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休日のすごし方

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遊園地に入ると、莉愛は最初からテンションが高めで
色んなアトラクションを片っ端から体験した。

そして、とにかくいっぱい写真を撮った。

一見すると、仲睦まじい親子三人が写ってるように見える…

伊東はキャップにサングラスと、少し怪しげな姿をしていたが、万が一同じクラスの人と会った時のことを考えての対策だった。

はしゃぐ莉愛の後を伊東と二人で歩きながら、智は幸せと不安を同時に感じていた。

最愛の娘と大好きな男性と三人ですごせる喜び

いつかどこかで必ず訪れるであろう困難に対する恐怖



「トモちゃん、どうしたの?」


「ううん。なんでもないわ」


「僕は、こういうの体験したいなあって思ってたんだよね。

奥さんと子供と三人で遊園地行って、みたいな。」


「でも、あっちゃんは、普通の女性とお付き合いしたら、いつでもそんな夢叶うと思うし…

ワタシとしてはすごく申し訳ないなあって。」


「そんな事言うなよ。

僕が心から愛する人とこうして一緒にすごせるのはこの上ない幸せだし、莉愛ちゃんだって可愛くて仕方ないんだ。」


「あっちゃん…」


「じゃないと教師なんてやってないよ。」

伊東は屈託のない笑みを浮かべて、智の手をギュッと握った。


「あ、先生とママ、手繋いでるぅ!」

たまたま振り返った莉愛が目ざとく見つけ、二人を囃し立てた。


伊東は苦笑いして手を離し、智もバツの悪い顔をしてぎこちなく笑った。


夕方まで散々遊んだ三人は、遊園地を出た後、帰り道でファミリーレストランに寄り、食事をし、最後は伊東が智と莉愛を自宅前まで送り届けて帰っていった。


家に着くと、智は朝干しておいた洗濯物を取り込み、お風呂を沸かして、すぐに莉愛をお風呂に入れた。


「莉愛、今日は疲れたね。
早く寝よ」


「うん、ママ

でもすごく楽しかった。」

「それはよかったね」

莉愛はまだ興奮冷めやらぬ様子で体を洗ってくれている智に振り返って話しかけた。


「ママ」


「ん?」


「伊東先生の事好きなの?」


「えっ、なんで?」


「なんか、ママ、先生といる時すごく楽しそうだったもん。」


「えーっ、そう?」


「そうだよー

でも、莉愛も伊東先生の事好きだから、ママと結婚しても別にかまわないよ」

莉愛は冷やかすでも真剣でもない、ごく普通の口調で智に言った。

智は少し顔が赤くなったような自覚があったが、風呂の熱気なのか何なのか、実際のところはよくわからなかった。
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