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feast

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いつもの仲間に、和俊と悠花が加わった事で、黒田以外は大いに盛り上がった。

特に村瀬は大はしゃぎで、記者会見形式で質問を浴びせ続けた。

「それでは、後藤さんに質問します。
智さんを好きになったきっかけは?」

「はい。
僕は大学を卒業し、東京で就職をしたんですが、大きなミスをした事で、立ち直れず、会社を辞めて地元に戻ってきたんです。」

「知ってまーす。なんか噂では聞いてました。」

「で、たまたま地元に帰ってきてたトモとバッタリ会って‥
なんというか励ましてもらって、もう一度頑張る力を貰えた事が、好きになったきっかけでした。」

「なんか、いい話じゃないの。

ウチみたいに、なんとなく付き合って、なんとなく結婚みたいな中途半端な感じではないのね。」

「なんとなくって!
ちゃんとプロポーズしたわ!」

山村は悠花の言葉に激昂した。

「まだ質問があります。
智さんの好きなところを挙げて下さい。」

「はい。
先ずは可愛いところです。すっぴんでもキレイなのには驚きました。
それから優しいところ。
僕にとって、トモは天使なんです。

あとは、程よく男の部分も残ってて、ここ一番の決断力とか、なんか男前なところがあって、惚れてしまいますね。」

「ごちそうさまでした。

どうか、末永くお幸せに。」

和俊があまりにもマジに答えるので、村瀬の質問タイムはすぅーっと終了してしまい、もう和俊への関心はゼロとなった。



「ところでさあ、吉岡

お前、今何の仕事してんの?
前のとこは辞めたんだよね。」  

「うん、辞めたよ。

今は食堂でパートとして働いてる。

で、たまに、AV女優、あっ、AVニューハーフ女優として活動もしてたんだけど、カズにプロポーズされたから、それも辞めちゃった。」

「AVも出てんの?」

ようやく、黒田の目に光が戻った。

「色々あってね。」

「何て名前で?」

「ワタシ?
本名で出てるよ‥トモで。」

黒田は慌ててスマホを取り出し、AVサイトを検索すると

「あ、ホントだ!
めっちゃリリースされてるやん!」

と、興奮気味に言った。

「激太りのやつ見てみて」

「えっ、これ吉岡なの?」

「そうよ。そのときは100キロあったし」

「いやっ、スゲーな

俺、全部ダウンロードするわ」

「毎度ありがとうございます」

智は黒田に向かって笑って答えた。


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