのに、リンネは……僕の名前を呼んだ。
僕に会いに来ただけなのか。
目の前の黒装束の美少女は、僕をじっと見つめたままだ。
会議室の時と同じ様に。
「ユウタ」
「何?」
「別のギルドに入るのか?」
リンネはいつも口数が少ない。
常に冷静沈着だった。
だが、今、そんな彼女の声は微かに震えていた。
そして、無表情だが頬が紅潮している。
「うん。僕には目的が必要なんだ」
そう。
僕はある日、あの出来事がキッカケでそう決めたんだ。
リンネが頭を下げる。
「すまん。力になれなくて」
彼女の黒い瞳は涙で潤んでいた。
僕はこう返した。
「ありがとう」
今までリンネとはまともに話したことは無かった。
彼女は僕より二歳年下だ。
僕は16歳で、彼女は14歳。
周囲からは、幼いカップルの拙い恋愛に見えたかもしれない。
皮肉にも、ギルドから離れたことで僕は彼女の気持ちを知ることが出来た。
だけど、僕は恋愛をする気は無い。
「私をフレンドリストに登録してくれ」
「分かった」
ギルドをクビになった僕は、ギルドの皆と通信が出来なくなった。
つまり、ギルドリストから僕の名前は消えた。
だから、連絡を取ることは出来ない。
だけど、今、リンネと僕はお互いのフレンドリストに、それぞれの名前を登録した。
これで二人は離れていてもやり取りが出来る。
今後、何かと好都合かもしれない。
「じゃ」
リンネは音も無く去って行った。
『永遠の回復補助』は彼女からも解除されたはずだ。
そのことに僕はちょっと後悔した。
◇
『トラ猫協同組合』
木製の看板には墨でそう書かれていた。
「我がギルドに入会したいと?」
僕の目の前には茶色地に黒い縞が入った猫がいる。
猫と言うのは正確ではない。
二本足で直立し、服を着て、振る舞う姿は人間とも言える。
猫人間。
この世界に何人(匹)かいる亜人類。
まさか亜人類のギルドを訪問してしまうとは。
「はい。とりあえず、小所帯のギルドでやって行きたいと考えています。そちらのギルドは借りてる部屋の規模から僕の望む通りだと思ったので」
このギルドの所属メンバーは5人。
『鉄騎同盟』よりも少ない。
小さいギルドの方が、僕のことを分かってもらえるような気がした。
何より、亜人類達に僕は自分に近い何かを感じていた。
つづく
混乱しつつも、僕は思考を巡らせた。
タイチがリンネを刺客として送り込んだ?
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それとも、『永遠の回復補助』を解除したことが悟られたのか?
……だとしても、
さっき、リンネは僕の名前を呼んだ。
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もちろん気付かれない様に。
なのに、リンネは……僕の名前を呼んだ。
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「別のギルドに入るのか?」
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そして、無表情だが頬が紅潮している。
「うん。僕には目的が必要なんだ」
そう。
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リンネが頭を下げる。
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「ありがとう」
今までリンネとはまともに話したことは無かった。
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だけど、僕は恋愛をする気は無い。
「私をフレンドリストに登録してくれ」
「分かった」
ギルドをクビになった僕は、ギルドの皆と通信が出来なくなった。
つまり、ギルドリストから僕の名前は消えた。
だから、連絡を取ることは出来ない。
だけど、今、リンネと僕はお互いのフレンドリストに、それぞれの名前を登録した。
これで二人は離れていてもやり取りが出来る。
今後、何かと好都合かもしれない。
「じゃ」
リンネは音も無く去って行った。
『永遠の回復補助』は彼女からも解除されたはずだ。
そのことに僕はちょっと後悔した。
◇
『トラ猫協同組合』
木製の看板には墨でそう書かれていた。
「我がギルドに入会したいと?」
僕の目の前には茶色地に黒い縞が入った猫がいる。
猫と言うのは正確ではない。
二本足で直立し、服を着て、振る舞う姿は人間とも言える。
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何より、亜人類達に僕は自分に近い何かを感じていた。
つづく
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