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ケイコ
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メイクするのが年配の女性だったことに一抹の不安を感じていた智だったが、すぐにそれが杞憂だったことに気づいた。
すごいスピードでベースを作り、あっという間に化粧を施していくと、ものの数分で完成させた。
「はい、出来上がり。
どうかな?」
女性はニコッとして鏡に写る智に視線を合わせて言った。
「ありがとうございます。
嬉しいです。」
智は心ここにあらずといった感じで返事した。
化粧してウィッグを被せてもらった自分の顔があまりにも美しく、そして
やはり母にそっくりだった。
全てが完成した後は、別室に移り
誰もいない部屋で大鏡に全身をスマホで撮影したりしてすごす智だったが、興奮気味に何度も鏡の前に立った。
そんな智の気分が一気に醒める事態が30分後に発生することになる。
今まで1人きりでリラックスしていた部屋に別の客が現れたのである。
「こんにちは。」
入ってきたのは自分と同じ女装者で、年は見たところ8~10才ほど上と思われた。
「あ、こんにちは・・」
智が戸惑いながら挨拶すると、その女装者はニコッと笑い
向かい側に腰かけた。
「ワタシ、ケイコっていうの。
よろしくね。
っていうか
初めてお会いするわよね?」
「あ、はい。
今日初めて来ましたので・・
えっと、智っていいます
よろしくお願い致します。」
ついつい本名を名乗ってしまった智だったが、男性でも女性でも通用する名前なので、それでいいと思って言った。
「そうなの。
それにしてもトモちゃん、あなたすごく可愛いわね。
本当に女の子だって言っても誰も疑わないと思うわ。」
「いえ、そんなことないです。
化粧も自分で出来ないですし、本当に初心者なんで・・」
智が顔を真っ赤にして否定すると、ケイコはまた笑った。
年は自分より上でもケイコのメイク、ファッションはかなり洗練されており
自分とは比べ物にならないと、智に衝撃を与えた。
智を可愛いと言ったが、ケイコもすごく美人で見とれてしまう。
徐々に智の緊張も解れ、女装するきっかけになった話や、自分の経歴などをケイコに話した。
対するケイコも自分の事を色々智に話し、大いに盛り上がった。
「へえ、すごいですね。
じゃあ、ケイコさんはフルタイムで女性の格好しているんですね。」
「女装歴だけは長いからね。」
「すごくキレイですし、憧れちゃいます。」
「トモちゃんに言われると少し複雑な気持ちになるけど、素直に誉められたと思っておくわ
ありがとう。」
ケイコは目鼻立ちがはっきりしていて
智とはまた別のタイプの顔をしていたが、美人には違いなかった。
「ワタシも最初はメイクとか全然出来なくて、ここでよく指導を受けたわ。
今はなんとか一人で出来るけど
仲のいい人達に会ったり、買い物する目的で
今でもよく利用させてもらってるのよ。」
「そうだったんですか。」
智はそう言いつつ、さっきから気になってる事があった。
ケイコは胸元が大きく開いた服を着ていたのだが、胸の谷間が智の視線を釘付けにしていた。
つまり、ケイコには乳房があるのだ。
初心者の智にとって、それがとても不思議で
気になって仕方がなかった。
「ケイコさん
あの、こんなこと聞いていいかわかんないんですけど、
その胸どうされたんですか?
ひょっとしてシリコンか何か入れて豊胸なされてるんですか?」
智がストレートに疑問をぶつけると
ケイコはまた微笑んで首を横に振った。
すごいスピードでベースを作り、あっという間に化粧を施していくと、ものの数分で完成させた。
「はい、出来上がり。
どうかな?」
女性はニコッとして鏡に写る智に視線を合わせて言った。
「ありがとうございます。
嬉しいです。」
智は心ここにあらずといった感じで返事した。
化粧してウィッグを被せてもらった自分の顔があまりにも美しく、そして
やはり母にそっくりだった。
全てが完成した後は、別室に移り
誰もいない部屋で大鏡に全身をスマホで撮影したりしてすごす智だったが、興奮気味に何度も鏡の前に立った。
そんな智の気分が一気に醒める事態が30分後に発生することになる。
今まで1人きりでリラックスしていた部屋に別の客が現れたのである。
「こんにちは。」
入ってきたのは自分と同じ女装者で、年は見たところ8~10才ほど上と思われた。
「あ、こんにちは・・」
智が戸惑いながら挨拶すると、その女装者はニコッと笑い
向かい側に腰かけた。
「ワタシ、ケイコっていうの。
よろしくね。
っていうか
初めてお会いするわよね?」
「あ、はい。
今日初めて来ましたので・・
えっと、智っていいます
よろしくお願い致します。」
ついつい本名を名乗ってしまった智だったが、男性でも女性でも通用する名前なので、それでいいと思って言った。
「そうなの。
それにしてもトモちゃん、あなたすごく可愛いわね。
本当に女の子だって言っても誰も疑わないと思うわ。」
「いえ、そんなことないです。
化粧も自分で出来ないですし、本当に初心者なんで・・」
智が顔を真っ赤にして否定すると、ケイコはまた笑った。
年は自分より上でもケイコのメイク、ファッションはかなり洗練されており
自分とは比べ物にならないと、智に衝撃を与えた。
智を可愛いと言ったが、ケイコもすごく美人で見とれてしまう。
徐々に智の緊張も解れ、女装するきっかけになった話や、自分の経歴などをケイコに話した。
対するケイコも自分の事を色々智に話し、大いに盛り上がった。
「へえ、すごいですね。
じゃあ、ケイコさんはフルタイムで女性の格好しているんですね。」
「女装歴だけは長いからね。」
「すごくキレイですし、憧れちゃいます。」
「トモちゃんに言われると少し複雑な気持ちになるけど、素直に誉められたと思っておくわ
ありがとう。」
ケイコは目鼻立ちがはっきりしていて
智とはまた別のタイプの顔をしていたが、美人には違いなかった。
「ワタシも最初はメイクとか全然出来なくて、ここでよく指導を受けたわ。
今はなんとか一人で出来るけど
仲のいい人達に会ったり、買い物する目的で
今でもよく利用させてもらってるのよ。」
「そうだったんですか。」
智はそう言いつつ、さっきから気になってる事があった。
ケイコは胸元が大きく開いた服を着ていたのだが、胸の谷間が智の視線を釘付けにしていた。
つまり、ケイコには乳房があるのだ。
初心者の智にとって、それがとても不思議で
気になって仕方がなかった。
「ケイコさん
あの、こんなこと聞いていいかわかんないんですけど、
その胸どうされたんですか?
ひょっとしてシリコンか何か入れて豊胸なされてるんですか?」
智がストレートに疑問をぶつけると
ケイコはまた微笑んで首を横に振った。
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