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寒くなってきたね
しおりを挟む☆冬の寒さが厳しさを増す少し前の休日──
「啓吾、朔、おはよ。ねぇ、八千代あそこで何してるの? なんか····機嫌悪くない?」
「はよ~。あれねぇ、暖炉に薪突っ込んでんの。不機嫌っつぅか、寒いつって震えてたよ」
「おはよう、結人。さっきまで莉久も居たぞ。寒すぎるつって風呂入りに行った」
「えー····。そんなに寒いかな?」
「アイツら極端に寒がりだかんな。俺そんなに寒くねぇよ。むしろ、この部屋ちょっと暑くねぇ?」
「ちょっとな。まだ人の熱気でどうにかなるレベルの気温だな。暖炉に火入れんのはまだ早ぇだろ」
「ガキは元気でいいな。充分寒ぃだろ」
「あ、八千代。おはよ── わぁっ····」
「はよ。寒ぃから腕ん中に居ろ」
「え、暑····。暖炉、火つけれたの?」
「余裕だわ。莉久ができねぇっつぅからつけてやってんのに、アイツさっさと風呂行きやがってよぉ」
「八千代も入ってきたら?」
「ンならお前も来い」
「えー、僕お腹空いた。先に朝ご飯食べたい」
「入ってる間に啓吾が作んだろ。なぁ?」
「え~っ、俺も結人と入りた~い」
「なら、俺が作ってやるから皆で入ってこい。朝からうるせぇ」
「あっはは。さっくん寝起き不機嫌すぎ~」
「朔、いいの?」
「あぁ。結人がキスしてくれたら頑張れる」
「もう····しょうがないなぁ」
(ちゅっ♡)
「ん。よく温まってこいよ」
「朔は後で一緒に入ろうね」
「あぁ、抱き潰したあとでな。今日は俺が入れてやるから、そのまま一緒に寝ような」
「さっくん朝イチから何言ってんの? つぅか結人やっぱすげぇな。朔の機嫌なおせんの結人だけだもんね」
「んへへ。僕だけだねぇ」
「おい、蕩けてねぇでさっさと風呂行くぞ。寒ぃ」
「あっ、待ってよぉ! ····もう、八千代とりっくんは寒がりすぎだよ」
「苦手なもんはしゃーねぇだろ。お前があったけぇから問題ねぇけどな」
「僕カイロじゃないからね」
「あ? 一生俺のカイロやってろ。絶対離さねぇからな」
「んでどうせ莉久と取り合いすんだろ? めんどくせ~」
「あはは、めんどくせ~」
「んなら家中エアコン効く仕様に改造すんぞ」
「改造ってお前なぁ····、なんで初めっからしなかったんだよ」
「朔が『四季を感じれる方が結人も喜ぶだろ』つって突っぱねたんだよ」
「「あぁ····」」
「朔っぽいな」
「ね。中庭があるから、充分四季は感じれるのにね」
「まぁ、いつでもできるように設計頼んどいたから、あとは機械入れるだけなんだけどよ」
「うへぇ~、さっすが~」
「本格的に寒くなる前にやんねぇと、家中あちこちでヤレねぇもんな」
「あ~、結人が寒がんのは良くねぇな」
「え····? あぁ! そんな事別に気にしなくていいのに」
「ンな事じゃねぇだろ。お前の事なんだから重要だわ」
「も、ばかぁ····。ほら、さっさとお風呂行くよ!」
「お、さっさと風呂でヤろうぜ~」
「やらないよ! 温まりに行くんでしょ」
「ヤッたらもっと温まんじゃん」
「····僕が逆上せないように気をつけてよね」
「そこは自分で気ぃつけろよ」
「何言ってんだよ、結人だぜ? トロットロになったら分かんなくなるもんなー♡」
「むぅ····そうだよ。僕、ふわふわしたらワケ分かんなくなっちゃうんだから、程々にしてベッドに連れてってよね!」
「んはっ♡ かーわい~」
「可愛いけどよぅ、朔が飯作ってんだろ。食わねぇのかよ」
「ハッ····そうだったね! 早くお風呂入ってご飯食べよう。ほら、そんなゆっくり歩いてないで行くよ!」
「やっぱ食欲が優先なのねぇ」
「まぁ、結人らしいんじゃねぇの? 飯食えねぇくらい風呂で抱き潰してやっけど」
「うはっ、場野くん怖~い」
「るせぇ。お前もその気なんだろうが」
「まぁね~」
「ねぇ、2人ともなにコソコソ話してるの? 置いてっちゃうよ」
「へいへーい。置いてかないで~」
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