佐野ペースに流されないで!頑張れ小桜くん!
田舎から都会の高校へと転校してきた小桜樹は、過去のいじめの経験から人と壁を作り、平穏な高校生活を送りたいと願っていた。しかし、その願いは、初日から現れたクラスの中心人物・佐野翔太によって、あっけなく打ち砕かれる。
デカくてピアスだらけ、見るからに陽キャで強引な佐野は、人目も気にせず樹に絡みつき、あっという間に「佐野ペース」に巻き込んでいく。はじめは「面倒くさい」としか思わなかった佐野の、時に見せる不器用な優しさに、樹の閉ざされた心は少しずつ変化していく。
そんなある日、佐野が抱える「帰りたくない」という切実な秘密に触れた樹は、彼を自宅に招き入れる。温かな小桜家の食卓で、初めて見せる佐野の無防備な笑顔に心を奪われる樹。そして、彼の口からこぼれた「男が台所に立つなんて、父さんに知られたらぶん殴られるかも」という言葉は、佐野の抱える深い闇を露呈させるのだった。
佐野の居場所になりたいと願う樹の横顔を、静かに見つめる者がいた。愛する兄を「悪い人」から守ろうとする、もう一人の家族――弟の律。優しい笑顔の裏に隠された律の底知れない独占欲が、二人の関係に不穏な影を落としていく。
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