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本編
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しおりを挟む冬の季節がもうすぐ終わる。
日差しは暖かさを増して、風はどこか優しく駆け抜けていく。
カーテンをしていない窓からは、朝の日差しも昼の日差しも、夕暮れの柔らかな橙色も夜の闇も見える。
ぼくが目を覚ましたときに目に入る窓の向こうの空の色をなんとなく確認してた。
レイとアベルの婚姻式から、何日が経ったんだろう。
本当に、レイとアベルしかいない。
夜は多分眠れてる。
意識を落とすように眠ってるせいか、いつ眠りについているのかよくわからない。
お腹がすいたなぁって思えば、レイが食事を持ってきてくれる。
ぼくはほとんどベッドから降りない。
身の回りのことは全部レイとアベルがしてくれた。
ベッドから降りるのは、お風呂に入るときだけ。
トイレにもいかない。お尻には一日一回必ず洗浄剤が入れられる。おしっこは……、多分、抱かれてる時に漏らしちゃってるんだと思う……。恥ずかしいけど。
目が覚めて、時々二人がいないことがある。
王太子と王太子妃だから、それぞれに仕事があって、大抵はどちらかは部屋に残っているんだけど、どうしても二人で行かなきゃならないこともあるらしい。
そんなときはぼくのお尻に張型が入れられてる。子種が漏れ落ちないように、だって。
今もそんな時間。
ベッドはサラサラしてる。ぼくの体もサラサラしてる。
「ん……」
ごろごろしてたら、お尻の中の張型が、ぼくが感じてしまう場所に触れた。
そしたら、おなかの奥がきゅんってなる。
下腹部の花籠を撫でてみた。たったそれだけでお尻の中の方が反応して、張型をきゅっと締めた。
花籠の花は二つ咲いた。真っ赤に色づいた花。ピンク色の花は、あと五つ。
ぼくの魔力が多くて、二人からの愛情を受け取っていて、ぼくも二人のことを愛しているから表れた花籠。
レイの見立てでは、ぼくは子供を宿しやすくて育みやすいんだって。
でも、ぼくが何か嫌なことを思ったり、嫌なことをされたり、二人じゃない他の誰かに辱められたりしたら、この花籠は枯れて落ちるんじゃないか、って言ってた。
……流石にそれを実証する手立てはないけどね、って。
花籠持ちが産めるのは、多くて二人って言われてる。
ぼくは、何人、産めるんだろう。
太陽の位置が上に行ったとき、アベルが帰ってきた。
アベルは部屋に入るなり少しひらひらした服を脱いで、それを適当な場所に置いて全裸になってしまう。
……アベルの裸に、ぼくの中が大変なことになる。
「ごめんね。遅くなった。ただいま、セレス」
「ん、んっ、おか、えり、アベル」
挨拶と同時にちゅ、ちゅ、ってキスを繰り返されて、はふはふってしてたら、アベルがベッドに座った。
「もう少ししたらレイが昼食を持ってくるからね」
「んっ」
ベッドに座ったアベルの肉茎に口をつけた。
あの日初めて教えられた口淫は嫌いじゃない。
アベルの肉茎はすぐに硬く太くなった。
口の中いっぱい使って、唾液を絡ませて舌を絡ませる。
その間にアベルがお尻の張型を引き抜いたから、ぼくのお尻の中からぼたぼたと液が漏れ落ちた。
「愛液いっぱいだね。お腹すいた?」
「すい、たぁっ、ほしいっ、アベル…っ」
「ん。僕も挿れたい」
肉茎から顔を離されて、笑ったアベルに舌を絡めるキスをされた。
それから、アベルの上に背中を向けて座って、お尻の中にアベルの肉茎を入れていく。
「あ…、あ…、あ…」
「あー……っ、セレスの中欲しがってる」
「あべる、あべる、うご、いてっ、おく、おく、ついてっ」
「いいよ。たくさんあげるからね…!」
「ひゃんんんっ」
ぬりゅ…って、その場所にアベルの肉茎が入り込んだ。その途端、ぼくはイっていて、陰茎からぴゅるぴゅる白濁が飛ぶ。
ぼくが揺さぶられてる時、レイがトレイを持って帰ってきた。でもぼくはそれどころじゃなくて、「おかえり」って言ってあげられない。
「今日の公務終わり?」
「ああ。最愛と部屋に籠もると宣言してきた」
「嘘じゃないのが素晴らしいね…っ」
「きゃあああんんっっ」
腰を突き上げられて、目の前に星が飛んだ。
はくはく…って息をついていたら、レイの唇がぼくの唇に触れてくる。
そのまま塞がれて、流し込まれたのは冷たい果実水。
下からアベルに突き上げられながら、コクコクとそれを飲んだ。
「セレス、大丈夫か…?」
「……あ、……あ、だい、じょぶ、じゃ、ない…っ、きも、ちいいっ」
「アベル、ちょっと待て。食事にしよう」
「ん」
じわ…っと熱いものがぼくの中に広がった。
ぼくの中で吐精したアベルは、抜くことなく後ろからぼくを抱きしめてる。
「セレス、口を開けて」
「んぅ」
アベルの指に乳首を引っ張られながら、口を開ける。そしたらレイが小さめにちぎったパンを入れてくれた。
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