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第三章
33.愛の言葉
さくらは髪を綺麗に整えてもらうと、すぐに部屋から飛び出し、ノアの部屋に向かった。ノアもまだ眠りから覚めなていないし、さくら自身も安静にしなくてはいけないと、ルノーと医者に止められたが、とてもじっとしてはいられなかった。
「寝ているお顔を見るだけです。すぐに戻ってきますから」
そう言って、無理やり部屋から出てきた。
ノアはベッドの上で眠っていた。さくらが部屋に入ると、ノア付きの侍女たちは、さくらに一礼し、部屋から出て行った。
さくらはノアの傍に近寄り、顔を覗き込んだ。規則正しい寝息にホッとし、傍にある椅子に腰かけた。さくらはノアの手そっと握った。その手にはしっかりと指輪がはめてある。さくらは涙が出てきた。
さくらはノアの額にキスをすると、手を握ったまま暫くノアを見つめていた。
☆彡
「・・・ん?・・」
いつの間にかノアのベッドに顔を伏せて眠っていたようだ。さくらは慌てて体を起こすと、そっとノアの手を離そうとした。しかし、その手はしっかりさくらの手を握っていた。
「え・・・?」
驚いてさくらはノアを見ると、ノアはゆっくりと目を開けてさくらを見た。
「陛下・・・!」
さくらの目から一気に涙が溢れてきた。ノアはゆっくりと上半身を起こすと、しっかりとさくらを見据えた。
「お前が・・・、さくらが無事でよかった・・・。でも・・・」
ノアは片手で、短く揃えたさくらの髪をすくうと、
「髪を・・・、すまない・・・」
苦しそうに呟いた。さくらはブンブンと顔を横に振った。そしてノアの左手を両手でしっかりと握ると、ノアをじっと見つめた。ノアはそんなさくらを愛おしそうに見つめ返すと、さくらの頬に手を添えた。
「どうして・・・、どうして、指輪を外さなかったのですか・・・?」
さくらの問いに、ノアは黙ってさくらの涙を親指で拭った。
「・・・外していたら、こんな目に会わないで済んだかもしれないのに・・・。それに・・・、二度と人間に戻れないってわかっていたのに、何で?何でドラゴンになったのですか・・・!」
さくらは責めるようにノアに聞いた。ノアが何度も涙を親指で拭っても、すぐに新しく溢れてくる。ノアには自分の為に涙を流すさくらの顔がとても美しく見えた。
「すまない。自分のエゴだ」
さくらの顔に見惚れながら、ノアは優しく呟いた。
「先王から譲られた王座は大切なものだ。そう簡単には渡せない」
ノアはさくらの涙を拭いながら、続けた。
「・・・それだけではない。国王の座は自分の意志で止めることができるが、『異世界の王妃』の呪縛は絶対に逃れられない。俺が国王の座を降りて自由の身になったとしても、さくら、お前を連れて行くことができないのだ。」
さくらはじっとノアの言葉に耳を傾けていた。ノアはさくらの頬に添えている手に少しだけ力を込めた。
「さくらの夫であり続けるには、俺は国王でなければならない。・・・俺は王座というより、お前を渡したくなかった・・・! 誰にも! どうなろうとも!」
ノアは真っ直ぐさくらを見つめた。その目には一切の迷いはなかった。ノアはさくらの手を両手でしっかり握ると、そのまま自分の唇に押し当てた。
「俺はお前以外いらない。生涯、妻はお前以外娶らない。だから、どうかもう一度俺を見てほしい」
ノアは顔を上げ、さくらの返事を待った。さくらは相変わらず泣いていたが、目は輝いていた。そして、ブンブンを何度も首を縦に振った。ノアはふっと笑うと、さくらの唇に口づけようと顔を近づけた。だが、さくらは急いで手を離すと、片手でノアの唇を塞いで、口づけを阻止した。
「!?」
ノアが目を丸めていると、さくらはまだ涙が渇かない顔で悪戯っぽっく笑った。
「まだ言ってないことがありますよ、陛下」
「言ってないこと・・・?」
さくらは微笑むと、
「言ってないことというより、『言って欲しいこと』です」
さくらは再びノアの手を両手で包んで、じっとノアを見つめた。
「陛下の私に対する気持ちです。私はその言葉が聞きたい。・・・それが聞けたら、私、その言葉を信じて、一生陛下について行きます」
熱いさくらの眼差しにノアの鼓動が一気に高まった。さくらへの好意は態度でいくらでも示してきたが、肝心な言葉にして伝えたことはなかった。気恥ずかしくて口にできなかったのが正直なところだ。ノアは頬と耳が熱くなっていくのが分かった。こんなに動揺する自分は珍しい。脈がどんどん速くなっていく気がする。
(でも、さくらが望むなら・・・)
ノアは意を決して、さくらを見つめた。少し首を傾げて切なげに自分を見つめているさくらの愛らしさに、ますます動悸が早まった。ノアはそれ抗うようにさくらの手を強く握りしめた。
「さくら・・・。俺はお前のことが好きだ。お前を愛している。心か・・ら・・」
さくらの唇で口をふさがれ、最後まで言葉を紡げなかった。さくらはゆっくりノアから唇を離すと、にっこりとほほ笑んだ。
「陛下。私も愛しています、誰よりも。世界で一番好き!」
