ストレージ――格納スキル持ち騎士が裏社会の帝王になるまで

「外交特権で手が出せない!? でもヤツは俺の目の前で女の子を……!」

 王国の騎士団員として人々を守っているロビン・ベイツは耳を疑った。
彼の目の前で傷つけられ一生歩けなくなった亜人族の少女。
だがその犯人は特権で保護されている隣国の王族だった。
そればかりか国家間のイザコザを恐れた上層部に、スケープゴートとして
騎士団からも追放されてしまうロビン。

誇りも、正義も、怒りの矛先さえ奪われて絶望する彼に、一人の少女が取引を持ちかける。
彼女――マーシャは王国最大級の犯罪組織『ボーダーライン』の暗殺者だった。

「あたしの組織に協力するなら、犯人を確実に有罪に出来る証拠を渡せる。
……もしあなたの格納能力――『ストレージ』を使わせてくれるなら」

 それはもう明るい道を歩けなくなる悪魔の取引――
だが彼には迷いなどなかった。使えるものは何でも使って正義を果たす。例えそれが犯罪組織でも……。

 あらゆるモノ、情報、そして人間までをも精神世界の金庫に格納できる『ストレージ』で犯罪組織に手を貸すこととなるロビン。
「あなたが組織の大事な資産を守る箱。そしてあたしはそれを守る武器。ベッドでもトイレでもお風呂でも、24時間あなたを敵から守るの」
相棒となったマーシャと共に、自分なりの正義を果たそうとするロビン。


 だがそうすることで、彼は図らずも裏社会で強大な権力を身につけていくことに――
24h.ポイント 7pt
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