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「そんなことがあるはずないだろう。
そりゃあ、確かに昔の僕はエレナのことを愛していた。
だけど、今、僕が愛してるのはアニエスだけだ。
エレナだってきっとそうだろう。
彼女にもきっともう大切な家族が出来ているはずだ。
あれからもう何十年もの時が流れたんだからな。」
ミカエルはそう言って、何かを思い出すかのように遠くをみつめた。
「アニエスは瀕死の僕を救ってくれた。
献身的に尽くしてくれた。
いまや彼女の存在は、僕にとってかけがえのない大切なものだ。
誰とも比べられるものじゃない。
ローラン…僕がエレナに会いたいのは……彼女に謝りたいからなんだ。
僕は、彼女にとても酷いことをしてしまった……
酷いことをしたのは彼女だけじゃないけれど、とにかくまずは彼女に謝りたい!
いや、そうしなきゃいけないんだ!
エレナの絵が僕の記憶をよみがえらせてくれたのも、きっと意味のあることだと思うんだ。」
「そうだったんだ…そういうことなら、僕も協力するよ。
ねぇ、父さん…でも、母さんに内緒にしたのはなぜなんだい?」
「それは、母さんに心配をかけたくないからだ。
母さんは、その……けっこう焼き餅焼きで……」
ローランは、その言葉に大きく頷いた。
「確かにそうだね。
母さんは、昔から父さんのことが大好きでたまらない人だもんね。」
「こら、親をからかうもんじゃない。
それにな、実際のところは僕の方が彼女に夢中なんだぞ。」
「息子に向かってよくそんなにのろけられるね。」
ローランは大げさな口調でそう言って、苦笑する。
「そのうち、エレナにもお前達を紹介するよ。」
少年のような笑顔を浮かべるミカエルは、エレナの家の場所をローランに伝えた。
そりゃあ、確かに昔の僕はエレナのことを愛していた。
だけど、今、僕が愛してるのはアニエスだけだ。
エレナだってきっとそうだろう。
彼女にもきっともう大切な家族が出来ているはずだ。
あれからもう何十年もの時が流れたんだからな。」
ミカエルはそう言って、何かを思い出すかのように遠くをみつめた。
「アニエスは瀕死の僕を救ってくれた。
献身的に尽くしてくれた。
いまや彼女の存在は、僕にとってかけがえのない大切なものだ。
誰とも比べられるものじゃない。
ローラン…僕がエレナに会いたいのは……彼女に謝りたいからなんだ。
僕は、彼女にとても酷いことをしてしまった……
酷いことをしたのは彼女だけじゃないけれど、とにかくまずは彼女に謝りたい!
いや、そうしなきゃいけないんだ!
エレナの絵が僕の記憶をよみがえらせてくれたのも、きっと意味のあることだと思うんだ。」
「そうだったんだ…そういうことなら、僕も協力するよ。
ねぇ、父さん…でも、母さんに内緒にしたのはなぜなんだい?」
「それは、母さんに心配をかけたくないからだ。
母さんは、その……けっこう焼き餅焼きで……」
ローランは、その言葉に大きく頷いた。
「確かにそうだね。
母さんは、昔から父さんのことが大好きでたまらない人だもんね。」
「こら、親をからかうもんじゃない。
それにな、実際のところは僕の方が彼女に夢中なんだぞ。」
「息子に向かってよくそんなにのろけられるね。」
ローランは大げさな口調でそう言って、苦笑する。
「そのうち、エレナにもお前達を紹介するよ。」
少年のような笑顔を浮かべるミカエルは、エレナの家の場所をローランに伝えた。
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