294 / 368
第十三章 迫る影
2 皆、ちょっと待って!
久しぶりに訪れたメッシーナ村が、目覚ましい変化をとげているのに、ショウは驚き喜んだ。
「子どもがいっぱいだねぇ!」
巨大なサンズやルカを怖がりもしないで、乗せて! と走り寄ってくる子ども達をエスメラルダは手慣れた様子でさばいていく。
「ジェレミー! レスリー! この子達を竜に乗せてあげて」
ウォンビン島から移住してきた青年とメッシーナ村の娘の若いカップルは、自分達の赤ちゃんを親に預けて、子ども達を竜に乗せて飛び立った。
「竜が足りないみたいだねぇ」
ウォンビン島の住人や、メッシーナ村の住人には竜騎士の素質を持つ人が多いのに、絆を結ぶ素質がある者しか竜騎士になれない現状をどうにかしなければとショウも考える。
「メッシーナ村では、前から竜を皆で共有していたから……でも、子ども達の中には絆の竜騎士になれそうな子も多いの」
ルカが子竜を持ちたがっているのを、エスメラルダは叶えてやりたいと思っていたが、その前に自分がショウ様と結婚しないと駄目なのだと頬を染める。ショウも頬を染めたエスメラルダと同じことを考えていたので、コホンと咳払いして、気恥ずかしい話題から逸らして、両親への挨拶へ向かった。
結婚式の準備の為に、メッシーナ村の女の人達が集まって忙がしくしていた。小さな可愛い女の子が、肩まで伸ばした茶色い髪をたなびかせて、集会場から駆け出してきた。
「お姉ちゃん!」
年の離れた妹のアレキサンドラを、エスメラルダは抱き上げて愛しそうに頬にキスをする。
「ショウ王太子、ようこそおいで下さいました」
メッシーナ村の村長になったヘインズが、妻と一緒に出迎えに出てきた。
「モリーが子竜を産んだと聞きました。見てもいいですか?」
ヘインズは挨拶が済むと、モリーと子竜に会いたいと言い出したショウを、竜バカですなぁと笑ったが、自身も子竜にメロメロなので上機嫌で案内をする。
「この子竜はメリルの?」
バッカス外務大臣のマリオンは、ここしばらくレイテを留守にしていないのだから、ちょくちょくイズマル島を訪れていた父上のメリルが交尾相手だろうと、ショウはまだまだ現役なんだと少し呆れる。
「ええ、ルカを産んでから、かなり間があきましたが、モリーに2頭目の子竜を持たせてやれて良かったです。ケイラと名づけたのですよ、ペリーにも子竜を持たせてやりたいのですが……」
ショウはサンズも子竜を持ちたいと、張り切っているので困ってしまう。
「今も竜騎士の素質がある子が多いので、竜が不足しそうだと、エスメと話していたのです。レイテに竜騎士の学校を開設しようと計画してますが、その前に竜を増やさないといけませんね」
エスメラルダとの結婚の為に訪れたショウ王太子と、ヘインズが部屋で効率的に竜を増やす計画を話していると、妹の結婚式の為に帰ってきたパトリック迄加わってああだこうだと大激論になる。
「竜の話ばかりだわ! エスメ、貴女の結婚式の準備は、あの人達抜きで進めなきゃいけないわ」
そう言ったものの、花嫁も竜バカなので、ルカにも子竜を持たせてやりたいと、部屋の中の話に気もそぞろな様子で、母親は仕方ないと肩を竦めて、女の人達と準備に取り掛かる。
「竜の血統は卵を産んだ方のみを重視しますが、それでも同じ組み合わせは避けたいですねぇ。特に、メリルとスローンは親子ですし……」
広間では女の人達が結婚式の準備に忙がしくしているが、ショウはヘインズとパトリックと簡単な血統書を書いて、相談の真っ最中だ。
「メッシーナ村の竜同士は避けたいです。これまで、かなり近親交尾を繰り返していますから」
ヘインズの騎竜モリーが、アスランの騎竜メリルと作ったケイラは、今までのメッシーナ村の竜より大きくなりそうだと皆が頷く。
「東南諸島の竜もメッシーナ村程ではありませんが、近親交尾を繰り返しています。私は出来るだけ新しい血を入れたいですね」
