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closing time

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明け方まで濃厚なセックスを繰り返した美智香と真弥だったが、さすがにどっと疲労が出て、知らぬ間に二人共爆睡してしまった。

ようやく目を覚ましたのは、若くて体力のある真弥の方だった。

「あっ」

ベッドにはめ込まれたデジタル時計を見て、思わず声を出すと、美智香も目を覚ました。


「もう9時半だ」

美智香が寝惚け眼で

「チェックアウト何時までいけるの?」

と、聞くと

「11時だと思う」

と、真弥が答えた。

真弥自身は朝起きて、たっぷりと美智香を愛そうと考えていたが、セックスが激しすぎて、体力に自信のある真弥さえも深い眠りに陥らせた。

美智香にいたっては、激しい疲労感が全身を襲い、朝にする事自体が無理な話であったが…

身支度を整え、帰る準備をする時間を考えると、もう愛し合う時間は残されていない。
美智香はその支度自体が真弥の何倍もの時間を要するのだから。

真弥は諦め、代わりに朝の目覚めのディープキスを美智香にした。


キスくらいの体力は美智香にも十分残っており、真弥に呼応したのだった。


二人でまたお風呂に入ると、真弥は素早く帰る準備をしたが、美智香は髪を乾かしたり、化粧をしたりと、真弥の何倍も時間がかかり、全てを終えた時にはチェックアウト時間の15分前になっていた。

二人は、すっかり日が高くなり人通りもある中で、ホテルから手を繋いで出てきた。

帰り道の途中にあるファーストフード店で朝昼兼用の食事をし、正午過ぎに駅に着いた。

ようやく、ここで解散する事になったのだが、体の関係が出来て、さらに絆が深まった二人は、別れるのを惜しみ、駅前広場の片隅で向かい合ったまま話を続けていた。


「みっちゃん、昨日、今日と本当にありがとう。
もう最高だったよ。」

「私も。
夢みたいなひとときだった」

「フフッ
みっちゃんだって大げさじゃん」

「そんな事ないよぉ
真弥君よりはマシだって」

二人は声を出して笑いながら言い合った。


「みっちゃん、今度の休みの日、また早い時間から会いたいんだけど」

「うん、いいよ」

「どこか行きたいところある?」

真弥は美智香に体目当てで会っていると思われたくなかったので、次の土曜日は、二人で何処かに行くのもアリだと考えて、そういう風に発言したのだった。

しかし、美智香は、少し躊躇した様子だったが


「えっと、また真弥君とエッチしたい」

と、顔を真っ赤にして小さな声で言った。

「えっ、いいの!?」

我が意を得た真弥は、食い気味に美智香に確認した。


「あの、真弥君
よかったら、の話なんだけど

ホテル代とかすごく高いし…

えっと、ウチに来ない?」

と、美智香は言った。

先ほど、チェックアウトする時に支払った額もバカにならず、真弥は美智香が出すという申し出を断って、全て自分で払っていた。

こんな事を続けていたら、新入社員でまだまだ給料の少ない真弥は、破産してしまう。

それを憂慮した美智香の提案であり、希望であった。


「みっちゃんさえ良ければ、僕は喜んで行かせてもらうよ。

めっちゃ嬉しい」

真弥は人目も憚らず、美智香をギュッと抱きしめた。
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