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番外編

番外篇 ライオンの旦那 後篇

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ライオンのエルと触れ合う事数日。
俺はいつの間にか怖いという認識は、失われつつあった。
そればかりか、ついエルの尻尾を目が探してしまう程だ。先のふさふさがたまに俺と遊んでくれるのが、気に入っている。

何だか無邪気に追いかけたくなるんだよ、あれ。

その日は突然にきた。
何と言うか。最近ご無沙汰だった。
大統領補佐官の補佐はなかなか大変だが、最近思う様に動ける様になった。
だから。余裕がでてきたのだ。

身体と気持ちに。
エルが欲しいな、という感情が滲み出てきた。
そう言う日は決まって、エルが俺の周りをくっ付いて回る。
頭を撫でて来たり、首を撫でてきたり。
腰を抱いたり、じっと見つめてきたり。
キスはしないのに、他の事をしてくる。

まるで、俺の発情を促してるみたいに。

それに4日耐え抜いて、俺は2日の休みをもらった。適当に有給を入れたら気を利かせてくれた誰かが、俺に2連休をくれた様だ。心当たりが多くて誰かはわからないけどな。

だから、その日の夜。俺は少しだけ準備をした。
エルがいつ帰ってきても良いように。
いつでも、俺に触れるように。

「んふ…っ」

エルの大きい手は何時も俺のナカを丹念に撫で回す。指2本で広げる様にしながら、気持ちいい所をぐりぐり刺激してくれる。

でも。俺の指じゃ全然届かなくて、凄く寂しい。
もぞ、と布団から出る。
後ろがだめならせめて。ここで気持ちよくなりたい。

そろり、と手を伸ばす。

しゅ、しゅ、と慰めていく。

ーーあぁでももし。
今、エルが扉を開けたなら。俺が何をしているかは一目瞭然だろうな。それはとても恥ずかしいけど。とても…とても興味がある。

ライオンは雌の発情によって、誘発される。
つまり、俺がいやらしく高ぶれば高ぶるほど。
エルの余裕が無くなって、俺たちはまた一歩夫婦になるのかも知れない。

夫の本当の本気を知りたいと、思うだろっ、?

「ぁ、あ…える、える…はやくかえってこいよぉ。」

俺の高ぶりはその日、異常だった。
それもそっか。4日も焦れて今は旦那が俺の痴態を見てくれるのを期待している自分がいる。

一度、精を吐いても。後ろが余計に疼いて、またいたずらに慰めると前を触りたくなって。
結局、俺の身体はぐずぐずになってしまった。
そこへ、待ち侘びたノックの音が聞こえてきた。

「トキ…、どうかし、た」

エルは見事に俺の嬉しい反応を示してくれた。
何時も体にピッタリ沿ったスーツを着ているくせに。そう言う表情をされると、俺はとびっきり悪い女にでもなった気分だ。

「エルムディン…来いよ。」

「あぁ。すぐに。」

せっかくのスーツが台無しだ。
バサバサ脱いでせっかくのジャケットが、床に落とされた。これでしわしわになっちまう。
でも、いい気味だ。

何時も何時も俺よりエルに触って、エルをカッコよく飾り立てる。それが気に食わなかったんだ。

「あふ…ふぅ…っ」

キスは乱暴だった。
俺の息も、俺の唾液も、舌も全部。
エルの大きなくちに飲み込まれた。

「トキ…随分と良い具合だな。」

くちゅ、と音がして。
俺は喘ぐ声を我慢できなかった。
前の先の方をグチュッと握られて、気持ちいいし。
もう片方の手は後ろに回って、俺の尻たぶをなぞるとナカにゆっくりと入ってきた。

