今宵の瞳

【■■■】はかつて、愛する人を失った。

愛する者は瞳がとても綺麗だった。感情によって色がゆらゆら変わっていくのが美しかった。

だが、愛する人は高熱によって、その綺麗な瞳を、視力を失ってしまった。

灰色の世界を映し出される瞳に嫌気がさし、愛する人は命を絶った。

愛する者の死が、【■■■】を【目を奪う者】へと変えていった。

【目を奪う者】は愛する人のように、瞳を失ってしまった人々を愛する人と同じように失いたくない。

この世に存在する【悪】を、自分なりの方法で排除していく。それが【目を奪う者】の責務。

愛する人のために、瞳を失った者たちのために。


――今宵も瞳を狩りに行く。
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