悪役令嬢はゴシップをたれ流す
母親が難産で亡くなり父と兄は、マリーゼを甘やかして育てた。
しかし母親の実家から付いてきた侍女達は、マリーゼを生んだせいで母ヴァネッサが亡くなった恨みを抱いていた。
「奥様はマリーゼ様を生んだせいで亡くなったんですよ」
「ヴァネッサ様が亡くなって、旦那様と坊っちゃんがどれほど悲しまれたか」
侍女達は日々、マリーゼに辛くあたった。
マリーゼは自分に意地悪をする侍女や使用人を次から次にクビにするが、それが男爵領に広まり我が儘令嬢と噂されるよになる。
屈折して育ったマリーゼは、令嬢とは思えない行動に出る。
日々、街中を歩きネタを探しては暴露記事を書きお金を稼ぎ捲っていたのだ。
そんなマリーゼを面白く思っていない謎の人物が現れる。
ライバル誌のホットラブ暴露記事の記者である。
マリーゼの記事の批判から始まり、誘拐事件にも関わっている疑いがあるが、証拠がつかめない。
しかしそんな悪役令嬢として嫌われるマリーゼにも、味方がいた。
学生の身でありながら、金髪碧眼、ハンサムな男爵領の実業家の顔を持つ兄のヨーク卿。
そして黒髪を1本でしばる美形なマーティンは、伯爵の身分でありながらヨーク卿とは名前で呼び合う親しい友人。
マリーゼを嫌う令嬢達の罠にはまるマリーゼを救う人は現れるのか。