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S3-面子ー

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犯罪組織・アンフェア
そのリーダーであるガルバリウムは頭を抱えた
信じられない報告だったからだ

あのラバルト、そしてアジャが命令を果たせず
さらには現在はラディウス王国にて捕まっていると

部下から話を聞くと信じられない事に
魔法を使える少女が2人
さらにはアジャを圧倒する謎の女性もいるという

信じられない
だが、現実に起きてしまったのだ


この一件により組織アンフェアの株はガタ落ちだ
依頼も果たせず
恐らく情報も漏れているだろう

その証拠に前アジトには騎士団が来ていたのだ

慌ててアジトを変えたおかげで助かった


組織の面子のためにも確実にこの依頼を果たさなければならない

ガルバリウムは指示を出した

「ルクスリアを連れてこい、大事な話がある」




暫く時間が経ち
ルクスリアがやって来る


「なにか用かね?私の依頼も果たせないのなら前金も返してもらいたいのだが」

ガルバリウムは首を振り、指を二本立てた

「二倍だ、報酬を二倍にしろ…そして前金をもっとよこせ」

「気でも狂ったか?ガルバリウムよ!依頼を失敗して更に金だと?」

「狂っていないさ、相手の戦力が高すぎる…聞いてない」

「は、ふざけろ…前金を返してもらおうか」

「まて、お前も俺も崖っぷちだ、わかるか?件の少女が生きていればお前はいつか告発されて牢に入ることになる」

「…………」

「だが、今、金を渡してくれれば人員を集め、確実に潰せる戦力を集められる…………やるしかないんだルクスリアよ」

「アテはあるのだろうな」

「もちろんだ…………相手はやり手の魔法使いなら、こちらは賢者を呼ぶさ、それに兵隊も集めれば百は超える」

「…………わかった、金は言い値を払う」

「交渉成立だな、すでに屋敷はわかっている…兵隊を集め、万全の準備をして叩く」

ガルバリウムはニヤリと笑みを浮かべる
組織の面子を復活させるためにもこの依頼を確実に成功させてみせる

そのためには


あいつが必要だ






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

老人は届いた手紙を読み
そして燃やした


「ガルバリウムめ、つまらん魔法使いごときに手間取りおって」


老人の名前はグラッジ
全ての魔法を極め、人々に伝え、かつては賢者とあがめられた者

アリサが魔法を学んだ魔術教本
それを書いた人物でもあった

だが今では金に目がくらんだ老人だ
いかに賢者といえど
巨額の富を目にすれば心が汚れる
金を積まれれば汚いことは全て行った

ガルバリウムは昔なじみ
だからこそこの依頼を受けたのだ

(魔法使いの少女……手間取ることはないだろう)




賢者・グラッジはそう確信した
そして、転移により犯罪組織・アンフェアへと合流したのだった


準備が始まった



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