此処までは誰もが納得するのだが、それぞれの騎竜から子竜を産みたいとのプレッシャーを受けているので、どの竜から卵を持たせるかで微妙に意見が食い違う。
「私のは未だ子竜を持っていませんから、優先して欲しいですね」
穏やかな性格のパトリックだが、かなり強気の発言をしたのは、きっと騎竜のペリーの影響を受けているのだろうと、ショウとヘインズは感じる。
「サンズはこの前は交尾の協力だったし、イルバニア王国の騎竜達からも求婚されていますし……ルカにも協力するので」
父親と叔父の前で、少し口にしにくかったが、女性の絆の竜騎士の場合は、どうしても相手を限定してしまう。
「ルカだけでなく、ラルフも子竜を欲しがるでしょう」
舅になるヘインズは、さらりとミミとの結婚が控えているのを仄めかしたが、ショウは心臓がドッキンとした。パトリックは、そんな事情よりも、自分の騎竜ペリーからの強い欲求に応えてやりたいと、主張を繰り返そうとした。
『皆、ちょっと待ってよ!』
結婚式が行われる集会場の外で、サンズとペリーとモリーとルカが絆の竜騎士に任せておけないと、竜同士で話をつけた。
『今回は、ペリーとサンズに子竜を持たせることにした。先ずは、ペリーにサンズが協力して、その後にサンズに私が協力する』
まだ子竜のケイラは幼いのに大丈夫か? とヘインズは騎竜のモリーに尋ねたが、大丈夫と大きく頷く。
『ルカはもう少し落ち着いてから、子竜を持つことにしたよ』
子竜が持てることになって嬉しそうなサンズにとっては都合は良いけど、ルカがガッカリしているのではとショウは心配する。
『ルカ、それで良いの?』
親竜のモリーに言い含められたルカは、仕方ないと諦めようとはしていたが、本当は納得していなかった。
『サンズや、ペリーの絆の竜騎士は男だから、誰とでも交尾飛行できるけど……私はサンズとしかできないし……』
母親と結婚式の準備をしていたエスメラルダは、騎竜の嘆きを聞いて駆けつけた。
『ルカ! ごめんね』
女性の絆の竜騎士とその騎竜の複雑な立場を、もっと考慮してあげるべきだと反省する。
『大丈夫だよ! スローンとも交尾飛行したら良いんだ!』
サンズの提案で、ショウは目から鱗が落ちた気持ちになった。
『そうか、女性の絆の竜騎士は配偶者の騎竜としか、交尾飛行できないと思い込んでいたけど、女性同士なら……』
その場合、妻同士は避けた方が良いと、あらぬ想像をしてしまったショウだった。しかし、妹のパメラがシーガルに嫁いだ時にスローンはどうしたら良いものかと悩んでいたので、良い解決策を思いついた。
「子どもがいっぱいだねぇ!」
巨大なサンズやルカを怖がりもしないで、乗せて! と走り寄ってくる子ども達をエスメラルダは手慣れた様子でさばいていく。
「ジェレミー! レスリー! この子達を竜に乗せてあげて」
ウォンビン島から移住してきた青年とメッシーナ村の娘の若いカップルは、自分達の赤ちゃんを親に預けて、子ども達を竜に乗せて飛び立った。
「竜が足りないみたいだねぇ」
ウォンビン島の住人や、メッシーナ村の住人には竜騎士の素質を持つ人が多いのに、絆を結ぶ素質がある者しか竜騎士になれない現状をどうにかしなければとショウも考える。
「メッシーナ村では、前から竜を皆で共有していたから……でも、子ども達の中には絆の竜騎士になれそうな子も多いの」
ルカが子竜を持ちたがっているのを、エスメラルダは叶えてやりたいと思っていたが、その前に自分がショウ様と結婚しないと駄目なのだと頬を染める。ショウも頬を染めたエスメラルダと同じことを考えていたので、コホンと咳払いして、気恥ずかしい話題から逸らして、両親への挨拶へ向かった。
結婚式の準備の為に、メッシーナ村の女の人達が集まって忙がしくしていた。小さな可愛い女の子が、肩まで伸ばした茶色い髪をたなびかせて、集会場から駆け出してきた。
「お姉ちゃん!」
