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65話 婚約者は愛妹の親友⁈

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今日のロズウェルは一味違った。

自室から出られるバルコニーに小躍りしながら出ると、外の手すりにもたれながら、鼻歌を歌って何かを太陽に透かしていた。

こんな気分がいいのは、ティアが出て行って以来だな

そう思いながら、ニコニコと透かしている物を宝物を見る目で眺めていた。

そう、それはもちろん、ティアからの手紙。

開封するのももったいなくて、太陽で中身を透かして眺めていた。

でも中身はやっぱり早く見たい。

少し勿体なさげに開封すると、中の手紙を取り出した。

ワクワクしながら目を通していくと…

徐々に目つきが険しくなる…

…なんだって⁈
フローラ嬢とティアが親友⁈

すぐ部屋の中に入り、バサっと手紙をデスクに置くと、慌ててフローラ嬢に関する母から預かった書類を探し出して目を通す。

ティアの親友だなんて、どんな子なんだ!
大丈夫なんだろうな…
悪影響を及ぼすような令嬢でなければいいが…

釣書の書類には、当たり前だが、特に悪いところは見当たらない。

もう一度、ティアの手紙を自分の解釈が間違えていないか確認のため手に取ると、一緒にまぎれて持ち上げてしまった封筒から、ヒラリともう一枚小さなメモが落ちてきた。



カーペットに落ちたメモを拾い上げると、内容を確かめる。

そこには

「フローラ嬢捜査済み。問題なし。いい子。ティア様の親友として合格。あとは顔合わせで実際にお確かめください。ラム」

と書かれていた。

「ラム…さすがだな。あの子を付けておいて正解だった…」

ロズウェルはほっとした。

しかしロズウェルは、それさえもティアのためのラムの工作だとは気づかない。

ラムの意図はティアの思いを汲んだものだ。

本来ティアは、今回の手紙でフローラの良いところを伝えたかったのだ。

しかしティアから直接伝えると逆効果なので、ラムなりにプレゼンしてやったというわけだ。

あとは、親友なんて言えば、もちろんティアのために大事にはするだろうが、心配のあまりに調査しようとしたり、疑いの眼差しで悪いところを探そうとするのはお見通しだ。

だから、こちらで調査は全て終わったから、安心して彼女をまっすぐな気持ちで見ろ、という意味でもあった。

こんな風にラムがロズウェルを手に取るようにわかるのは、

結局同じ穴のムジナだからに過ぎなかったが、

ラムは、自分はロズウェルとは別物と自負していた…

ティアにとって、力強い味方でもあり、まぁまぁ厄介な2人でもあった…
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