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幼馴染み二人と僕の15歳の試練

33 罰

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「さてと。無茶をしたラルフィンには、やっぱりお咎めなしというわけには行かないと思うんだよ。王国史に残る偉業だったとしてもね」

 今まで黙ってたディーリッヒさんが、くすっと笑いながらそんなことを言った。

「お咎め……」
「「偉業……」」

 僕たちは同時に呟いたけど、ディーとエルとは別のところで衝撃を受けたみたい。

「僕、偉業とかって関係ないよ?」

 って、二人を見たら、なんだか微妙な顔された。神殿長さんとディーリッヒさんは、にこにこしてる。

「……これだからフィーは……」
「私達、置いてかれちゃうね……」

 意味分かんない呟きはいいよ。
 それより、僕にとって結構大変なことだと思うんだよ。お咎め、って。

「あの……もしかして、僕、また低位からやり直しとか、………神官、やめなきゃならないとか……ですか?」

 折角、中位神官になれたのに、たった数日でやめなきゃならないとか、悲しすぎる。……けど、僕が悪いんだから、受け入れないと。毎日毎日、女神さまに祈って、許してもらおう。

「ラルフィンは神官をやめたいのかい?」

 神殿長さんの言葉に、頭を横に振った。思い切り。……ちょっと、めまいしたのは、内緒。

「やめたくないです。……でも、お咎め、って……」
「ラルフィンへのお咎め……与える罰は、降格でも神官位の剥奪でもないよ」
「えと……?」

 ディーリッヒさんが、僕の頭を撫でた。

「明日は秋の三の月の一の日だ」
「あ……」

 そっか。
 明日、一日中、二人と一緒にいられる日だ。

「それで、神殿長とも相談したんだが、ラルフィンに与える罰は、明日から三日間、神殿への立入禁止だ」
「え?」
「三日と言っても、三の日の夜には戻ってきていい。今日は無理をしないように恋人たちに見張っててもらおうか。明日の朝から、三の日の夜までは、神殿への立入禁止だよ。……わかったかい?」

 暫く、ぽかんと、神殿長さんと、ディーリッヒさんを見てしまった。

「君たちもわかったかな?ディオルグ君、エルフィード君。今日は、ここでラルフィンの監視。それから、明日から三の日の夜まで、ラルフィンが神殿に戻らないように傍で見張っていてほしいんだ」

 神殿長さんの言葉に、ディーとエルは一瞬顔を見合わせて、すぐに頷いた。

「「任せてください」」

 ……それは、もう、自信、満々に。

「神殿長さん、ディーリッヒさん、待って。それ、ただの、きゅ」

 休暇……っていいかけた僕の口は、ディーとエルの手で塞がれた。

「それじゃあ、頼むよ。私達も忙しいから、同じ神殿にいてもラルフィンが無茶をしないか見ておくことはできないんだ。特に目が覚めたばかりだから、彼もまだ混乱してるだろうし。偶々とは言え、恋人である君たちが引き受けてくれて嬉しい限りだ」

 神殿長さんは、にこにこと。

「おはようと言ってももう夜だから。後で夕食を届けるよ。ラルフィン、明日の朝まで外に出てはだめだよ?」

 ディーリッヒさんも、満足そうに。

「あの」

 言いかけた言葉は、また、二人に阻まれて。

「それじゃあ、頼んだね」
「「はい」」

 神殿長さんとディーリッヒさんは、二人で部屋を出ていった。

「罰という名の休暇をもらえたな」
「お泊りだね、フィー」

 二人が喜んでいるから、まあ……いい、のかな?


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