年の離れた妹のアレキサンドラを、エスメラルダは抱き上げて愛しそうに頬にキスをする。
「ショウ王太子、ようこそおいで下さいました」
メッシーナ村の村長になったヘインズが、妻と一緒に出迎えに出てきた。
「モリーが子竜を産んだと聞きました。見てもいいですか?」
ヘインズは挨拶が済むと、モリーと子竜に会いたいと言い出したショウを、竜バカですなぁと笑ったが、自身も子竜にメロメロなので上機嫌で案内をする。
「この子竜はメリルの?」
バッカス外務大臣のマリオンは、ここしばらくレイテを留守にしていないのだから、ちょくちょくイズマル島を訪れていた父上のメリルが交尾相手だろうと、ショウはまだまだ現役なんだと少し呆れる。
「ええ、ルカを産んでから、かなり間があきましたが、モリーに2頭目の子竜を持たせてやれて良かったです。ケイラと名づけたのですよ、ペリーにも子竜を持たせてやりたいのですが……」
ショウはサンズも子竜を持ちたいと、張り切っているので困ってしまう。
「今も竜騎士の素質がある子が多いので、竜が不足しそうだと、エスメと話していたのです。レイテに竜騎士の学校を開設しようと計画してますが、その前に竜を増やさないといけませんね」
エスメラルダとの結婚の為に訪れたショウ王太子と、ヘインズが部屋で効率的に竜を増やす計画を話していると、妹の結婚式の為に帰ってきたパトリック迄加わってああだこうだと大激論になる。
「竜の話ばかりだわ! エスメ、貴女の結婚式の準備は、あの人達抜きで進めなきゃいけないわ」
そう言ったものの、花嫁も竜バカなので、ルカにも子竜を持たせてやりたいと、部屋の中の話に気もそぞろな様子で、母親は仕方ないと肩を竦めて、女の人達と準備に取り掛かる。
「竜の血統は卵を産んだ方のみを重視しますが、それでも同じ組み合わせは避けたいですねぇ。特に、メリルとスローンは親子ですし……」
広間では女の人達が結婚式の準備に忙がしくしているが、ショウはヘインズとパトリックと簡単な血統書を書いて、相談の真っ最中だ。
「メッシーナ村の竜同士は避けたいです。これまで、かなり近親交尾を繰り返していますから」
ヘインズの騎竜モリーが、アスランの騎竜メリルと作ったケイラは、今までのメッシーナ村の竜より大きくなりそうだと皆が頷く。
「東南諸島の竜もメッシーナ村程ではありませんが、近親交尾を繰り返しています。私は出来るだけ新しい血を入れたいですね」
此処までは誰もが納得するのだが、それぞれの騎竜から子竜を産みたいとのプレッシャーを受けているので、どの竜から卵を持たせるかで微妙に意見が食い違う。
「私のは未だ子竜を持っていませんから、優先して欲しいですね」
穏やかな性格のパトリックだが、かなり強気の発言をしたのは、きっと騎竜のペリーの影響を受けているのだろうと、ショウとヘインズは感じる。
「サンズはこの前は交尾の協力だったし、イルバニア王国の騎竜達からも求婚されていますし……ルカにも協力するので」
父親と叔父の前で、少し口にしにくかったが、女性の絆の竜騎士の場合は、どうしても相手を限定してしまう。
「ルカだけでなく、ラルフも子竜を欲しがるでしょう」
舅になるヘインズは、さらりとミミとの結婚が控えているのを仄めかしたが、ショウは心臓がドッキンとした。パトリックは、そんな事情よりも、自分の騎竜ペリーからの強い欲求に応えてやりたいと、主張を繰り返そうとした。
『皆、ちょっと待ってよ!』
結婚式が行われる集会場の外で、サンズとペリーとモリーとルカが絆の竜騎士に任せておけないと、竜同士で話をつけた。
『今回は、ペリーとサンズに子竜を持たせることにした。先ずは、ペリーにサンズが協力して、その後にサンズに私が協力する』
まだ子竜のケイラは幼いのに大丈夫か? とヘインズは騎竜のモリーに尋ねたが、大丈夫と大きく頷く。
『ルカはもう少し落ち着いてから、子竜を持つことにしたよ』
