【完結】もう我慢できないので婚約破棄してください!!逃げ出した先の伯爵家に愛されすぎてます

なか

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18話ー友達だからー

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アリサに初めて会った時
私はアリサが天才だと思った

私なんかよりよっぽど天才で、魔法も使える

けど、違うんだね



あんたは苦しんで、辛くて
そこから逃げ出したくて魔法を使ってたんだ


そんなあんたに、魔法を学ぶため…なんて打算的に友達になろうなんて

後悔してるよ


私、もう全部受け止める覚悟できてるから

あんたの悩みも苦しみも全部受け止めるからさ


もう抱え込まないで、全部打ち明けてね


待ってるから


はやく戻ってきなさいよ
友達が


あんたが大好きな私が待ってるんだからさ
あんまり待たせないでよ




「待ってるからね、アリサ」


呟きながらルルは前に進む
先には大勢の賊達が武器を構えていた
けど、不思議と怖くはない

「おい、おい、衛兵が出てくるかと思ったら…女か」

「結構いい女だな、今回の仕事の後に楽しませてもらおうぜ」

「いいな、けどこの人数じゃ壊れちまうかもな」

好き勝手言って……
今の私は…怒りでどうにかなりそうだ
あんたらみたいなクズにアリサが狙われているなんて、優しいあの子が

気にいらない!!


ルルは指先を小さく動かすと、前方にいた数人の賊達が炎に包まれた

「がぁぁぁ!!」「あ!あづぅうういい!!」

「な、なにをしやがった」


ルルの表情は冷たい
その真っ赤な髪とは裏腹に冷酷な瞳で賊達を睨みつける


「私の友達は絶対に!お前らなんかに渡さない!!!」

燃えるような怒りと共に魔法を放つ
それは火の魔法の最上級の魔法

大きな火柱が賊達を焼き尽くしていく
怒りで溢れた魔法はその勢いを失わずに大きく燃え上がった





ルルは、出産の日にアリサに言われた言葉を思い出した



ールル、暫く皆さんをお願いします。ー


「やってやるわよ!!だって私は…あんたの………」


「友達だから!!」



ルルはその魔力を全て放ち、屋敷の北側に炎の壁を作り出した


そこにいたのは紛れもなく
自称ではなく


大天才魔法使いのルル・マリアンヌであった












ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


犯罪組織のリーダーのガルバリウムは焦っていた
百人の仲間を集めての急襲

だが、予想外のアジャの参戦

さらに厄介な事にこの屋敷の衛兵達の士気が高く練度も高い
賊達が屋敷に向かっているが、まるで歯が立たずに返り討ちだ

そして今しがた、屋敷の北側から
ありえないほどの火炎の火柱が上がった

警戒すべきはアジャを倒した女性だと思っていたが、誤解していた

けど、まだ間に合う
アジャさえ突破できれば正面から屋敷に侵入できる


ガルバリウムは自身が剣を手に取り、アジャへと向かった


「よぉ、アジャ」

「!?……………う、うぅぅ……」

さっきとは変わり
アジャは怯えたように後ずさる

それも無理はない
ガルバリウムはかつて
アジャに拷問をし、恐怖を植え付けて操っていたのだ

(ラバルトは飯を与えて友好を深めていたようだが、馬鹿馬鹿しい…知性のない怪物は力で抑えるべきだ)

「そこをどけ、わかるよな?」

「うぅぅ…ダメ、アジャは……守る…」

「そうか、じゃあもうここで死ね!」



ガルバリウムは剣を振り上げ
怯えたアジャへと振り抜いた


だが、その剣は鉄の音と共に受け止められる



「アジャくん、助太刀にきたよ…こう見えて剣は得意でね」

そこにいたのはこの屋敷の主のハウルだった
ガルバリウムの剣を弾き
さらに達人のような連撃を繰り出した

「くっ…化け物ばかりか!」

「化け物はお前たちだ、少女を殺すためだけにこの腐った者共を集めるなど」


ハウルの連撃がガルバリウムへと届いた

「万死に値する」

「がぁぁ!!」


血を流しながら、ガルバリウムは仲間達の方を見る


「おい!お前ら、手を貸せ………………!?」



視線の先、仲間の賊達は何故か仲間同士で争っている
それもここだけではない
屋敷を囲っていた全ての賊達が仲間同士で

「旦那!待たせたな!!」

ラバルトはそう言ってハウルの元に戻ってきた


「これは、君が?」

「へへ、俺の精神魔法で頭をちょいとね、旦那達が引きつけてくれたおかげさ」

得意げに笑うラバルト


ガルバリウムは絶望した

犯罪組織・アンフェアの総力が……壊滅的に追い込まれている

仲間同士で争い
東西を衛兵達に完全に圧倒されて

北は魔法使いに全滅に追い込まれて………


ガルバリウムはその現実が受け入れられないまま
ハウルに切り刻まれた傷によって
地面に倒れた


















「ふむ、状況はよくないか……だが、これでよいか…報酬は独り占めできそうだ」


賢者・グラッジはこの状況下でも
冷静に見ていたのだった








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