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横恋慕
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「ご主人は知らないと思いますが、美智香さんは驚くほど仕事が出来て、そして何よりも仕事を愛していました。
しかし、私の不誠実な行動で、その大好きだった仕事を彼女から奪う形にしてしまいましたが。
私はあなたから美智香さんを取り上げようとか、そういう考えは毛頭ないんです。
二人で幸せに暮らして欲しいと思っています。
ただ、仕事については、自分自身責任を感じていて、美智香さんにはもう一度華々しい活躍をして欲しいと、心から思っているんです。
わかってもらえますか?」
「いえ、わかりませんね。
妻からはそのような話は聞いていません。
逆に二度と戻りたくないという話は何度も聞きました。」
「ほう…
美智香さん、それは本心からかな?」
「本心に決まってるじゃない!
仕事に未練なんてこれっぽっちもないわ!」
「おかしいなあ。
僕と君が最初にいた会社の元同僚から聞いたんだけど、君は会社を辞めてからずっと、悔しくて泣き通していたそうじゃないか。
人ってそんなに簡単に変われるものなんだろうか。」
「変われるわ。
人生において、本当に大切なものを見つける事が出来たんだもの。
そんな浅薄な価値観なんて一気に吹き飛んだわ。」
「果たしてそうかな。
悪いとは思いつつ、君の行方を興信所を使って調べさせたんだけど、君は僕以外の男を知らずに生きてきたから、若いこの男性と付き合うようになって、相当舞い上がってしまったんじゃないかな?
僕も写真を見てびっくりしたんだが、路上で人目も憚らずキスをしたり、大人のおもちゃを装着して外に出てみたり…
四十を越えた女のする事じゃないよ。
君は今、単に若い男との色恋に狂ってしまってるだけなんだ。
男ってものは元来、本能的に若い女を求めてしまうものなんだ。
母性を求めて一時的に年上の女に惹かれる者も稀にはいるだろうが、そんなものは長続きしないに決まっている。
きっと、将来的にはその関係は破綻して後悔の日々を送る事だろう。」
「後悔?するわけないじゃない!
私がどう生きようとあなたの知った事じゃないでしょう」
「ご主人もそうなんですか?」
「僕は妻を心から愛しています。
その思いが昂じてしまい、外でキスしたりしたのは軽率だったかもしれません。
ですが、妻とは心が通じていると信じています。
つまり、妻が嫌がることはすぐにわかりますし、そう思っているのがわかったなら決してしません。
妻も僕と同じ考え、気持ちでいてくれるのがわかっているからこそ、外でそういうことが出来るんです。
佐藤さん、僕から言える事は一つだけです。
妻はあなたと仕事をする事に1ミリの関心も持っていません。
それだけははっきりとわかります。」
真弥の言葉に、さっきまで余裕を持って聞いていた達也の表情がみるみる引き攣っていくのがわかった。
しかし、私の不誠実な行動で、その大好きだった仕事を彼女から奪う形にしてしまいましたが。
私はあなたから美智香さんを取り上げようとか、そういう考えは毛頭ないんです。
二人で幸せに暮らして欲しいと思っています。
ただ、仕事については、自分自身責任を感じていて、美智香さんにはもう一度華々しい活躍をして欲しいと、心から思っているんです。
わかってもらえますか?」
「いえ、わかりませんね。
妻からはそのような話は聞いていません。
逆に二度と戻りたくないという話は何度も聞きました。」
「ほう…
美智香さん、それは本心からかな?」
「本心に決まってるじゃない!
仕事に未練なんてこれっぽっちもないわ!」
「おかしいなあ。
僕と君が最初にいた会社の元同僚から聞いたんだけど、君は会社を辞めてからずっと、悔しくて泣き通していたそうじゃないか。
人ってそんなに簡単に変われるものなんだろうか。」
「変われるわ。
人生において、本当に大切なものを見つける事が出来たんだもの。
そんな浅薄な価値観なんて一気に吹き飛んだわ。」
「果たしてそうかな。
悪いとは思いつつ、君の行方を興信所を使って調べさせたんだけど、君は僕以外の男を知らずに生きてきたから、若いこの男性と付き合うようになって、相当舞い上がってしまったんじゃないかな?
僕も写真を見てびっくりしたんだが、路上で人目も憚らずキスをしたり、大人のおもちゃを装着して外に出てみたり…
四十を越えた女のする事じゃないよ。
君は今、単に若い男との色恋に狂ってしまってるだけなんだ。
男ってものは元来、本能的に若い女を求めてしまうものなんだ。
母性を求めて一時的に年上の女に惹かれる者も稀にはいるだろうが、そんなものは長続きしないに決まっている。
きっと、将来的にはその関係は破綻して後悔の日々を送る事だろう。」
「後悔?するわけないじゃない!
私がどう生きようとあなたの知った事じゃないでしょう」
「ご主人もそうなんですか?」
「僕は妻を心から愛しています。
その思いが昂じてしまい、外でキスしたりしたのは軽率だったかもしれません。
ですが、妻とは心が通じていると信じています。
つまり、妻が嫌がることはすぐにわかりますし、そう思っているのがわかったなら決してしません。
妻も僕と同じ考え、気持ちでいてくれるのがわかっているからこそ、外でそういうことが出来るんです。
佐藤さん、僕から言える事は一つだけです。
妻はあなたと仕事をする事に1ミリの関心も持っていません。
それだけははっきりとわかります。」
真弥の言葉に、さっきまで余裕を持って聞いていた達也の表情がみるみる引き攣っていくのがわかった。
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