LAST TORTURE 〜魔界の拷問吏と捕虜勇者〜

3333(トリささみ)

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拷問0日目 〜プロローグ〜

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「…来たか。」

魔界の中心。魔王城。
最上階の自室で大窓からの景色を見下ろしていた魔王が、ふと後方に瞳を動かす。

「幹部からお呼びと聞き、馳せ参じました。
拷問吏のリーモンで御座います。」

リーモンは扉のそばで跪いて名乗る。

「うむ。早速だが貴様への依頼を説明する。
ついて来い。」

魔王に連れられるがまま移動した先は地下牢。
その最奥にある独房…の数歩手前で止められた。

「今、。少し待て。」

魔王が独房に入ると、中からガチャガチャと金属音が響く。

「もう良い。入れ。」

魔王の指示のもと入ると、一糸纏わぬ姿で拘束され吊り上げられた人間の青年と対面した。

「…これは。」

彼を目に入れた瞬間、リーモンは息を飲む。
齢は二十ほどであろうか。
筋骨逞しい肉体に相応しくない珠のような肌と、彫刻刀で彫られたような顔立ち。
そして何より、吸い込まれそうなほどに深い瞳の色。

「明日から貴様の拷問を担当するリーモンだ。名乗れ。」
「……」

青年はリーモンの顔面に唾を吐きかけた。

ーーーーーバキイッ!!

魔王が青年の顔面を殴る。

「名乗るまで何度でも殴るぞ。」
「……」

青年は魔王に唾を吐きかけた。

ーーーーードガアッ!!

鳩尾に膝が直撃し、青年は唸りとともに胃の内容物を漏らす。

「此奴はかつて先代の魔王を打ち倒した、伝説の勇者の息子だ。
愚かにも単独で我に戦いを挑んだところを、返り討ちにして生け捕った。」

魔王が青年の髪を乱暴に掴みあげると、彼は射殺さんとばかりに睨みつける。

「だが見ての通り強情な餓鬼でな。
これまで数々の高名な拷問吏に依頼をしたが、全く口を割らん。
そこで貴様の噂を耳にした。
曲者ばかりが揃う拷問吏の中でも特に風変わりだが、受けた依頼は必ず成功させる貴様の噂を。」
「勿体なきお言葉…」

リーモンは頭を深く下げる。

「貴様への依頼は単純だ。
此奴を拷問し、伝説の勇者とその一族の居所を自白させろ。」
「…飽く迄単なる質問なのですが、断ることは可能でしょうか?」
「これは願いではない。命令だ。
出来ないのならば命は無いと思え。」
「…左様で御座いますか。」

リーモンはそれだけ言ってかぶりを振る。

「我も幹部どもも、此奴には辟易させられておるのだ。
滅多なことを申すな。」
「それはそれは、大変失礼致しました。」
「だが、そのぶん褒美は手厚くする。
貴様が此奴を半月の間までに自白させることができれば、貴様の望むものを何でもひとつ叶えてみせよう。何を望む?」

リーモンは返答に詰まって押し黙る。

「……望み、ですか……」
「まあそれも成功させられればの話だ。
まずは拷問に専念せよ。」
「畏まりました。」
「さて、このくらいにしておこう。
拷問は明日から、朝の部と夕の部に分けて行ってもらう。
必要な道具や施設があるのならば、前日までに我がしもべどもに申しつけよ。」
「痛み入ります。」
「ふむ。ではついてこい。」

魔王に再び連れられた先で、リーモンはひとつの部屋に案内された。
先程の魔王の部屋と比べて狭いが、自宅に比べれば格段に広く、ベッドやラックなど生活に必要な家具が揃っている。

「彼奴の拷問をしている間、貴様にはこの部屋で生活してもらう。
風呂や手洗いは自由に使え。
食事は配給するし、望みがあるならしもべどもに申しつければ良い。
他にも必要なものがあれば言うがいい。」
「それはそれは、何から何までご配慮いただき恐縮です。」

リーモンが逃げ出さないよう城に閉じ込めるための待遇であることは、本人も承知の上である。

「ふむ。それでは我はこれで去ろう。
明日の朝、彼奴の拷問の時間に来る。」
「畏まりました。」

魔王が部屋から出て、ひとりになったリーモンは改めて周囲を見回す。
魔族の王の家だけあってやはり豪奢な内装をしており、そのどれもが最高級の品であることは窺い知れる。
次いで先程の伝説の勇者の息子を思い出す。
あの男…人間にしては珍しいほどに美しかった。
先代魔王を討った伝説の勇者となれば、一国の王女を娶るのも容易いことだろう。
更にあの鍛え抜かれた若く瑞々しい肉体。

(クックック…!!!)

今回の拷問は楽しめそうだ。
リーモンはこれからのことに想いを馳せながら、ベッドに乗って瞳を閉じた。
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