探るように入って来たのに。
柔く溶けているのが分かると、エルの何時もの指がイイトコロに触れた。

「あぁ…イイっ。」
「可哀想に。自分では此処まで届かないのか?」
「ぅん、むりだった。」
「そうか。ほら…まだココが解れていない。」

ぐちゅぐちゅと音がして、エルはまだ溶けきっていない奥を刺激する。
それだけで、腰がピクピク跳ねて前がまた熱くなって来た。

「此処をよく解さないと、私のモノは入らないが…今は余裕がない。トキ…酷くするが許さなくていい。あとでうんと優しくする。」

ーーーだから、いいか。

そう金色の瞳を熱くして聞いてきた。

「良いに決まってる。はやく…こいよ」

ギシッとベッドが揺れて、エルがネクタイを引き抜いた。シャツが透けるほどに汗をかいている。

「ん、ふふ。かっこいいなエル。」
「これ以上みっともない所は見せたくないんだがな。」

そう言って俺のナカに入ってきたモノは、火傷しそうなほどに熱かった。
それと、窮屈で。
それなのに俺の身体は、好きな男の熱をへきゅむきゅむと吸い付いて離れようとしない。

「んうく…ぅっ、うぅ。」
「辛いか?」
「少し。でも、はやくしろよ。あんたが奥まで来ないと、俺、寂しいんだ。」

はやく俺の奥を溶かして、はやく。
あんたで満たして欲しい。

「かわいいおねだりだが…ほら、トキアキ。ここをあけるんだ。ここの奥をあけなさい。」

ズンズンと小さくエルが腰を進めてくる。
最奥へと続く入り口のそこをあけなさい、とエルが言う。

俺は頑張った。
ベットに寝そべったまま腰を浮かして、奥へエルを受け入れた。
自分で腰を振るなんて、はしたないけど我慢できない。

「んふ、あ…あっ、あ。」

「上手…だ、少し開いてきた。」

「んんぅ、まだぁ?」

「まだだ。」

「もぅ…ぃゃだぁ。我慢できなぃいっ。」

俺の我慢は限界点を振り切った。

「お、っと。」

大胆にも俺はエルをナカで抱いたまま押し倒した。もう我慢はできない。
俺はエルに跨って、そのまま更に奥へ。

ズプンっと入ったとき、俺の視界は真っ白になった。これが欲しかったんだ。
俺の隅から隅までがエルのものになって、俺はそれが嬉しくて身体中を震わせてイッた。

「ぁああーまってエルぅ、まてってぇ。」

せっかく俺を慮ってくれたのに、一人で気持ちよくなった罰が下された。
嬉しくて気持ちいいハジメテの罰だ。

「Grrr…」

「ひぅ…っ、らいおんのエルだ、ぁ、あ…ああぅ!」

そう。人型をやめたエルが俺の身体をひっくり返して、俺はいまハジメテ…エルと交尾をしている。

いつもとは違うカタチ。
違う硬さが今、俺のナカにいる。
顔の両端に逞しい前足が有って、俺の尻は人肌ではない感触とぶつかり合っている。

ハッハッと、獣の息遣いがする。
興奮しすぎて分からなくなった頃、更に俺は狂わされた。

「あぅ…っ、そこそこはだめだぁ、ぁあ…あ。」


首の後ろを、ガブガブ。エルが甘噛みしたのだ。
俺はだめだと言ったのに、それでもエルは止めてくれなかった。
そこだけは止めて欲しかった。

なんか、俺が俺じゃなくなるみたいだった。

全身をゾワゾワとした快感か恐怖か判別が付かないモノが駆け巡る。
それなのに、俺は最奥まで犯されてもう。
このままじゃ孕んじまうんじゃないかと、思った。

それを喘ぎ紛れに言うと、エルが笑って更に激しく抽送を繰り返す。

「俺の子を孕むなら、何度でもお前に子種を注いでやるぞっ。」

俺は気持ちよくて返事もできなかった。

「子供は何人いてもいい。お前が寂しくないように、笑って子供に囲まれる姿が見たいんだ。トキアキ…お前何人子供が欲しい。何回、俺の子を孕んでくれる?」

「ふ、ふぅ…っ、なんにん、でもっ、」


俺は何人でもあんたの子を産むよ。
何回だって。
この、魂が滲むような行為をしよう、エルムディン。

でも、たまには人肌で抱き合いたいな。
ーーー首噛まれると変になっちまうから。
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