聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま

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フェンリルがもふもふでチート

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「あ、え、待って、やだ、待って」

無理に起こされた獣の眼は霧の中で青く濁っている。
無我夢中で走って逃げるけど、それでも狼ほどの大きさの獣の脚力に私が勝てるわけもない。

「やばい、前に回り込まれたしいつの間にか囲まれた……」

気が付けば前方に回り込んださっきの個体の他に右に3匹、左に2匹。
後ろを見た瞬間に絶対死ぬから見れないけど、多分後ろにもいる。

「狼って確か集団で狩りをするんだっけ。これは死ぬわ、いや、これ狼じゃないかも知れないけど」

しびれを切らした左側の個体が動くのを合図に全員で襲い掛かってきて――私は細切れにはならなかった。

「あ、れ――?」

目の前に綺麗なもふもふが見える。
神様の使いってこんな感じのもふもふなのもいたっけ?

「ずいぶんと呼ぶのが遅いぞ。主よ」
「あれ?フェンリル?私、死んだ?」

よく見れば目の前には私が追放される原因になったフェンリルだった。
その先にはさっきまで青く濁った眼を向けていた狼みたいな獣たちが、綺麗にみんなのびていた。
え、この一瞬で全部伸ばしたの?
フェンリル強くない?

にしてもあんなにお腹出して無防備だと、さっきの獣もわんころみたい。
あんなに怖かったのに今はちょっとお腹もふりたいかも。

「ほら、主よ早く我の背中に乗れ。小屋まで行くぞ」

私がもふりたいとかそんなことを考えていると、フェンリルが背中に乗るよう催促してきた。

「え、あ、はい」

なんか色々突っ込みたいことあるけど、とりあえず小屋に行けるのか。
なら着いた後に聞けばいいや。
1人じゃなくなったらなんだかすごく肩の力が抜けて安心しちゃった。
私が召喚したフェンリルなら危ないことはないだろうし。

軽く車位の大きさはあるフェンリルの背中はもふもふで気持ちよかった。
ただ高さがあるのでよじ登るのが大変。
とりあえず今は無事小屋に着けるまで、このもふもふにしがみついていよう。
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