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サバゲー大会初日!
03
しおりを挟む「ヒーロ、遊んでないで支度をしろ」
「Oh! sorryネー!」
ザックを下ろして、そこからてきぱきと装備を身につけていく。もう何百回と繰り返しているのだろう、ほとんどよそ見しながらも、パッドなどの装備を付ける位置が毎回変わらない。
「リカちん髪の毛ちょっと出てるねー」
「あ。ありがとうございます」
そんな具合に周りの事をよく見ている。
「Wow! やーまスカーフ新しいのだネー!」
「はい! 昨日買っちゃいました!」
音羽よりかは背が高い、といっても平均よりは小さいやまが、嬉しそうに新しいスカーフをぴらぴら動かした。
一番最後に用意を始めたはずの尋は、いつの間にか用意を終えて、メンバーの面倒を見ていた。
「フー先輩、装備そっちなんですか?」
フーの装備は、いつものマントや長い狙撃銃がない、黒一色でカービンと拳銃だけだった。
「市街戦で、あの装備はデメリットだからな。ゲームを取りにいくなら、こっちで行かせてもらう」
「フーさん本気デスネー」
尋が茶化すと、冷たい目を向けてから、鼻を鳴らした。
「お前たちが本気でやるなら、フーも本気を出すさ」
「Oho! very coolネー!」
「あなたも本気出しなさいよ。出し惜しみなんてしたら、ありったけ恥ずかしいことでもしてもらうわ」
軽い顰蹙を買った尋は、少しだけ苦い笑みを浮かべて、周囲を見渡した。
「みんな準備できタネー? それじゃ簡単にブリーフィングするヨー」
丁度全員準備を終えた。尋は手を叩いて、机の前に立つ。それから机を前にして、全員が顔を合わせた。
「何回も言ってマスケドネー、今日は4チームplayネー。たまチャンとウチがアルファ。フーとおとチャンがブラボー。リカちんとあんこ、やーまはチャーリー。ゆきちゃんとあおいん、こーちゃんとみっちんはデルタ。ほかの子は待機でおねがいネー」
「了解です」
「あーい」
「スケジュールは私が説明するわ。アルファは前進。敵正面を牽制。チャーリーとデルタは両翼から動きをつぶして」
ふんふんと頷きながら、尋は腕組みした。きっと今頭の中で猛烈な速さで、頭の中でゲームを実践しているのだろう。
「ブラボーは中堅。アルファの後ろで敵の情報集めて頂戴」
「はい!」
「わかった」
「OK? scheduleはそんくらいにしておこーヨー。ガチガチに固めても、相手はしろ……、サバゲーマーネー。どう動くか完全には予想できないヨー」
「ええ。全員、装備は持った? 忘れ物はない? 準備が万全なら声を上げなさい」
珠希の掛け声に、全員エアソフトを掲げ、
「ohoo,yheeee!」
「ohoo,yheeee!」
「ohoo,yheeee!」
叫んだ。気合は十分。
「それじゃ行くヨー」
セーフティから降りて、フィールドに入る。ゲーム開始の一分前なので、敵チームも動いているはずだ。
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