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第325話 リベンジの向こうには、何が待ち受けているのだろうか
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「そ……そ、そうですよね」
佐野はユキの言葉に気を動転させつつも、激しく首を縦に振って同意する。
ここで照れたり、卑屈になって否定をしたら、なにもかもが、ぶちこわしになるからだ。
とはいえ、これは友人としておつき合いしたいという意味なのか、はたまた愛の告白なのかは、今のユキの言葉では読みとれない。
自分としては後者を強く望むのだが、さきほどのように煮詰まった頭で結論を急いだ挙げ句、墓穴を掘るのは絶対に避けたい。
焦るな。舞い上がって要らぬことを口走るな。とにかく今は、次のユキの言葉を待て――
佐野は背中にだらだらと汗をかきながら、そのように自分へ強く言い聞かす。
一方のユキは、そんな佐野とは対照的に、とてもくつろいでいる様子である。
「まあ、だからそういう訳なので、今夜は俺とケイとで、去年の忘年会のリベンジをしようじゃないか」
そうほがらかにユキは言い、佐野へ微笑みかける。
「はい!」
佐野は努めて快活にうなずく。だが内心では、友人なのか恋人なのか、ユキの本意を一刻も早く知りたくて、そわそわしている。
加えて、そのリベンジの向こうには、何が待ち受けているのだろうか――と、思うのであった。
佐野はユキの言葉に気を動転させつつも、激しく首を縦に振って同意する。
ここで照れたり、卑屈になって否定をしたら、なにもかもが、ぶちこわしになるからだ。
とはいえ、これは友人としておつき合いしたいという意味なのか、はたまた愛の告白なのかは、今のユキの言葉では読みとれない。
自分としては後者を強く望むのだが、さきほどのように煮詰まった頭で結論を急いだ挙げ句、墓穴を掘るのは絶対に避けたい。
焦るな。舞い上がって要らぬことを口走るな。とにかく今は、次のユキの言葉を待て――
佐野は背中にだらだらと汗をかきながら、そのように自分へ強く言い聞かす。
一方のユキは、そんな佐野とは対照的に、とてもくつろいでいる様子である。
「まあ、だからそういう訳なので、今夜は俺とケイとで、去年の忘年会のリベンジをしようじゃないか」
そうほがらかにユキは言い、佐野へ微笑みかける。
「はい!」
佐野は努めて快活にうなずく。だが内心では、友人なのか恋人なのか、ユキの本意を一刻も早く知りたくて、そわそわしている。
加えて、そのリベンジの向こうには、何が待ち受けているのだろうか――と、思うのであった。
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