そう言うとノアに抱きついた。ノアはしっかりと受け止め、きつく抱きしめた。肩の傷の痛みなど気にならなかった。そして、さくらの耳元に唇を寄せると、愛しているとささやいた。今まで溜めていた思いをすべて伝えるかのように、何度も何度もさくらが求めていた言葉を囁いた
「寝ているお顔を見るだけです。すぐに戻ってきますから」
そう言って、無理やり部屋から出てきた。
ノアはベッドの上で眠っていた。さくらが部屋に入ると、ノア付きの侍女たちは、さくらに一礼し、部屋から出て行った。
さくらはノアの傍に近寄り、顔を覗き込んだ。規則正しい寝息にホッとし、傍にある椅子に腰かけた。さくらはノアの手そっと握った。その手にはしっかりと指輪がはめてある。さくらは涙が出てきた。
さくらはノアの額にキスをすると、手を握ったまま暫くノアを見つめていた。
☆彡
「・・・ん?・・」
いつの間にかノアのベッドに顔を伏せて眠っていたようだ。さくらは慌てて体を起こすと、そっとノアの手を離そうとした。しかし、その手はしっかりさくらの手を握っていた。
「え・・・?」
驚いてさくらはノアを見ると、ノアはゆっくりと目を開けてさくらを見た。
「陛下・・・!」
さくらの目から一気に涙が溢れてきた。ノアはゆっくりと上半身を起こすと、しっかりとさくらを見据えた。
「お前が・・・、さくらが無事でよかった・・・。でも・・・」
ノアは片手で、短く揃えたさくらの髪をすくうと、
「髪を・・・、すまない・・・」
苦しそうに呟いた。さくらはブンブンと顔を横に振った。そしてノアの左手を両手でしっかりと握ると、ノアをじっと見つめた。ノアはそんなさくらを愛おしそうに見つめ返すと、さくらの頬に手を添えた。
「どうして・・・、どうして、指輪を外さなかったのですか・・・?」
さくらの問いに、ノアは黙ってさくらの涙を親指で拭った。
「・・・外していたら、こんな目に会わないで済んだかもしれないのに・・・。それに・・・、二度と人間に戻れないってわかっていたのに、何で?何でドラゴンになったのですか・・・!」
さくらは責めるようにノアに聞いた。ノアが何度も涙を親指で拭っても、すぐに新しく溢れてくる。ノアには自分の為に涙を流すさくらの顔がとても美しく見えた。
「すまない。自分のエゴだ」
さくらの顔に見惚れながら、ノアは優しく呟いた。
「先王から譲られた王座は大切なものだ。そう簡単には渡せない」
ノアはさくらの涙を拭いながら、続けた。
「・・・それだけではない。国王の座は自分の意志で止めることができるが、『異世界の王妃』の呪縛は絶対に逃れられない。俺が国王の座を降りて自由の身になったとしても、さくら、お前を連れて行くことができないのだ。」
さくらはじっとノアの言葉に耳を傾けていた。ノアはさくらの頬に添えている手に少しだけ力を込めた。
「さくらの夫であり続けるには、俺は国王でなければならない。・・・俺は王座というより、お前を渡したくなかった・・・! 誰にも! どうなろうとも!」
ノアは真っ直ぐさくらを見つめた。その目には一切の迷いはなかった。ノアはさくらの手を両手でしっかり握ると、そのまま自分の唇に押し当てた。
「俺はお前以外いらない。生涯、妻はお前以外娶らない。だから、どうかもう一度俺を見てほしい」
ノアは顔を上げ、さくらの返事を待った。さくらは相変わらず泣いていたが、目は輝いていた。そして、ブンブンを何度も首を縦に振った。ノアはふっと笑うと、さくらの唇に口づけようと顔を近づけた。だが、さくらは急いで手を離すと、片手でノアの唇を塞いで、口づけを阻止した。
「!?」
ノアが目を丸めていると、さくらはまだ涙が渇かない顔で悪戯っぽっく笑った。
「まだ言ってないことがありますよ、陛下」
「言ってないこと・・・?」
さくらは微笑むと、
「言ってないことというより、『言って欲しいこと』です」
さくらは再びノアの手を両手で包んで、じっとノアを見つめた。
「陛下の私に対する気持ちです。私はその言葉が聞きたい。・・・それが聞けたら、私、その言葉を信じて、一生陛下について行きます」
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(でも、さくらが望むなら・・・)
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「さくら・・・。俺はお前のことが好きだ。お前を愛している。心か・・ら・・」
さくらの唇で口をふさがれ、最後まで言葉を紡げなかった。さくらはゆっくりノアから唇を離すと、にっこりとほほ笑んだ。
「陛下。私も愛しています、誰よりも。世界で一番好き!」
そう言うとノアに抱きついた。ノアはしっかりと受け止め、きつく抱きしめた。肩の傷の痛みなど気にならなかった。そして、さくらの耳元に唇を寄せると、愛しているとささやいた。今まで溜めていた思いをすべて伝えるかのように、何度も何度もさくらが求めていた言葉を囁いた
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