子竜が持てることになって嬉しそうなサンズにとっては都合は良いけど、ルカがガッカリしているのではとショウは心配する。
『ルカ、それで良いの?』
親竜のモリーに言い含められたルカは、仕方ないと諦めようとはしていたが、本当は納得していなかった。
『サンズや、ペリーの絆の竜騎士は男だから、誰とでも交尾飛行できるけど……私はサンズとしかできないし……』
母親と結婚式の準備をしていたエスメラルダは、騎竜の嘆きを聞いて駆けつけた。
『ルカ! ごめんね』
女性の絆の竜騎士とその騎竜の複雑な立場を、もっと考慮してあげるべきだと反省する。
『大丈夫だよ! スローンとも交尾飛行したら良いんだ!』
サンズの提案で、ショウは目から鱗が落ちた気持ちになった。
『そうか、女性の絆の竜騎士は配偶者の騎竜としか、交尾飛行できないと思い込んでいたけど、女性同士なら……』
その場合、妻同士は避けた方が良いと、あらぬ想像をしてしまったショウだった。しかし、妹のパメラがシーガルに嫁いだ時にスローンはどうしたら良いものかと悩んでいたので、良い解決策を思いついた。
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
もう一度あなたに逢いたくて〜こぼれ落ちた運命を再び拾うまで〜
雪野 結莉
恋愛
魔物を倒す英雄となる運命を背負って生まれた侯爵家嫡男ルーク。
しかし、赤ん坊の時に魔獣に襲われ、顔に酷い傷を持ってしまう。
英雄の婚約者には、必ず光の魔力を持つものが求められる。そして選ばれたのは子爵家次女ジーナだった。
顔に残る傷のため、酷く冷遇された幼少期を過ごすルークに差し込んだ一筋の光がジーナなのだ。
ジーナを誰よりも大切にしてきたルークだったが、ジーナとの婚約を邪魔するものの手によって、ジーナは殺されてしまう。
誰よりも強く誰よりも心に傷を持つルークのことが死してなお気になるジーナ。
ルークに会いたくて会いたくて。
その願いは。。。。。
とても長いお話ですが、1話1話は1500文字前後で軽く読める……はず!です。
他サイト様でも公開中ですが、アルファポリス様が一番早い更新です。
本編完結しました!
大変お待たせ致しました。番外編も完結いたしました!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生調理令嬢は諦めることを知らない!
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
外れ伯爵家の三女、領地で無双する
森のカフェしっぽっぽ
ファンタジー
十三歳の少女アイリス・アルベールは、人生を決める「祝福の儀」で“ゴミスキル”と蔑まれる《アイテムボックス》を授かってしまう。戦えず、稼げず、価値もない――そう断じた家族は、彼女を役立たずとして家から追放する。さらに、優秀なスキルであれば貴族に売り渡すつもりだったという冷酷な真実まで明かされ、アイリスはすべてを失う。
だが絶望の中、彼女は気付く。この世界が、自分がかつてやり込んだVRMMORPG『メデア』そのものであることに。
そして思い出す――
《アイテムボックス》には、ある“致命的なバグ”が存在することを。
市場で偶然を装いながらアイテムを出し入れし、タイミングをずらすことで発生する“複製バグ”。それは、あらゆる物資を無限に増やす禁断の裏技だった。
食料も、装備も、資金も――すべてが無限。
最底辺から一転、誰にも真似できないチートを手にしたアイリスは、冒険者として歩み始める。だがその力はやがて、経済を歪め、権力者の目に留まり、そして世界の“仕様そのもの”に干渉していくことになる。
これは――
ゴミと呼ばれた少女が、“世界の裏側”を掌握する物語。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。